ダイビングの安全性
は、リクリエーション目的のスキューバダイビングとフリーダイビングに使用するために設計されたダイブコンピュータです。ダイビング前、ダイビング中、ダイビング後にダイバーが安全な判断を下すために重要な情報がデバイスに表示されます。Suunto Seal は、単独で使用することもできますが、Suunto Tank POD と一緒に使用することで、Suunto Tank POD によって測定されたタンク圧の情報をダイブコンピュータに送信して読み取ることもできます。Suunto Seal と Suunto Tank POD の組み合わせは、EU 規則 2016/425 に基づく個人用保護具(PPE)に分類され、PPE リスクカテゴリー III (a) :健康を害する可能性のある物質および混合物に分類される特定のリスクに対する保護を提供します。
Suuntoでは、適切な講習を受け、かつ各リスクを完全に理解し承諾しない限り、いかなる種類のダイビングも行わないよう強く推奨しています。認定をうけた指導団体の規則には常に従ってください。
印刷された資料およびオンラインユーザーガイドをすべて読み、必ずダイビング機材の使用方法とその限界を完全に理解するようにしてください。常に、自分の安全の責任を負うのは自分自身であることを忘れないでください。
警告:コンピュータには不具合や障害が発生することがあります。ダイビング中に突然このデバイスが正確な情報を提供できなくなる可能性があります。常にバックアップのダイブデバイスを使用し、バディシステムを活用して単独でのダイビングは避けてください。
警告:減圧モデルは理論上のものであり、ダイバーの実際の身体をモニタリングするものではないため、いかなるダイビングでも、必ず減圧障害(DCI)のリスクが伴います。個人の体調は日によって異なります。ダイブコンピュータはこれらの変化を考慮することはできません。減圧障害の危険を最小限に抑えるために、必ずダイブコンピュータが表示する曝露限界値の範囲内に留まるようにしてください。
警告:DCI の発症リスクが高いと考えられる場合、個人設定を使用して、保守的な計算結果になるように調整し、ダイビング前にダイビング医療の経験がある医師に相談することをお勧めします。
警告:海抜 300 m(980 ft)を超える高所潜水では、ダイブコンピュータが減圧状況を計算できるよう、高度設定が正しく選択されている必要があります。不正確な高度設定や最大高度以上の場所での潜水は、誤ったダイブデータとプランデータの原因となります。高所でのダイビング前には体を高度に順応させることをお勧めします。ダイビング計画時に調整した個人設定と高度設定を、実際のダイビングでも使用してください。
警告:商業上もしくは職業上の潜水活動のためにこのデバイスを使用しないでください。商業上もしくは職業上の潜水は、ダイバーが減圧障害(DCI)のリスクが増大するような水深や過酷な状況にさらされる可能性があります。
警告:ダイビング前に、ダイブコンピュータが正常に機能していること、ディスプレイが機能していること、バッテリー充電レベルが十分なこと、タンク圧が正しいこと、設定が正しいことを必ず確認してください。
警告:ダイビング中、定期的にダイブコンピュータの機能や動作を確認してください。コンピュータのいずれかの機能が正しく動作していないと感じた場合には、ただちにダイビングを中止し、安全に水面に浮上してください。Suunto カスタマーサポートにお問い合わせのうえ、Suunto 認定サービスセンターに返送して点検を受けてください。
警告:ダイブコンピュータの使用中は、他のダイバーとの間で交換および共有をしないでください。ダイビング中または反復潜水中にダイブコンピュータを装着していなかったダイバーには、ダイブコンピュータの情報が適用されません。ダイブコンピュータのダイブプロファイルは、ユーザープロファイルと必ず一致している必要があります。いかなるダイブコンピュータでも、そのダイブコンピュータを使わずに行ったダイビングを反映することはできません。そのため、誤った情報が表示されないよう、コンピュータの初回使用前 4 日間はダイビングをしないでください。
警告:安全上の理由から、単独でのダイビングは絶対にしないでください。バディと一緒にダイビングを行うようにしてください。減圧症の症状が遅れて現れたり、陸上でのアクティビティによって減圧症が誘発されたりすることがあるため、ダイビング後もしばらくの間は他の人と一緒に行動するようにしてください。
警告:講習を受けたダイバーのみがダイブコンピュータを使用してください。フリーダイビングなどダイビングの種類を問わず、十分な講習やトレーニングを受けていないダイバーは、混合ガスの誤った使用や不適切な減圧などのトラブルを起こすことがあり、これは重傷や死亡事故につながる可能性があります。
警告:フリーダイビングとスキューバダイビングのアクティビティを同じ日に行わないでください。
警告:このデバイスは、圧縮空気と一緒に使用することをお勧めします。圧縮空気の供給は、EU 規格 EN 12021:2014(呼吸器用圧縮ガスの要件)に規定されている圧縮空気の品質基準を満たしている必要があります。このデバイスは、エンリッチドエアー (ナイトロックス) 呼吸ガスと使用することもできます。
警告:混合ガスを使用したダイビングには、一般的に使用するエアーとは異なるリスクがあります。酸素濃度が 22% 以上の混合ガスが含まれる機器を使用する場合は、ダイビングで実際に使用する前に、エンリッチドエアー利用のダイビングに関する適切な講習を必ず受講してください。
警告:ナイトロックスダイビングの場合、最大許容深度(MDO)と減圧不要限界時間は混合ガスに含まれる酸素濃度に左右されます。酸素曝露量が最大限界値に到達したと表示された場合、ただちに酸素曝露を減らすための措置を講じる必要があります。CNS% / OTUの警告があった後、酸素暴露を減らすための措置を取らなかった場合、酸素中毒、負傷、死亡事故のリスクが急激に増加します。
警告:自分自身でガスの内容を確認しダイブコンピュータにその分析値を入力していない場合は、そのガスをダイビングに使用しないでください。必要に応じてタンクの中身を確認して、ダイブコンピュータにガスの分析値を適切に入力しないと、誤ったダイビングプランが表示されます。
警告:ダイブコンピュータが飛行機搭乗禁止時間をカウントダウンしている間は、飛行機に搭乗しないでください。飛行機に搭乗する前に必ずダイブコンピュータを起動し、飛行機搭乗禁止の残り時間を確認してください。飛行機搭乗禁止時間内の飛行機搭乗および高所移動は、減圧症のリスクが非常に高まります。ダイバーズ・アラート・ネットワーク(DAN:Divers Alert Network)が発信している情報を参考にしてください。潜水後の飛行機搭乗において、減圧症を完全に防ぐことを保証する規定は存在しません。
警告:ペースメーカーをご使用の場合は、スキューバダイビングはしないことを推奨しています。スキューバダイビングは身体にかかる負荷が大きいため、ペースメーカーを装着している方には適していない可能性があります。
警告:ダイブコンピュータを使用する際には、印刷版のクイックガイドとオンラインユーザーガイドに必ず目を通してください。ガイドに目を通していない場合、ダイブコンピュータの不適切な使用や重傷・死亡事故につながる恐れがあります。
メモ:最新のソフトウェアにはアップデートや改良点が含まれています。常に最新のソフトウェアがお使いの Suunto ダイブコンピュータにインストールされている状態にしてください。ダイビング旅行に出かける前に、www.suunto.com/support にアクセスして、お使いのデバイスで利用可能な最新のソフトウェアアップデートがないかどうか確認してください。利用可能な最新のソフトウェアアップデートがある場合は、ダイビングの前に必ずインストールしてください。Suunto では当社製品をより快適にご利用いただくために継続的な製品開発と改善に常に努めており、随時ソフトウェアアップデートを提供しています。
ダイブ設定
Suunto Oceanにはスキューバダイビングのための2つのダイビングモードがあります。シングルガスおよびマルチガス、および1つのフリードライブモードです。Freedving(深さ)です。ダイブモードは、メインメニューにあります。メインメニューは、時計文字盤を下にスワイプするか、上ボタンを押し中央ボタンでモードを選択することで表示できます。

