DM5 では、新規ダイブモードを作成、既存のダイブモードを編集、画面レイアウトを変更、ヘリウムガスおよびマルチガスの設定を変更、ダイブタイプ(OC/CC)を変更することができます。
ナイトロックス混合ガスを使用してダイビングを行う場合、タンクの酸素割合と酸素分圧限界の両方を に入力する必要があります。これは、入力値に基づいて行われる窒素および酸素の計算と最大許容深度(MOD)の計算の正確性を保つために必要です。酸素割合(O2%)は 21%(エアー)、酸素分圧(pO2)は 1.6 bar(23 psi)に初期設定されています。
ダイブモードは、酸素、窒素、ヘリウムからなる混合ガスを使用するダイビングに対応しています。ヘリウムを追加することで、ダイビングに最適な混合ガスを生成することができます。
メモ:デバイスがロックされた状態で新しいダイブを開始すると、時間が再び 48 時間にリセットされます。
ダイブプランナー
のダイブプランナーは次回のダイビングを迅速に計画するのに役立ちます。このプランナーは、深度、タンクサイズ、空気消費量に基づいて減圧不要限界とガスタイムを表示します。
また、ダイブプランナーは入力した水面休息時間に基づいて前回のダイビングの残留窒素を考慮して反復潜水を計画するのに役立ちます。
メモ:正確なガス計算のために、タンクサイズ、タンク圧、空気消費量を調整してください。
ダイビングの 計画の詳細については、ダイブプランナーを使用してダイビングの計画を立てる方法をご覧ください。
エンリッチドエアーナイトロックスを使用する場合
このデバイスは、ナイトロックス呼吸ガス(酸素と窒素の混合ガス)と使用することができます。
警告:適切なトレーニングを受けていない場合は、ナイトロックス混合ガスを使用しないでください。酸素割合が 22% 以上の混合ガスを使用する場合は、この種の機器をダイビングで実際に使用する前に、ナイトロックスと酸素を使用するダイビングに関する適切なトレーニングコースを必ず受講してください。
警告:ナイトロックスダイビングでは、最大許容深度(MDO)と曝露時間は混合ガスの酸素割合に左右されます。
警告:ナイトロックスを使用する際、汚染物によって酸素の発火が誘発される危険があります。
警告:EN 12021 規格に基づく呼吸用ガスの使用は、ダイビング器材の汚染につながる可能性があります。
メモ:酸素着火の危険性を最小限に抑えるため、常にゆっくりとプレッシャバルブを開けてください。
ナイトロックスダイビングで Suunto Tank POD を使用する場合に関する情報は、Suunto Tank POD に付属の「安全性と規制に関する情報」で確認するか、 をご覧ください。
フリップディスプレイ
のディスプレイ表示を上下に回転させ、ボタン操作を本体の左側または右側どちらかに変更することができます。これにより左右どちらの腕に装着しても簡単にボタン操作が可能です。
ボタンの向きをGeneral(一般)»Device settings(デバイス設定)»Flip display(ディスプレイをフリップ)で変更します。
ボタンを本体右側で操作にする場合はButtons right(ボタン右側)を選択し、本体左側で操作するにはButtons left(ボタン左側)を選択してください。
ガス消費
ガス消費量は、ダイビングでのリアルタイムのガス消費率を示します。つまり、ダイバーが水面上で 1 分間に消費するガス(空気)の量を表したものです。これは、一般に水面空気消費量または SAC レートと呼ばれます。
ガス消費率は、リットル毎分(立方フィート毎分)単位で計測されます。このフィールドの表示はオプションです。このフィールドを表示するには、DM5 でカスタムダイブモードビューに追加してください。以下のクラシックビューでは、ガス消費率は右下隅に表示されます。

ガス消費量の測定を有効にする 方法については、「ガス消費量の測定を有効にする方法」を参照してください。
混合ガス
は、初期設定では 1 種類のガス(エアー)のみが表示されます。酸素割合(O2%)は 21%(エアー)、酸素分圧(pO2)は 1.6 bar(23 psi)に初期設定されています。O2 の割合(%)と pO2 の設定は、メニューで変更できます。
メモ:Suunto では、ナイトロックス混合ガスでのダイビングの場合、酸素分圧を 1.4 bar(20 psi)に変更するよう推奨しています。
1 種類のガスのみでダイビングする場合、使用する 1 種類のガスのみがメニューに表示されていることを確認してください。実際に使用しないガスがメニューに表示されていると、 はリスト上のガス全てを使用することを想定し、ダイビング中にガスの切り替えをするよう通知します。
1 種類以上のガスが必要な場合は、 デバイスでマルチガスオプションを有効にします。 ダイブ設定 » パラメータに移動し、 複数のガス オプションをオンにします。
減圧アルゴリズムは、メニューに表示されているすべてのガスを考慮して浮上時間を計算するため、メニューで、ダイブ中に使用するすべての混合ガスを設定する必要があります。
トライミックスガス(ヘリウムを有効化)を使用する場合、 » でヘリウムを有効にします。ヘリウムを有効にしたら、メニューで選択したガスに対するヘリウムの割合(He%)を変更できます。
マルチガスダイビングとヘリウムの有効化、ダイブモードの設定、ガス設定の変更は、Suunto アプリでも実行できます。
ダイビング中のガスの切り替え
マルチガスでのダイビング中に、どのように が動作するのかを把握しておくことは重要です。たとえば、水深 55 m(180.5 ft)までのダイビングに、次のガスを使用しているとします。
- tx18/45、MOD 62.2 m(pO2 1.3)
- tx50/10、MOD 22m(pO2 1.6)
- Nx99、MOD 6 m
浮上時にガスの最大許容深度(MOD)に従って、水深 22 m(72 ft)と 6 m(20 ft)で、ガスを切り替えるよう通知があります。適切なガスの使用を始めるには、以下の手順に従ってガスを手動で切り替える必要があります。
- いずれかのボタンを押し、ガスの切り替え通知を確認します。
- 中央ボタンを長押しして、ガスオプションを開きます。
- 上下のボタンを使って、使用したいガスまでスクロールします。
- 中央ボタンを押して、選択したガスを確定します。
メモ:デバイス画面に「 」通知が表示されているときにいずれかのボタンを押すと、通知が消えます。ボタンを押しただけでは通知の確認ができるだけで、ガスが自動で切り替わることはありません。ガスは常に手動で切り替える必要があります。ガスの切り替えは、上記の手順に従ってください。
メモ:CCRモードを選択している場合、混合ガスはオープンサーキットとクローズドサーキットに分けられます。「 ブリーザーダイビング」を参照してください。
ダイビング中のガス修正
デバイスのガスリストは、緊急事態にのみ修正ができます。たとえば、不測の事態が発生し、ダイバーが混合ガスを失う可能性がある場合、ダイバーは、 のガスリストから混合ガスを削除することで適切に対処することができます。これによりダイバーはダイビングを続行することができ、ダイブコンピュータで正確な減圧情報を確認することができます。
また別の状況では、ガスを使い果たし、ダイブバディの混合ガスを使用する必要がある場合、リストに新しいガスを追加することでSuunto EON Steelをその状況に合わせて調整できます。 Suunto EON Steelが減圧を再計算し、正しい情報を表示します。
メモ:この機能は初期設定では無効になっており、使用するには有効にする必要があります。有効にすると、ダイビング中ガスメニューで追加の操作が必要になります。ダイブモードでマルチガスが選択されている場合のみ利用可能です。
ガスの変更を行えるようにするには、 設定メニューの (ダイブ設定) / (パラメータ) / (ガス変更)から機能をオンにしてください。
有効にすると、マルチガスダイブ中に新しくガスを追加することができるようになり、また、ガスリストにすでにあるガスを選択して削除することができます。
メモ:現在使用しているガス(使用中のガス)を変更または削除することはできません。
がオンになっていると、使用していないガスをガスリストから削除したり、新しいガスをリストに追加したり、使用されていないガスのパラメータ(O2、He、 pO2)を変更したりすることができます。
アイソバリック・カウンターディフュージョン(ICD)
アイソバリック・カウンターディフュージョン(ICD)は、不活性ガス(ヘリウムや窒素など)がダイビング中に様々な方向に拡散するときに発生します。言い換えると、1 つのガスが体内に吸収されている間に、別のガスが体内から排出されている状態です。混合ガスを使用するトライミックスダイビングでは ICD の危険があります。
これはダイビング中に発生することがあります。たとえば、ダイビング中にトライミックスからナイトロックスにガスを切り替えるときに発生します。切り替え時に、ヘリウムと窒素が急速に反対方向に拡散します。これによって不活性ガスの総圧力の一過性増加を引き起こし、減圧症(DCS)につながる可能性があります。
現在、ICD に対処できるアルゴリズムはありません。したがって、トライミックスを使ったダイビングの計画においては、このことを十分に考慮する必要があります。
を使用して、トライミックスの安全な使用を計画することができます。メニューでは、酸素(O2)とヘリウム(He)の割合を調整して、窒素(ppN2)値の分圧とヘリウム(ppHe)値の分圧の変化を見ることができます。