ダイブ自動開始機能
には、圧力の上昇や水との接触を感知すると、自動でダイビングが開始される機能が搭載されています。以下の状態になると、プレダイブ画面またはその他のウォッチ画面からダイブ状態に入ります。
- 水との接触があり、絶対気圧が設定した潜水開始深度(初期設定は 1.2 m / 4 ft)と同等になったとき
- もしくは、水との接触は感知されていないが、絶対気圧が設定した潜水開始深度(初期設定は 1.2 m / 4 ft)+ 1.8 m(5.9 ft)と同等になったとき
(初期設定は 5 分)が設定されており以下の状態になると、自動でダイブが終了となります。
- 水との接触があり、絶対気圧が設定した潜水開始深度(初期設定は 1.2 m / 4 ft)と同等またはそれより浅い深度になったとき
- もしくは、水との接触は感知されていないが、絶対気圧が設定した潜水開始深度(初期設定は1.2 m / 4 ft)+ 1.8 m(5.9 ft)と同等またはそれより浅い深度になったとき
ダイビング以外のウォッチ画面の状態から水に入った場合、 は、最後に設定されたダイブモードに自動的に切り替わります。
メモ:はダイブモードのやフリーダイブモードのダイブオプションから設定できます。
メモ:は、他のエクササイズビューの状態の場合、ダイブ状態に入りません。
警告:ダイブ自動開始機能は予防機能です。常に選択したダイブモードから入り、ガスやダイビング設定を確認してからダイブを開始することを推奨しています。
ダイブモード
にはダイブモードが 2 つとフリーダイブモードが 1 つあります。これらは特定のダイビングタイプに対応できるよう、あらかじめ設定されています。
単一ガス
このダイブモードは、単一ガス(エアーまたはナイトロックス)を使用した、減圧不要なレクリエーション目的のダイビングに最適です。
- 1 つの使用中のガス 、最大5つの無効のガス
- エアーまたはナイトロックスミックス
- 使用中のガスとペアリング中の Tank POD
マルチガス
このダイブモードは、マルチガスを使用したテクニカルダイビングに最適です。
- 最大 5 つの有効または無効のガス
- エアーまたはナイトロックスミックス(NX99 まで)
- 表面までの時間(TTS)、ppO2は常にダイブ画面に表示されます
- マルチガスにペアリング中の Tank POD
フリーダイブ:
このダイブモードは、レクリエーション目的のフリーダイビングに最適です。
- 水中ビューおよび水面ビュー
- 潜降速度および浮上速度
- 潜水時間および深度アラームのオプション複数あり
スキューバダイビングで使用するボタンの機能
には3つのボタンが搭載されています。ダイビング中にボタンを短く押す、または長押しすることで、さまざまな機能を操作できます。
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上ボタンを短く押すと、ガスの切り替えメニューにアクセスできます(モードのみ対応)
-
上ボタンを長押しすると、輝度レベルを調整します(低/中/高)
-
中央ボタンを短く押すと、アーチが切り替わります
-
下ボタンを短く押すと、切り替えウィンドウに表示される情報が切り替わります
-
下ボタンを長押しすると、ロックボタン
「ボタン」および「画面ロック」を参照してください。

プレダイブ画面およびダイブオプション
プレダイブ画面は全ダイブモードで同じ仕様ですが、ダイビングのニーズに合わせて調整できる、各ダイブモードに特化したオプションがあります。
プレダイブ画面には、心拍数、Tank POD、GPS など、選択したダイブモードで使用している機能に応じてアイコンが表示されます。ディスプレイに表示される情報は以下のとおりです。

-
Tank POD アイコン(接続済み、かつ有効な場合)
-
GPS 信号(有効な場合)
-
心拍数(有効な場合)
-
バッテリーの残り時間
-
使用中の混合ガス
-
タンク圧(Tank POD に接続済み、かつ有効な場合)
-
使用中のガスに対し設定した最大酸素分圧の限界値()
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使用中のガスの最大許容深度()
-
使用中のダイブモード
GPS 信号信号を検出中、矢印のアイコン(コネクテッド GPS)が灰色に点滅し、いったん信号が検出されると緑色になります。GPS を正確に検出できるよう、GPS のアイコンが緑色になってから入水してください。
心拍数信号を検出中、心臓のアイコン(心拍数)が灰色に点滅します。いったん信号が検出されると、チェストストラップ式心拍センサーを使用している場合はベルト付き心臓のアイコンが色付きに、光学式心拍センサーを使用している場合にはベルトなしの心臓のアイコンが色付きになります。心拍数センサーのペアリングについては、「ポッドとセンサーのペアリング」を参照してください。
Tank POD:Tank POD:使用中のガスにペアリングされた Tank POD をお持ちで有効になっている場合、タンクのアイコンが左側に表示されます。
バッテリー:バッテリー:バッテリーアイコンにより、バッテリーがなくなるまでのダイビング可能時間が表示されます。
プレダイブ画面から上にスクロールすると、次の設定にアクセスできます。

ダイブモードの変更:
ダイブモード名をタップすると、別のダイブモードやその他のエクササイズモードに切り替えることができます。
ガス
からダイブガスの酸素濃度や の設定を変更できます。ガスを参照してください。
アルゴリズム
アルゴリズムの設定には、特定のダイブモードの減圧アルゴリズムを変更するオプションがあります。「アルゴリズムの設定」を参照してください。
アラーム
特定の深度、潜水時間、タンク圧に達した場合のアラームを設定できます。ダイブ関連のアラームの詳細については、を参照してください。
Tank POD:
Tank POD メニューでは、使用中のガスで利用可能な Tank POD の接続や接続解除ができます。Suunto Tank POD の取り付けと接続
センサー
心拍センサーをペアリングするとダイビングを記録できます。ポッドとセンサーのペアリング
ダイビング設定
には、他にもダイブモード向けにさまざまな設定があります。利用できるオプションについては、を参照してください。
メインダイブビュー
プレダイブ画面の状態で中央ボタンを押すと、さまざまなダイブビューをスクロールできます。デフォルトのダイブディスプレイでは、次の情報が表示されます。

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減圧情報
-
浮上速度(スピードにより色分けされている)
-
ダイブタイム
-
深度
-
切り替えウィンドウ(情報の切り替えが可能)
-
アーチ(減圧不要限界やタンク圧、水面までの浮上時間、停止時間など重要な情報を示す)
ダイビング中に表示される重要な情報
ダイビング中は、次の情報がウォッチの画面に表示されます。
減圧情報
画面上の減圧情報が表示されるエリアは固定されており、以下のデータが以下の場面で表示されます。
水面休息時間:水面休息時間:水面にいる場合、減圧情報が表示されるエリアには水面休息時間のタイマーが表示されます。ダイビングが終了し水面に浮上した時間から次のダイビングで潜降を開始した時間までの経過時間が表示されます。経過時間は、1 時間までは分・秒単位で表示されます。1 時間を超える場合、24 時間までは時間・分単位で表示されます。その後 7 日間までは時間で表示され、それ以降は日表示のみになります。

解凍制限(NDL)がありません:減圧不要限界(NDL):ダイビングを開始すると、水面休息時間のタイマーの表示場所に NDL 時間が表示されます。現在の深度における、減圧停止が必須になるまでの残り時間が分単位で表示されます。NDL 時間が 99 分を超える場合、「>99」と表示されます。NDL 時間が 5 分以下の場合、強制アラームが発動します。NDL 時間が 5 分を超えるか、減圧情報が表示されるまで、NDL 時間の表示場所が強調されます。強制アラームに関する詳細については、を参照してください。


減圧不要限界時間減圧時間:NDL 時間を超過した場合、アラームが発動し、NDL 時間の表示場所に最適な浮上時間(TTS)が分単位で表示されます。バッジが表示され、NDL アーチがオレンジ色に変わり同じ TTS 時間を表示します。切り替えウィンドウにはシーリング深度の値が表示されます。シーリング深度の値は、減圧停止を実施する深度を指しています。また、アラームが作動します。アラームはいずれかのボタンを押すことで解除できます。減圧潜水に関する詳細については、を参照してください。

停止時間停止時間:ダイビング中に安全停止または減圧停止が必要になった場合、NDL または減圧情報の表示場所に停止タイマーが表示され、必須停止時間が分・秒単位でカウントダウンされます。停止深度の範囲が深度の表示場所に表示されます。停止が完了すると、「」が切り替えウィンドウに表示されます。安全停止時間は、アルゴリズム設定で 3 分、4 分、または 5 分に調整することができます(初期設定は 3 分)。

浮上速度:
ダイビング中、画面中央のバーが浮上速度を表示します。バーのひと区切りは毎分 2 m(6.6 ft)に相当します。


バーは以下のように色分けされています。
-
グレー:浮上速度が毎分 2 m(6.6 ft)未満
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緑:浮上速度が毎分 4 m(13 ft)~ 8 m(26 ft)
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黄色:浮上速度が毎分 8 m(26 ft)超
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赤:浮上速度が毎分 10 m(33 ft)
-
赤(強調表示):浮上速度が 5 秒以上、毎分 10 m(33 ft)超
警告:最大浮上速度を超えるダイビングはしないでください。急速な浮上は負傷する危険を増加させます。最大浮上速度を超過したときには、強制安全停止および推奨安全停止を必ず実施してください。
重要な情報を示すアーチ
SUUNTO OCEANには、シングルガスモードとマルチガスモードの両方で異なるアーチが付いています。

無減圧アーチに減圧不要限界時間が表示されます(固定範囲:0 ~ 99)5 ~ 99 までは緑色で表示され、0 ~ 5 の場合オレンジ色で表示されます。減圧不要限界時間の値が 99 を超える場合でも、インジケータは 99 で停止します。
タンク圧:ウォッチが Suunto Tank POD にペアリング済みの場合、アーチにタンク圧が表示されます。範囲は Tank POD が読み取ったダイビング開始時のタンク圧によって判断され、250 bar または 350 bar となります。アーチ上の bar は単位設定に応じて 50 bar または 500 psi で表示されます。各色は特定の範囲を示しており、以下のように常に固定されています。
Tank POD がペアリングされていない、または信号が失われた場合、アーチはグレーになります。タンクポッドをリンクする方法については、Suuntoタンクポッドの取り付け方法とリンク方法を参照してください。
コンパス:アーチに磁北(赤色の矢印)をふくむ、4 方位が表示されます。ダイビング中のコンパスの使用
なし:ダイブビューがアーチなしで表示されます。
また、2 種類の変動型アーチがあります。
停止タイマー:停止が必要な場合、アーチにはダイブビューウィンドウに応じた値が表示されます。
TTS:NDL 時間を超過した場合、アーチはオレンジ色に変化し(TTS)が表示されます。TTS のアーチの固定範囲は 0 ~ 50 分です。値が 50 分を超える場合でも、インジケータは 50 分で停止します。
中央ボタンを押して、アーチ間をスクロールします。
スキューバダイビングの切り替えウィンドウ
ダイブ画面の下にある切り替えウィンドウには、さまざまな種類の情報が表示できます。下ボタンを短く押すと、表示される情報が切り替わります。
変動のある値
切り替えウィンドウにデフォルトで表示される値があります。これらの値は、アラームが作動するかイベントが発生した場合のみウィンドウに表示されます。
OTU
酸素耐性ユニット。長時間にわたった高い酸素分圧への曝露による、体全体の毒性を計るために使われます。Suunto Oceanは、日次の推奨限度が250(注意)および300(警告)に達するとアラームを発します。

CNS
中枢神経系毒性。CNS値は、酸素の部分圧(ppO2)が上昇してからの暴露時間の尺度であり、最大許容暴露の割合として表示されます。Suunto Oceanは、CNS %が80%(注意)に達したとき、および100%の制限(警告)を超えたときにアラームを発します。

酸素曝露の計算は、現在採用されている曝露限度時間テーブルおよび原則に基づいています。限界値は、NOAA ダイビングユーザーガイドに基づいています。 の割合はダイブモードに設定してある場合、水面にいる場合でも継続的に計算されます。
これに加え、ダイブコンピュータは酸素曝露を保守的に推定するための手法を複数使用しています。以下に例を挙げます。
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酸素曝露の計算値は、次に高いパーセンテージ値に切り上げられて表示されます。
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の限界値は最大 1.6 bar(23.2 psi)までです。
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OTUの監視は長期間の日常耐性レベルを基礎にしており、回復率は減速されています。
水面にいる場合やダイブ終了後、90 分経過するごとに は半減します。例えば、ダイブ後 が 100 であった場合、90 分経過すると 50 にまで減少します。さらに 90 分後 25 になります。
警告:酸素曝露量が最大限界値に到達したと表示された場合、ただちに酸素曝露を減らすための措置を講じる必要があります。CNS% / OTUの警告があった後、酸素暴露を減らすための措置を取らなかった場合、酸素中毒、負傷、死亡事故のリスクが急激に増加します。
シーリング
安全停止が必要になった場合、シーリング深度の最低値(3 m)が切り替えウィンドウに表示されます。 は、常にこれらの停止の最も深い地点からのシーリング値を表示します。浮上中、表示されたシーリング深度の値より浅い深度まで浮上しないでください。減圧潜水に関する詳細については、を参照してください。

ダイビング設定
には、プレダイブ画面から下にスクロールするとアクセスできます。

心拍数
ダイビングの心拍数の計測をオンまたはオフにできます。心拍数、光学心拍数、心拍数 ゾーンの詳細については、を参照してください。
GPS
ダイビングのスタート地点とゴール地点を記録し正確なダイブルートを取得するには、で GPS を有効にする必要があります。正確な位置情報を取得できるよう、ダイビング開始前にプレダイブ画面で GPS の矢印アイコンが緑色になっていることを確認してください。Suunto では、プレダイブ画面の状態からダイビングを開始することを推奨しています。
メモ:自動開始機能を使用してその他の画面からダイビングを開始する場合、 GPS 信号は検出されません。
ダイブルート
ではダイブルートを追跡することができます。水中ルートは GPS、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、気圧センサーをもとに追跡されます。このアルゴリズムは、実際のダイビングから取得した膨大なデータ、データ分析、機械学習を用いて開発されました。
ダイビング中に水中ルートを追跡するには、 との設定を両方有効にする必要があります。ダイブルートはダイブコンピュータには表示されません。スマートフォンに接続すると、Suunto アプリのダイブログに同期されます。

オーバーヘッド環境(洞窟や難破船など)、屋内プール、GPS 信号の受信状態が悪い、または存在しない状況では、ダイブルート信号が損なわれることがあります。
メモ:ダイブルートを追跡するには、プレダイブ画面からダイビングを開始し、GPS 信号が緑色になっている必要があります。プレダイブ画面およびダイブオプション
メモ:ダイブルートを Suunto アプリに同期するには、膨大なデータがあるため時間がかかる場合があります。
潜水開始深度
潜水開始および潜水終了となる深度のしきい値を設定できます。初期設定の深度は 1.2 m (4 ft)で、 最大 3.0 m (9.8 ft)まで設定が可能です。

潜水終了時刻
設定した潜水開始深度よりも浅い場所に浮上すると、 は水面での経過時間を計算し始めます。から、希望の潜水終了時間を設定できます。設定した終了時間を経過すると、ダイビングが自動で終了となります。設定した終了時間を経過する前に潜水を続行した場合、ダイビングはそのまま継続となります。終了時間は 1 ~ 10 分の間に設定できます。初期設定は 5 分です。
ヒント:あなたがインストラクターでダイビング中に水面でコミュニケーションをとる必要がある場合などは、終了時間を長めに調整してください。終了時間を短めに調整した場合、ダイビングサマリーをすぐに確認できます。