分圧の増加は正の数で示され、減少は負の数で示されます。ppN2 と ppHe における変化は、切り替えるそれぞれの混合ガスの横に表示されます。呼吸ガスの最大許容深度(MOD)は、混合ガスの酸素分圧(pO2)が安全限界を超える深度です。ダイバーは、使用するガスの pO2 上限を定義することができます。
ICD 警告は、以下の条件に該当する場合に表示されます:
- ガスの切り替えの深度が 10 m(33 ft)よりも深い。
- N2 の分圧変化と He の分圧変化の幾何平均が 0.35 bar より大きい。
ガスの切り替えでこれらの限界を超える場合、 は次のように ICD の危険性を警告します。

この例の場合、トライミックスダイビングで使用できる混合ガスは以下のとおりです。
- トライミックス 15/55, MOD 76.7m(pO2 1.3)
- トライミックス 35/15, MOD 27.1m(pO2 1.3)
- トライミックス 50/10, MOD 22m(pO2 1.6)
- 酸素, MOD 6m
は、深度 27.1 m で混合ガスが 15/55 から 35/15 に切り替わると、ICD の危険を強調表示します。
このガス切り替えが行われる場合、ppN2 と ppHe は安全限界をはるかに超えます。
この ICD の危険性を避けるひとつの方法は、最初の減圧ガス(トライミックス 35/15)のヘリウム含有量を 35/32 トライミックスに増加させることです。これにより、2 番目の減圧ガス(トライミックス 50/10)でより多くのヘリウムが必要となり、ICD の危険を取り除くことができます。2 番目の減圧ガスは、トライミックス 50/12 に設定します。この変更により、分圧の変化を安全なレベルに保ち、ICD の危険を取り除くことができます。
ガスタイム
ガスタイムは現在の混合ガスでのエアー(ガス)残量を分単位で計測します。ガスタイムはタンク圧と現在の呼吸速度に基づいて計算されます。
ガスタイムは現在の深度によっても大きく変わります。たとえば、呼吸速度、タンク圧、タンクサイズ、その他の要因が同じ場合に、深度がガスタイムに与える影響は以下のようになります。
- 深度 10 m(33 ft、周辺圧 2 bar)でのガスタイムは 40 分です。
- 深度 30 m(99 ft、周辺圧 4 bar)でのガスタイムは 20 分です。
- 深度 70 m(230 ft、周辺圧 8 bar)でのガスタイムは 10 分です。
ガスタイムの情報は、 および ダイブモードでデフォルト設定として表示されます。Suunto Tank POD とペアリングされていない場合、ガスタイムフィールドに「n/a」と表示されます。POD とペアリングされているのに何もデータを受信していない場合は、 「–」と表示されます。フィールドに「 -- 」と表示されます。この場合、Tank POD が受信範囲内にはない、タンクが閉まっている、あるいは Tank POD のバッテリー残量が低い可能性があります。

メモ:ガス消費量およびガスタイムを正確に計算するために、メニューでタンクサイズを設定してください。
メモ:タンク圧が 35 bar(500 psi)を下回るとガスタイムがゼロになり、赤で表示されます。
言語および単位系
ダイビングを行っていないときは、デバイスの言語および単位系をいつでも変更することができます。 Suunto EON Steel は、変更を反映するために直ちに更新されます。
これらの値を設定するには、 「言語と単位の設定方法」を参照してください。
ログブック
ダイブログは Logs (ログ)の下にあります。ログは日付と時間の順にリストされ、各ログには最大深度と潜水時間が表示されます。

ダイブログの詳細とプロファイルを閲覧するには、上ボタンまたは下ボタンでログをスクロールし、中央ボタンを押して選択します。
それぞれのダイブログにはデータサンプルが 10 秒間隔で記録されています。ダイブプロファイルには記録されたデータをブラウズするカーソル(上下のボタンでスクロール可能)が含まれています。青の線は深度を示し、白の線は温度を示しています。Tank POD を使用してダイビングを行うと、タンク圧とガス消費量のグラフが表示されるようになります。

ログブックの最後のページには、他のデータが収録されています。中央ボタンを押すと、平均深度、CNS パーセンテージ、OTU 値を確認することができます。

さらに詳細なログ分析を行うには、ダイブを Suunto DM5 にアップロードしてください( を参照)。
ログブックのメモリがいっぱいになると、新しいダイブログの容量を確保するために、一番古いログから順に削除されます。