メモ:水面に浮上した後、設定した終了時間内に再び潜水をした場合、 はこれらを 1 回のダイビングとみなします。
明るさ
明るさ設定では、ダイビング中のディスプレイの明るさの全般的な強弱を、(デフォルト)、(デフォルト)から設定できます。Low、Medium(デフォルト)、またはHigh(デフォルト)です。明るさ設定は使用中のダイブモードに対してのみ適用され、その他のダイブモードやアウトドアモード、明るさの一般設定には影響ありません。
ダイビング中バッテリーを節約するため、操作のない時間が一定時間続くとディスプレイの明るさが下がります。手首を動かしたりボタンを押したりした場合やアラームが作動した場合、明るさモードが最大になります。また、上ボタンを長押しすると、ダイビング中に明るさを調整できます。
注意:高輝度ディスプレイを長時間使用すると、バッテリー寿命が短くなり、画面が焼き付きすることがあります。ディスプレイの寿命を延ばすために、高輝度を長時間使用しないでください。
感想
感じを見なさい。
ダイブアラーム
には色分けされた強制アラームがあります。アラームは音と振動とともに、画面上にわかりやすく表示されます。警告は常に赤色で、迅速な措置が常に求められる重要なイベントを示しています。アラーム音と振動は停止できますが、警告は状況が改善するまで赤色のまま表示されます。
では、自分でアラームを作成しお好みのアラーム音、振動、外観モードを設定することができます。
強制ダイブアラーム
次の表では、ダイビング中に目にする可能性のある、強制的に表示される警告を示しています。この表で、アラームが作動した理由と問題の解決策を確認できます。
複数のアラームが同時に発生した場合、優先度が高いエラーが表示されます。いずれかのボタンを押して最初のアラームを確認すると、次のアラームが表示されます。
アラーム |
説明 |
アラームの解除方法 |
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浮上速度が安全な浮上速度 10 m(33 ft)/分を 5 秒間以上超えています。 |
浮上速度インジケータが緑色になる範囲で浮上してください。DCS(減圧症)の症状がでないかどうかを監視してください。今後はさらに保守的なダイビングを実施してください。 |
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減圧潜水で減圧シーリングよりも 0.6 m(2 ft)以上浅く浮上しています。 |
表示されているシーリング深度の値よりも深い深度まで潜降してください。 |
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酸素分圧が最大限界値(>1.6)を超過しています。 |
ただちに浮上するか、酸素の割合が低いガスに変更してください。 |
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酸素分圧が使用中のガスに対し設定した限界値を超えています。 |
ただちに浮上するか、酸素の割合が低いガスに変更してください。 |
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中枢神経系(CNS)酸素毒性レベルが、限界値の 80% または 100% に達しています。 |
が低いガスに変更するか、浅い深度まで浮上してください(減圧停止のシーリング深度の範囲内)。 |
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OTU が 1 日あたりの推奨限界量の 100% または 80% に達しています。 |
が低いガスに変更するか、浅い深度まで浮上してください(減圧停止のシーリング深度の範囲内)。 |
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タンク圧が 50 bar(725 psi)を下回っています。 |
タンクの残量が多いガスに切り替えるか、安全停止の深度まで浮上しダイビングを終了してください。 |
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深度がウォッチの使用における最大深度(60 m)を超えています。ダイビングが 60 m を超えると、ダイブコンピュータは深度やアルゴリズムの情報を正確に表示できなくなります。 |
浅い深度まで浮上し、浮上プロファイルに従ってください。DCS(減圧症)の症状がでないかどうかを監視してください。今後はさらに保守的なダイビングを実施してください。 |
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安全停止の深度範囲外にいます。 |
安全停止の範囲である 3 ~ 6 m に留まってください。 |
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NDL が 5 分を切っています。 |
減圧停止を回避するため、浅い深度まで浮上してください。 |
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減圧停止のシーリング深度を 3 分以上超えており、減圧停止が実施されませんでした。 |
切り替えウィンドウが示すシーリング深度まで潜降してください。 |
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NDL が 0 分となり、減圧停止が必須となりました。 |
指示のとおりに減圧停止を実施し、常にシーリング深度の値よりも深い深度に留まってください。 |
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バッテリー残量が少なくなっている(<10%)、または非常に少なくなっている(<5%)状態です。 |
デバイスを充電でしてください。 |
ユーザーが設定できるダイブアラーム
強制アラームに加え、ほかにもタンク圧、深度、ダイブタイム、NDL の設定可能アラームがあります。各アラームでは、アラーム音の長さをショートまたはロングにカスタマイズできるほか、アラーム音をすべてオフにできます。アラーム音のオプションのほかに、振動アラートを付けることもできます。またはお好みでアラーム音をサイレントにし振動のみをオンにすることも可能です。
アラーム音や振動オプションだけではなく、通知(シアン)と警告(黄色)の 2 つの外観モードから選択できます。設定可能アラームにはそれぞれ最大 5 つのアラームを作成でき、アラームが作動した場合いずれかのボタンを押すと解除できます。

タンク圧
タンク圧アラームは、51~360 bar(725~5221 psi)の間で値を設定できます。50 bar(725 psi)に達した際に作動する強制アラームがあります。これは調整できません。タンク圧のアラームは、ターンプレッシャー(折り返し地点での残圧)に達したことを通知するのに便利です。

深度
深度アラームは、3.0 m~59.0 mの範囲で定義できます。深度アラームは、特に自由度が異なる段階の自由度を通知する場合に便利です。また、ダイビング中に自身の個人的な深度の限界値に達したことを通知するよう設定することもできます。

ダイブタイム
ダイブタイムアラームは、分・秒単位で最大 99 分まで設定できます。

NDL
減圧不要限界(NDL)アラームは、特定の NDL に達した際、または NDL 時間が残り少なくなった際に、アラートを発動するよう設定ができます。

システムエラー
コンピュータには不具合や障害が発生することがあります。ダイビング中に突然このデバイスが正確な情報を提供できなくなる可能性があります。不具合や障害に対処できるよう常に計画を立てるようにするほか、バックアップのダイブデバイスを使用し、バディシステムを活用して単独でのダイビングは避けてください。万が一、ダイビング中にダイブコンピュータが故障した場合には、ライセンスの認定を受けたダイビング指導団体が提供している緊急時の手順に従い、直ちに、かつ安全に浮上してください。システムエラーが発生した場合は、Suunto カスタマーサポートへお問い合わせください。
ガス
との両方のモードで、使用中のガスにエアーが初期設定されています。メニューから、使用中のガスの編集や新しいガスの作成ができます。

使用中のガスは削除できません。使用中のガスを切り替える場合、既存のガスを修正するか、新しいガスを作成しガス状況を使用中に設定する必要があります。使用中のガスを切り替えると、それまで使用していたガスは、モードの場合は無効、モードの場合は有効になります。

モードでは、使用中のガスに設定できるのは 1 つのみです。新しいガスを作成する場合、使用中のガスに設定するか、必要な時に簡単に有効にできるよう頻繁に使用する混合ガス(NX32 など)として保存するかを選択できます。


ガスの編集
ナイトロックス混合ガスを使用してダイビングを行う場合、タンクの酸素割合と酸素分圧限界の両方を に入力する必要があります。これは、入力値に基づいて行われる窒素および酸素の計算と最大許容深度(MOD)の計算の正確性を保つために必要です。酸素濃度(%)の初期設定は 21%(エアー)、酸素分圧()の初期設定は 1.4 barです。
使用中のガスの酸素濃度および酸素分圧は、ビューで混合比を調整できます。

酸素の割合は 21 ~ 100% の間で調整できます。
の設定では、最大許容深度()を混合ガスが安全に使用できる範囲までに制限しています。 の値は 1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6 に設定できます。
メモ:どのような影響があるかを完全に理解できていない場合、値は変更しないでください。
メニューではタンクサイズも設定可能です。デフォルト値は12リットル/80立方フィートです。Suuntoタンクポッドを使用してダイビングするときは、正しいタンクサイズを設定して、ガス消費量の計算が正しく行われるようにしてください。

メニューから Suunto Tank POD にペアリングすることも可能です。ワイヤレスタンクの圧力ペアリングの詳細については、「Suuntoタンクポッドの取り付けとリンクの方法」を参照してください。
マルチガスでのダイビング
モードでダイビングする場合、 ではメニューで有効なガスの中でガスの切り替えができます。最大 5 つの有効・無効のガスをガスリストに登録できます。
メモ:減圧アルゴリズムは、すべての有効なガスがダイビングに使用されると想定しており、使用可能なガスに応じて減圧停止や減圧時間、水面までの浮上時間を計算します。使用していないガスはすべて無効にしてください。

浮上時により適切なガスがある場合は、そのガスに切り替えるように通知されます。
たとえば、水深 40 m(131.2 ft)までのダイビングに、次のガスを使用しているとします。
- ナイトロックス 26%(1.4 ppO2)( ボトム用)
- ナイトロックス 50%(1.6 ppO2)( 減圧ガス)
- ナイトロックス 99%(1.6 ppO2)( 減圧ガス)
浮上時にガスの最大許容深度(MOD)に従って、水深 22 m(72 ft)と 6 m(20 ft)で、ガスを切り替えるよう通知があります。ガスの切り替え通知は切り替えウィンドウに表示され、いずれかのボタンを押すとガスリストが開き、最初に使用が推奨されるガスが表示されます。中央ボタンを押して新しいガスを確定します。推奨されたガスへの切り替えを希望しない場合は、ガス切り替えの提案を却下できます。これにより、推奨されたガスは有効なガスの次の MOD まで表示されることはありません。ダイビングが終了すると、次のダイビングにはO2濃度が最も低いガスが使用中のガスに設定されます。
ワイヤレスのタンク圧サポート
SuuntoD5は、Suunto Tank PODと組み合わせて使用して、ダイブコンピュータにタンク圧をワイヤレス送信できます。Suunto OceanはSuuntoタンクポッドトランスミッタとのみ互換性があります。Suunto Tank POD は 123 kHz 帯を使用してデータを送信します。Tank POD からダイブコンピュータへの通信は一方向であり、ダイブコンピュータが Tank POD に何かを送信することはありません。
と Suunto Tank POD をペアリングすると、以下の機能が利用できます。
Suunto Tank POD の取り付けと接続
Suunto Tank POD を取り付けて接続するには:
-
Tank POD クイックガイドまたはTank POD ユーザーガイドに記載されている指示に従い、Tank POD を取り付けます。
メモ:タンク圧の読み取り値を最大限正確にするため、Suunto では Suunto Tank POD を を装着している側と同じ側に取り付けることを推奨しています。
- Tank POD を取り付けてバルブを開き、Tank POD の LED が緑色に点滅するまで待ちます。
- ダイブオプションの下にあるタンクポッドメニューに移動します。Tank POD が有効で受信範囲内にある場合、Tank POD のシリアルナンバーが表示されます。
- 適切な Tank POD を選択しバッテリーの状況とタンク圧を確認してください。
- 適切なガスをリストから選択し、Suunto Tank POD に接続します(マルチガスを使用したダイビングの場合)。
- ガス消費率を計測できるよう、タンクサイズが正しいことを確認してください。
-
メインメニューに戻ると、Tank POD のシリアルナンバーが Tank POD メニューに表示されます。

メニューから Suunto Tank POD をペアリングする場合:
- メニューで、Tank POD に接続するガスを選択します。
- ガス編集ビューに移動し、タンクポッド設定までスクロールします。
-
Tank POD がすでに有効になっており受信範囲にあることを確認してください。リストから Tank POD のシリアルナンバーを選択します。

同一の Tank POD に複数のガスを接続している場合、ダイビングを開始する前に、該当する使用中のガスを使用しており、かつガスが Tank POD に接続されていることを確認してください。ダイブメインビューでは、使用中のガスに該当するタンク圧のみが表示されます。
警告:Tank POD を使用するダイバーが複数いる場合は、ダイビングを開始する前に、選択したガスの POD 番号が自分の POD のシリアルナンバーに合致していることを必ず確認してください。
メモ:シリアルナンバーは、Tank POD の金属製ベースとカバーに記されています。
複数の Tank POD を使用する場合は上記の手順を繰り返し、それぞれの Tank POD に異なるガスを選択してください。
特定のガスから Tank POD の接続を解除して削除するには:
-
Gases(ガス)メニューで、 Tank POD から削除したいガスを選択します。
-
削除したい Tank POD の選択を解除します(シリアルナンバーを確認してください)。
-
Tank POD が選択したガスリストから削除されます。
メニューからも Tank POD の接続を解除できます。
メモ:Tank POD が有効でデータを送信中の場合のみ接続解除できます。
メモ:タンク圧情報の予備の情報源として、常にアナログの残圧計をバックアップとして使用してください。
メモ:Suunto Tank POD に関する情報は、製品に付属の説明書を参照してください。
タンク圧
を Suunto Tank POD に接続すると、タンク圧ビューの切り替えウィンドウとアーチ上の両方でタンク圧を確認できます。アーチ上のタンク圧の表示については、を参照してください。
以下の例は、さまざままタンク圧を示したものです。
タンク圧:125 bar

タンク圧:50 bar

追加でタンク圧アラームを 100 bar に設定した場合

メモ:Suunto Tank POD にペアリングしていない場合、切り替えウィンドウのタンク圧には「TANK POD なし」と表示されます。Tank POD はペアリングされているがデータが受信されていない場合、「- -」と表示されます。この場合、Tank POD が受信範囲内にはない、タンクが閉まっている、あるいは Tank POD のバッテリー残量が低い可能性があります。
メモ:LED ライトがタンク圧信号に干渉する可能性があります。
ガス消費
ダイビング中の実際のガス消費率は、ウォッチ画面の切り替えウィンドウで確認できます。またデバイスや Suunto アプリのダイビングサマリーから、実施したダイビングの平均ガス消費率も確認できます。
画面のデータは、ダイビング中の現在の深度のガス消費率をリアルタイムで示しています。ダイバーの呼吸速度の計測には、 では分時換気量(RMV)を使用しています。RMV とは 1 分間で肺が取り込み排出するガスの量を や で測定したものです。ガスの消費率を正確に計測するには、メニューで使用するタンクサイズを正しく設定する必要があります。詳しくは、ガスの編集を参照してください。タンクサイズの初期設定の値は、常に 12 L(80 cu ft)です。

では、ダイビング中のガス消費率の計算に次の RMV の計算式を使用しています。
実際の深度と 50 ~ 170秒の範囲で計測された平均ガス消費量(大気圧に換算)に基づいて計算されます。

Vgas (liters) |
大気圧に換算したガス消費量 |
RMVリットル/分 |
深度補正された水面ガス消費率(SAC) |
T1 |
計測開始時刻 |
T2 |
計測終了時刻 |
Depth (T) |
深度 |
VT1 |
計測開始時点の Vgas (liters) |
VT2 |
計測終了時点の Vgas (liters) |
Daverage |
計測範囲における平均深度 |
ガス消費量の計算には、 では以下の計算式が使用されています。

ダイブサマリーでは、ダイブ後の平均ガス消費量を確認できます。この値は、ダイブ中のすべてのガス消費量値から計算された、平均ガス消費量値を示します。
メモ:リアルタイム消費量値は時間範囲内に収集されたデータに基づくため、ガス消費量値がダイブ開始直後に入力されない場合があります。低圧ホースを使用して、BCD または保護スーツで浮力を制御する場合、これが原因で値が高くなる場合もあります。
メモ:ガス計算では、ガスの圧縮可能性と温度の変動も考慮され、より正確な値が出されます。
ガスタイム
切り替えウィンドウに表示されるの値は、最終的に 35 bar(508 psi)を残して水面に浮上できる(分速 10 mの浮上速度)、現在の深度での最大滞在時間を示しています。ガスタイムはタンク圧、タンクサイズ、現在の呼吸速度、深度に基づいて計算されます。

は以下の計算式を使用して計算されます。

メモ:安全停止と減圧停止は、の計算に含まれていません。
アルゴリズムの設定
Suunto による減圧モデルの開発は、1980 年代に M 値を基盤にしたビュールマン博士のモデルを Suunto SME に実装したときまで遡ります。それ以来、社内外の専門家たちの協力のもと、日々研究開発が続けられています。
Bühlmann 16 GF アルゴリズム
Bühlmann 減圧アルゴリズムは、1959 年から減圧理論を研究していたスイス人医師のアルバート・A・ビュールマン博士が開発しました。Bühlmann 減圧アルゴリズムは、周囲圧の変化に応じて不活性ガスが人体に出入りする方法を説明する、理論的な数理モデルです。Bühlmann アルゴリズムは、長年にわたっていくつかのバージョンが開発され、多くのダイビングコンピュータ製造元が採用してきました。Suunto Oceanは、独自のコードを実装したB ü hlmann ZHL-16Cモデルに基づくSuuntoのB ü hlmann 16 GF diveアルゴリズムを使用しています。グラディエントファクターを使用することでアルゴリズムを修正し、保守性レベルを設定できます。
メモ:減圧モデルは理論上のものであり、実際のダイバーの身体をモニタリングするものではないため、減圧症の完全な予防を保証できる減圧モデルは存在しません。ダイビングに適切なグラディエントファクターを選択できるよう、個人的要因、潜水計画、これまで受講した講習などを考慮するようにしてください。
グラディエントファクター
グラディエントファクター(GF)は、さまざまな保守性レベルを形成するパラメータです。GF は、グラディエントファクター低とグラディエントファクター高の 2 つの異なるパラメータに分かれています。
Bühlmann アルゴリズムと GF を使用すると、保守性が向上され、各組織コンパートメントが許容可能な M 値に達するタイミングを制御できるので、ダイビングに対して安全マージンを確保できます。グラディエントファクターは M 値勾配の割合として定義され、 0 ~ 100% に設定されます。
一般的に使用されているのは、GF 低 30% と GF 高 70% の組み合わせです(GF 30/70 とも表記)。この設定は、窒素の吸収・排出が速い組織が M 値の 30% に達すると最初の停止を行うことを示しています。最初の数値が小さいほど、許容される過飽和度が低くなります。その結果、より深い深度で最初の停止が必要になります。グラディエントファクターが 0% となっている場合は周囲圧線を示しており、グラディエントファクターが 100% となっている場合は M 値線を示しています。
次の図では、GF 低の設定は 30% で、速い組織コンパートメントが M 値の 30% に達しています。この深度で最初の減圧停止を行います。