メモ:水面に浮上後5分以内に再び潜水をすると、はこれらを1回の潜水とみなします。
酸素計算
ダイブ中に、はOTU(酸素毒性単位)によって追跡された酸素分圧(PO2)、中枢神経系毒性(CNS%)、肺酸素毒性を計算します。酸素計算は現在採用されている曝露限度時間テーブルと原理に基づいています。
デフォルト設定によるエアー/ナイトロックスダイブモードでは、CNS% と OTU の値はそれぞれの推奨限度の 80% に達するまで表示されません。どちらかの値が 80% に達すると、EON Steel から通知され、その値は表示されたままになります。 モードのデフォルト設定では、 と の値はスクロール可能な情報として画面に表示されます。
メモ:カスタマイズして、常に CNS% と OTU が表示されるようにもできます。
個人設定
Suunto Fused™ RGBM 2 アルゴリズムには 5 段階の個人設定オプション(+2、+1、0、-1、-2)があります。これらのオプションは減圧モデルを示します。+2 および +1 は保守的な減圧モデル、-2 および -1 はより積極的な減圧モデルです。中間値である 0 はデフォルト設定で、理想的なコンディションの場合に使用します。一般的には、保守的(控えめ)であればあるほど安全です。実際には、減圧義務により、特定の深度に滞在する時間が短くなります(減圧不要限界時間が短くなる)。
また、控えめな減圧では、ダイバーはより多くの時間を減圧に費やす必要があります。レクリエーションダイバーの場合、控えめな減圧モデルでは、減圧の必要を避けるために水中に滞在する時間が短くなります。逆にテクニカルダイバーの場合、浮上中に課される減圧要件が長くなるため、より長時間水中に滞在する必要があります。
一方、積極的な減圧モデルでは、ダイビングの潜在的な健康リスクが高くなります。レクリエーションダイバーの場合、積極的な減圧モデルにより、深い水深での潜水時間を延長できますが、減圧症(DCS)のリスクが大幅に高まります。
Suunto Fused™ RGBM と Fused™ RGBM 2 のデフォルト設定は、控えめな設定と積極的な設定の中間(0 設定)に設定されています。個人設定によって、漸進的により控えめな計算とより積極的な計算のどちらかを選択できます。
個人の健康状態や行動など、減圧症の発症リスクを左右する要因がいくつかあります。これらの要因はダイバーによって異なるだけでなく、日々変化します。
減圧症の発症リスクを高める個人的要因には、以下のようなものがあります。
- 低温への曝露 – 水温 20°C(68°F)以下
- 体力レベルが平均以下
- 年齢(特に、50 歳以上のダイバー)
- 疲労(運動のしすぎ、睡眠不足、体力を消耗するような旅行)
- 脱水(血流に影響を与え、ガス排出が遅くなる)
- ストレス
- 体を締め付ける器材(ガス排出が遅くなる)
- 肥満(肥満とみなされる BMI)
- 卵円孔開存症(PFO)
- ダイビング前後の激しい運動(トレーニングやエクササイズ)
- ダイビング中の激しい動き(血流が増え、より多くのガスが組織に送り込まれる)
警告:個人調整は正しく設定してください!減圧症の発症リスクが高いと考えられる場合、このオプションを使用してより保守的な計算結果になるように調整することができます。誤った個人調整モードを選択すると、誤ったデータが表示され、減圧症の危険が増大しますのでご注意 下さい。
5 段階の個人設定は、個人的要因を考慮したうえでアルゴリズム・コンサバティズムを調整するために使用することができます。この設定は、Dive settings(ダイブ設定) » Parameters(パラメータ) » Personal(個人設定)の下にあります。
個人レベル |
説明 |
より積極的(-2) |
理想的なコンディション、非常に優れた体力、ブランクがなくダイビング経験が非常に豊富 |
積極的(-1) |
理想的なコンディション、優れた体力、ブランクがなくダイビング経験が豊富 |
デフォルト(0) |
理想的なコンディション(デフォルト値) |
保守的(+1) |
減圧症のリスク要因がいくつかある状態 |
より保守的(+2) |
減圧症のリスク要因が多数ある状態 |
警告:個人調整設定0、-1または-2は、減圧症(DCS)や他の傷害、および死亡事故のリスクを高めます。
リブリーザーダイビング
デフォルトで、には、リブリーザーダイビング専用の「CCRモード」があります。このモードでは、固定された高/低セットポイント値を使用しますが、ダイブコンピュータかDM5で変更可能です。
リブリーザーダイビングにはクラシックまたはグラフィカルスタイルを使用することを推奨します。ただし、必要に応じてプロミネントビューを使用したり、フィールドをカスタマイズできます。