浮上を続けると、GF は 30% から 70% に変わります。GF 70 は、水面到達時に許容される過飽和の量を示します。GF 高の値が低いほど、浮上前のガス排出に長めのシャローストップが必要になります。次の図では、GF 高の設定は 70% で、速い組織コンパートメントが M 値の 70% に達しています。
この時点で、水面に戻ってダイビングを終了できます。

以下の図は、GF 低で設定した割合がダイブプロファイルに与える影響を示しています。GF 低で設定した割合が浮上の減速開始深度と最初の減圧停止深度をどう決定するのかを確認できます。この図から、GF 低の値が異なると最初の停止深度も異なることがわかります。GF 低で設定した割合が高いほど、最初の停止は浅めになります。

メモ:GF 低の値が低すぎると、最初の停止時に一部の組織はまだガスの溶解中である可能性があります。
以下の図では、GF 高で設定した割合がダイブプロファイルに与える影響を示しています。GF 高で設定した割合が浅瀬で実施する減圧時間の長さをどう決定するのかを確認できます。GF 高の値が高いほど総潜水時間は短くなり、浅瀬で停止する時間が短くなります。GF 高を低めの値に設定すると浅瀬で停止する時間は長くなり、総潜水時間が長くなります。

グラディエントファクターは調整できます。 ダイブコンピュータでは、保守性レベルが 40/85 の「中」に初期設定されています。初期設定の値よりも積極的にまたは保守的に設定を調整することができます。プリセット値から選択するか、ご自身が希望するレベルに設定してください。
プリセット値は以下のとおりです。
-
低:45/95
-
中:40/85(デフォルト)
-
高:35/75
レクリエーション目的のダイビングの場合、保守性レベルを 35/75 の「高」に設定するとバッファーを余分に取ることができ、減圧停止を避けることができます。保守性レベルを 45/95 の「低」に設定した場合、NDL 時間が長くなりますがバッファーを余分に取ることができないため、より積極的な設定となります。

個人の健康状態や行動など、減圧症の発症リスクを左右する要因がいくつかあります。これらの要因はダイバーによって異なるだけでなく、日々変化します。
減圧症の発症リスクを高める個人的要因には、以下のようなものがあります。
- 低温への曝露 – 水温 20°C(68°F)以下
- 体力レベルが平均以下
- 年齢(特に、50 歳以上のダイバー)
- 疲労(運動のしすぎ、睡眠不足、体力を消耗するような旅行)
- 脱水(血流に影響を与え、ガス排出が遅くなる)
- ストレス
- 体を締め付ける器材(ガス排出が遅くなる)
- 肥満(肥満とみなされる BMI)
- 卵円孔開存症(PFO)
- ダイビング前後の激しい運動(トレーニングやエクササイズ)
- ダイビング中の激しい動き(血流が増え、より多くのガスが組織に送り込まれる)
警告:グラディエントファクターの値は、その影響について理解できていないうちは編集しないでください。グラディエントファクターの設定によっては、減圧症やその他の人身傷害のリスクが高まります。
減圧プロファイル
DECOプロファイルは、ダイブオプション>アルゴリズム> DECOプロファイルで選択できます。

連続的な減圧プロファイル
これまで、ホールデンが 1908 年に作成したテーブル以降、減圧停止は 15 m、12 m、9 m、6 m、3 m のように固定の深度に配置されてきました。この実用的な方法はダイブコンピュータが生まれる前に導入されたものですしかしながら、ダイバーが浮上するとき、実際にはより細かなステップで減圧を行い、スムーズな減圧曲線を描くことになります。マイクロプロセッサの登場に伴い、Suunto は実際の減圧行動をより正確にモデル化できるようになりました。減圧停止を伴う浮上中、Suunto ダイブコンピュータはコントロールコンパートメントが周囲圧線と交わる点(つまり組織の圧力が周囲圧より高くなる点)を計算します。ここからガス排出が始まります。これをフロアー深度と呼びます。このフロアー深度より上、シーリング深度より下が「減圧ゾーン」です。減圧ゾーンの幅は、ダイブプロファイルによってさまざまです。
減圧を最適に行える減圧ゾーンでは、深度の値の横に上向き矢印と下向き矢印の両方が表示されます。シーリング深度を超えると下向き矢印が表示され、アラーム音が鳴り減圧ゾーンまで戻るようダイバーに警告します。
フロアー深度付近では、外側の勾配が小さいため速い組織でのガス排出は遅くなります。遅い組織ではまだガス溶解が続いている可能性があり、ここで一定時間が経過すると減圧義務が増加して、シーリング深度が下がりフロアー深度が上がる可能性があります。フロアー深度はアルゴリズムが気泡の圧縮を最大化しようとする深度のことで、シーリング深度はガス排出を最大化できる深度のことです。
減圧シーリングと減圧フロアーを用いる利点には、この他に、荒れた海では減圧を最適に行う深度を正確に維持するのが難しいという事実を考慮できる点があります。深度をシーリング深度より下、フロアー深度より上に保つことで、ダイバーはたとえ最適な減圧より遅いとしても減圧を続けることができます。また、バッファーが余分にあるため、ダイバーが波の力でシーリングより上に引き上げられてしまう危険を最小限に抑えることができます。さらに、Suunto の用いる連続的な減圧曲線は、従来の「段階式」減圧よりもスムーズで自然な減圧プロファイルを形成します。
段階的な減圧プロファイル
この減圧プロファイルでは、通常の 3 メートル(10 ft)ごとのステップまたは段階に分けて段階的な浮上を行います。
このモデルではダイバーは従来の固定深度で減圧を実施します。切り替えウィンドウのシーリング深度の値は次の段階の深度を表示しており、ダイバーが減圧ゾーンに到達するとタイマーが作動し必要な減圧停止時間が表示されます。
解凍の詳細については、例-マルチガスモードを参照してください。

高度設定
高度設定では、所定の海抜高度の範囲で自動的に減圧計算が調整されます。この設定は、Dive settings(ダイブ設定) » Parameters(パラメータ) » Altitude(高度)で確認することができ、次の3つの範囲を選択することができます。
- 0~300 m(0~980 ft)(デフォルト)
- 300~1500 m(980~4900 ft)
- 1500~3000 m(4900~9800 ft)
結果として、減圧停止不要限界は著しく減少します。
高所では海面と比べて大気圧が低くなります。高所への移動後は、移動前の高度での平衡状態と比べて窒素が体内に蓄えられます。体内に蓄積された窒素は時間をかけて徐々に体外に排出され、平衡状態に戻ります。Suunto では、新たな高度に体を順応させるために、潜水前に少なくとも 3 時間の休息をとることを推奨しています。
ダイブコンピュータが高度を考慮して計算できるよう、高所潜水を行う前にダイブコンピュータの高度設定を調整してください。ダイブコンピュータの数理モデルが許可する最大窒素分圧は、周囲圧の低下に伴い減少します。
警告:高所への移動は体内に蓄積された窒素の均衡に一時的な変化をもたらすことがあります。Suunto では、高所潜水の前には体を高度に順応させることを推奨しています。減圧症(DCS)のリスクを最小限に抑えるためには、ダイビング後すぐに急激な高所移動はしないことが重要です。
警告:高度調整は正しく設定してください。海抜 300 m(980 ft)を超える高所潜水では、ダイブコンピュータが減圧状況を計算できるよう、高度設定が正しく選択されている必要があります。ダイブコンピュータは、海抜 3,000 m(9,800 ft)以上での使用を想定していません。不正確な高度設定や最大高度以上の場所での潜水は、誤ったダイブデータとプランデータの原因となります。
メモ:前回の潜水とは異なる高度で反復潜水を行う場合、前回の潜水が終了後、次回の潜水に合わせて高度設定を変更します。これにより正確な組織の計算が可能になります。
安全停止時間
10 m(33 ft)を超えるダイブでは、安全停止が常に推奨されています。安全停止設定は次のように調整できます。
3 分: 安全停止は常に 3 分間の停止です。これは、最後の減圧停止の後でも同じです。安全停止時間は TTS (水面までの浮上時間) に含まれません。
4 分: 安全停止は常に 4 分間の停止です。これは、最後の減圧停止の後でも同じです。安全停止時間は TTS (水面までの浮上時間) に含まれません。
5 分: 安全停止は常に 5 分間の停止です。これは、最後の減圧停止の後でも同じです。安全停止時間は TTS (水面までの浮上時間) に含まれません。
常時オフ安全停止はダイブ中に表示されません。
調整済み停止の後に 3 分間の安全停止が追加されますが、停止期間はダイブプロファイルに基づいて調整されます。つまり、時間が浅い場所で経過した場合は、時間が短くなることがあります。予測時間は TTS (水面までの浮上時間) に含まれます。
メモ:ダイブ中の上昇速度違反によって、安全停止時間が長くなることはありません。
「安全停止」を参照してください。
最終減圧深度
減圧潜水の最終減圧深度は (潜水の設定)/ (パラメータ)/ (最終減圧深度)で調整することができます。3 m と 6 m(9.8 ft と 19.6 ft)の2 つから選択できます。
初期設定では、最終減圧深度は 3 m(9.8 ft)に設定されています。
メモ:この設定は減圧潜水でのシーリング深度には影響しません。最終のシーリング深度は 3 m(9.8 ft)です。
ヒント:波や海流の流れが激しい状況でのダイビングで水深 3 m(9.8 ft)での停止が難しい場合は、最終減圧深度を 6 m(19.6 フィート)に設定するようにしてください。
Suunto Ocean を使用したダイビング
安全停止
10 m(33 ft)以上のダイブでは、3 分間の安全停止が常に推奨されています。安全停止が必要になった場合、シーリング深度の最低値(3 m)が切り替えウィンドウに表示されます。
安全停止時間は、2.4 ~ 6 m(7.9 ~ 20 ft)の深度にいるときに計算されます。
この深度にいる場合、停止深度の値の左に上下の矢印で示されます。安全停止時間は分・秒単位で表示されます。の下のメニューで、任意の安全停止時間を設定できます。

安全停止には、推奨安全停止と強制安全停止の 2 種類があります。ダイブ中に推奨された最大浮上速度を超過した場合、安全停止は強制となります。安全停止が強制となった場合、2.4 m より浅い深度まで浮上すると、赤色の矢印がウィンドウインジケータに表示されます。安全停止が強制ではない場合、黄色の矢印のみが使用されます。

深度が 6 m(20 ft)よりも深くなった場合、安全停止タイマーは停止し、安全停止の範囲にまで浮上した際にカウントが再開します。タイマーが 0 になると安全停止は完了となり、水面まで浮上できます。

メモ:安全停止を無視した場合でもペナルティはありません。しかし Suunto では、減圧障害(DCI)のリスクを最小限に抑えるために、毎回のダイブで必ず安全停止を実施するよう推奨しています。
メモ:安全停止をオフに設定すると、安全停止時間に達したときに、安全停止の指示はありません。
減圧潜水
減圧不要限界を超えた場合、 は浮上に必要な減圧情報を表示します。浮上に関する情報は常に 2 つの値で表示されます。
- 減圧時間(または):使用中のガスで水面に浮上するまでの最適な時間(分単位)
- Ceiling(シーリング):これより浅く浮上してはいけない深度

警告:シーリング深度より浅い深度に絶対に浮上しないでください。減圧中はシーリング深度より浅い深度まで浮上してはいけません。誤って浮上してしまうことを防ぐために、シーリング深度よりもやや深い深度に留まるようにしてください。
時間が 0 分になると、表示が時間に切り替わります。シーリング深度の値が切り替えウィンドウに表示され、アーチがオレンジ色になり同じ減圧時間を表示します。また、アラームが作動します。アラームはいずれかのボタンを押すことで解除できます。

時間とは、推奨される水面までの浮上時間を分単位(TTS)で示したものです。
警告:実際の浮上時間は、ダイブコンピュータに表示された浮上時間より長くなることがあります。次のような場合に浮上時間が増加します。(1) 深い深度に留まる (2)分速 10 m(33 ft)より遅い速度で浮上する (3) シーリング深度より深いところで減圧停止をする (4) 使用する混合ガスの切り替えを忘れる。これらの要因は、水面に到達するまでに必要となる呼吸ガスの量を増やす可能性もあります。
メモ:マルチガスでのダイビングやガスの切り替え指示を見逃した場合、の値が正確に表示されず、想定よりも減圧停止が長くなります。
シーリング深度の値は、最初の減圧停止を実施する深度を指しています。

最終減圧深度は、設定で 3.0 m または 6.0 m に設定できます(初期設定の深度は 3.0 m)。最終減圧深度
減圧潜水では、以下のとおり異なる停止が表示されます。
- 減圧停止:減圧プロファイルを使用したダイビングの場合、停止は強制です(を参照)減圧停止は 3 m(10 ft)間隔で実施します。
- 安全停止安全停止時間が設定されている場合は、最後の減圧停止の後に追加の安全停止があります。減圧潜水では、安全停止が必ずしも必須というわけではありません
フロアー深度とシーリング深度の間には、3 m(9,8 ft)の減圧ゾーンがあります。シーリング深度に近いほど、減圧時間が最適になります。
シーリング深度近くまで浮上して、減圧ゾーンの範囲内に入ると、シーリング深度の隣に 2 つの矢印が表示されます。
減圧プロファイルを使用したダイビングの場合、減圧ゾーンに入るとタイマーのカウントダウンが開始します。シーリング深度は一定の時間が経過するまで変わりませんが、その後段階的に 3 m(9.8 ft)ずつ上昇します。
減圧ゾーンにいる場合(プロファイル):

浮上モードでの減圧停止では、シーリング深度近くに留まっている間は、シーリング深度が継続的に浅くなっていきます。これにより、最適な浮上時間での連続的な減圧が可能になります。
減圧ゾーンにいる場合(プロファイル):

シーリング深度よりさらに浮上した場合でも、シーリング深度から 0.6 m(2 ft)以内であれば、許容範囲として安全に減圧することができます。このシーリング深度を超えた許容範囲内でも減圧計算は行われますが、シーリング深度よりも深い深度に潜降するようにしてください。深度の値の隣に黄色の下向き矢印が表示され、潜降するよう警告します。
減圧プロファイルを使用した場合の表示は以下のとおりです。

減圧プロファイルを使用した場合の表示は以下のとおりです。

許容範囲を超えてさらに浮上した場合、この範囲内に戻るまで減圧計算は一時停止します。この場合アラーム音が鳴り、シーリング深度を示す数字の隣に赤色の下向き矢印が表示され、危険な減圧であることを警告します。アラームを無視し、許容範囲よりも浅い深度に 3 分間留まり続けると、減圧停止が実施されなかったと判断され、アルゴリズム違反に関する通知が表示されます。

アルゴリズム偏差トリガーアラートを確認しても、Suunto Oceanはロックされません。Suunto Oceanは、解凍停止に違反した場合でも、元の解凍計画を表示し続けます。赤色の警告がウィンドウに表示され、必要な減圧停止が完了されるか 48 時間経過されるまで、ダイビングウィンドウにそのまま表示されます。
アルゴリズム違反は以下のような状況でも起こりえます。
-
バッテリー切れ
-
ソフトウェアの故障や停止
-
デバイスの最大深度(60 m)を超えた場合
これらすべての状況でアルゴリズム違反を示すアイコンがダイブウィンドウに表示されますが、アルゴリズムは通常どおり機能します。ダイビング中にアルゴリズム違反が発生した場合、ダイブログまたは Suunto アプリに警告が表示されます。
警告:減圧潜水は、実施に向けた適切な講習を受講した場合のみ行って下さい。
水面休息時間と飛行機搭乗禁止時間
では潜水後、ダイブデータウィジェットの時計文字盤で、前回のダイビングからの水面休息時間と推奨される飛行機搭乗禁止時間のカウントダウン時間が表示されます。飛行機搭乗禁止時間が残っている間は、赤色の飛行機アイコンと赤色のアーチが時計文字盤に表示されます。アーチは飛行機搭乗禁止時間が完了する推定時刻を示しています。
以下の画面では、 最後のスキューバダイビングから 5 時間 5 分経過しており、飛行機搭乗禁止時間が 2:30 に完了することがわかります。

以下の画面では飛行機搭乗禁止時間が完了したことがわかります。

飛行機搭乗禁止時間とは、ダイビング終了後、飛行機搭乗までに最低限待った方がいいとされる水面休息時間のことです。飛行機搭乗禁止時間は最低 12 時間ですが、体内残留窒素排出時間が 12 時間以上の場合はそれと同等の時間になります。体内残留窒素排出時間が 75 分未満の場合、飛行機搭乗禁止時間は表示されません。
ダイビング中にアルゴリズム違反が生じた場合、飛行機搭乗禁止時間は常に 48 時間となります。
警告:ダイブコンピュータが飛行機搭乗禁止時間をカウントダウンしている間は、飛行機に搭乗しないでください。飛行機に搭乗する前に必ずダイブコンピュータを起動し、飛行機搭乗禁止の残り時間を確認してください。飛行機搭乗禁止時間内の飛行機搭乗および高所移動は、減圧症のリスクが非常に高まります。ダイバーズ・アラート・ネットワーク(DAN:Divers Alert Network)が発信している情報を参考にしてください。潜水後の飛行機搭乗において、減圧症を完全に防ぐことを保証する規定は存在しません。
ダイビング中のコンパスの使用
デバイスは、磁北を基準にして進行方向を確認できるジャイロコンパスを搭載しています。ダイビング中、中央ボタンを押すとコンパスが利用できます(コンパスはアーチ上に表示)。下ボタンを押すと、画面下の切り替えウィンドウに進行方向を示す度数と 4 方位および 8 方位が表示されます。

中央ボタンを長押しすると、目的地の方角を設定できます。方角を設定すると設定完了の通知が表示され、設定した進行方向を示す矢印がコンパスアーチに表示されます。方角が設定されると、目的地への方角を示す矢印はコンパスアーチ上に固定され、設定した進行方向を示します。矢印の反対側にはオレンジ色のスロットが表示され、反対の方角(180 度)を示します。

目的地の方角は中央ボタンを再度長押しすることでいつでも消去できます。
進行方向を示す方角は切り替えウィンドウに表示され、コンパスアーチを使用せずに単独で使用できます。切り替えウィンドウの進行方向と設定した目的地への方角が合致している場合は、切り替えウィンドウの値が黄色に変わります。反対方向に向かっている場合はオレンジ色になります。

メモ:切り替えウィンドウの色は、状況を視覚的に確認できるよう、設定した値に対して +/-5° の範囲で変化します。
コンパスは使用中に自動で較正されますが、較正し直す必要がある場合は、切り替えウィンドウにメッセージがポップアップ表示されます。コンパスを較正するには、ウォッチを 8 の字に傾けます。
単一ガスモードの例
以下の例では、モードを使用した無減圧潜水を説明します。ガスはで、Suunto Tank POD を使用します。
-
プレダイブ画面

常にプレダイブ画面から潜水を開始するようにしてください。GPS 信号が受信できていること、十分なバッテリー残量やタンク圧があることを確認するほか(Suunto Tank POD に接続している場合)、正しいガスを使用しているかどうかや、使用中のガスの MOD を確認してください。Suunto Tank POD のバッテリー残量が少ない場合やタンクを変更し忘れた場合、タンクの残圧が少ない場合、プレダイブ画面で警告が表示されます。
-
10 m より深く潜降した場合、安全停止の指示が切り替えウィンドウに表示され、安全停止深度 3 m が表示されます。時間は「> 99」と表示され、現在の深度での最大滞在時間が 99 分以上であることを示しています。

潜降を続けると、時間が短くなっていきます。時間は常に分単位で表示されます。デコの時間は常に数分ではありません。

-
が 5 分になると、黄色の注意アラームが作動します。浮上を開始し時間が長くなると、アラームは解除されます。また、いずれかのボタンを押すとアラームをミュートにできます。アラームが作動したあとも深い深度での滞在を続けると減圧義務が発生します。十分な講習を受けていない場合、減圧潜水を行わないでください。

-
タンク圧アラームを設定できます。アラームを設定することで、ターンプレッシャー(折り返し地点での残圧)など重要な限界値を常に把握できます。アラームを設定すると、 は 100 bar(1,450 psi)に達した時点でアラートを表示します。

-
浮上速度は浮上速度インジケータで確認できます。推奨される最大浮上速度の分速 10 m を超えると、インジケータが赤色になりアラーム音と振動によるアラームが作動します。いずれかのボタンを押すことで解除できます。

-
2.4 ~ 6 m(7.9 ~ 20 ft)の間に浮上すると安全停止タイマーが表示され、指示された停止が完了するまでの時間をカウントダウンします。停止が完了すると、の通知が表示されます。

マルチガスモードの例
以下の例では、モードを使用した 40 m の減圧潜水を説明します。ガスは、NX28(メインガス)と NX99(減圧停止用ガス)の 2 つを使用しています。
-
プレダイブ画面 – 使用中のガス(NX28)、設定済みのとが表示されます。

-
NDL が残り 5 分になった場合、アラームが作動します。

-
NDL が 0 になり、減圧が必要になりました。ゲージがオレンジ色に変わり減圧時間が表示されます。NDL が表示されていた場所には、減圧停止と安全停止を含んだ TTS が表示されます。また、シーリング深度が切り替えウィンドウに表示されます。

-
シーリング深度が 9 m となったので、浮上速度制限内でこの深度まで浮上できます。シーリング深度付近に到達し減圧ゾーンに入ると、2 つ矢印が深度の横に表示されます。「減圧」フィールドにはタイマーが表れ、減圧停止時間が 1 分と表示されています。カウントダウンが 0 分になり、TTS の値が再び表示され、シーリング深度が 3 m 浅い 6 m に変わりました。

-
減圧時間は、ガスリストにあるすべてのガスを使うことを前提に計算される点に注意してください。6 m に浮上すると、NX99 のガスに切り替えるよう指示があります。切り替えが完了すると、現在使用中のガスの情報が表示されます。ガスの切り替えを却下した場合、減圧情報は不正確になります。

-
最終停止深度に到達しました。減圧停止時間が消去されると、減圧バッジが消え、停止が安全停止に変わります。この例では、安全停止がに設定され、6 m での時間が長いため、カウントダウンが 1 分 30 秒から開始します。

-
減圧停止または安全停止の範囲より浅く浮上すると、矢印と警告が表示され範囲内に潜降するよう指示されます。

-
すべての停止を完了すると、情報が切り替えウィンドウに表示され、水面まで安全に浮上することができます。
ダイブプランナー
ダイブプランナーを活用することで、次のダイビングを簡単に計画できます。プランナーは、深度やアルゴリズム設定、現在の水面休息時間をもとに、次のダイビングの減圧不要限界時間を表示します。

ダイブプランの立て方
メニューで次のダイビングを計画する前に、以下を設定してください。
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次のダイビングで使用するガス
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アルゴリズムの設定(保守性レベルと高度の設定)
使用するダイブモードに対して設定したガスがプランナーに表示されます。ガスの設定はメニューから調整できます(を参照してください)。

水面休息時間は、前回のダイビングが終了した時点から自動で計算されます。上下のボタンで、予定している水面休息時間を入力します。 値は 10 分単位で調整可能です。最大値は 48 時間です。

上下のボタンで、予定深度を調整します。画面の下にはその深度での NDL 時間が表示されます。

上ボタンを押すとプレダイブメニューに戻り、中央ボタンを押すとプランナーの最初の画面に戻ります。

メモ:NDL プランナーは、減圧停止が不要のダイブプランにのみ使用できます。