固定セットポイント計算により、をリブリーザーダイビングでバックアップダイブコンピュータとして使用することができます。いかなる方法でもリブリーザーの制御や監視は行いません。
ダイブモードの設定で、(クローズド・サーキット・リブリーザー)ダイビングにカスタムマルチガスモードを選択すると、ガスメニューが CC gases(CCガス)(クローズドサーキットガス)とOC gases(OCガス)(オープンサーキットガス)の2つに分かれます。
メモ:リブリーザーダイビングでは、はバックアップデバイスとしてのみ使用することができます。ガスの制御や監視は、主にリブリーザー自体で行う必要があります。
クローズドサーキットガス
リブリーザーダイビングでは、純酸素タンクとディリュエントのクローズドサーキットガスが少なくとも 2 つ必要です。必要に応じて、追加のディリュエントを定義することができます。
ディリュエントのみをガスリストに追加できます。デフォルトでは、 は酸素を使用することを前提としているため、ガスリストには表示されません。
組織と酸素の計算を正しく行うためには、常にディリュエントシリンダのディリュエントガスの酸素とヘリウムの正しい比率をダイブコンピュータに(または DM5 経由で)入力しておく必要があります。リブリーザーダイビングで使用するディリュエントガスは、メインメニューの CC ガスにあります。
オープンサーキットガス
ディリュエントガスと同じく、すべてのシリンダーで使用するベイルアウトガス(および追加のガス)について酸素とヘリウムの割合を常に正しく定義して、組織と酸素の計算が正しく行われるようにする必要があります。リブリーザーダイビングで使用するベイルアウトガスは、メインメニューの にあります。
セットポイント
カスタムリブリーザーダイブモードには、低と高の 2 つのセットポイント値があります。いずれも設定可能です。
- 低セットポイント:0.4~0.9(デフォルト:0.7)
- 高セットポイント:1.0~1.5(デフォルト:1.3)
通常、デフォルトのセットポイント値を変更する必要はありません。ただし、必要に応じて DM5 またはメインメニューで変更できます。
Suunto EON Steelで設定値を変更するには、次の手順に従います。
- 水面休息状態で、中央ボタンを長押ししてメインメニューに入ります。
- 上ボタンでセットポイントまでスクロールし、中央ボタンで選択します。
- Low SetpointまたはHigh Setpointまでスクロールし、中央ボタンで選択します。
- 上または下のボタンでセットポイント値を調整し、中央ボタンで確定します。
- 中央ボタンを長押ししてメニューを終了します。
セットポイントの切り替え
セットポイントは深度に応じて自動的に切り替えることができます。デフォルトで、低セットポイント切り替え深度は 4.5 m(15 ft)、高セットポイント切り替え深度は 21 m(70 ft)です。
自動セットポイント切り替えは、低セットポイントではデフォルトでオフ、高セットポイントではオンになっています。
Suunto EON Steelで自動設定点切り替えを変更するには、次の手順に従います。
- 水面休息状態で、中央ボタンを長押ししてメインメニューに入ります。
- 上ボタンでセットポイントまでスクロールし、中央ボタンで選択します。
- 低設定に切り替えまたは高設定に切り替えまでスクロールし、中央ボタンで選択します。
- 上または下のボタンでセットポイント切り替えの深度値を調整し、中央ボタンで確定します。
- 中央ボタンを長押ししてメニューを終了します。
セットポイントが切り替わると、ポップアップ通知が表示されます。

リブリーザーダイブ中は、いつでもカスタムセットポイントに切り替えることができます。
カスタムセットポイントに切り替えるには:
- リブリーザーモードでのダイビング中に、中央ボタンを長押ししてメインメニューに入ります。
- Setpoint カスタムまでスクロールし、中央ボタンで選択します。
- 上または下のボタンで必要に応じてセットポイント値を調整し、中央ボタンで確定します。
カスタムセットポイントへの切り替えを確認するポップアップ通知が表示されます。

メモ:カスタムセットポイントに変更すると、自動セットポイント切り替えが残りのダイブ中オフになります。
ベイルアウト
リブリーザーダイビング中の任意の時点で何らかの故障の疑いをもった場合、ベイルアウトガスに切り替えてダイビングを終了する必要があります。
ベイルアウトガスに切り替えるには:
- 中央ボタンを長押ししてメインメニューに入ります。
- OC ガスまでスクロールし、中央ボタンで選択します。
- 目的のベイルアウトガスまでスクロールし、中央ボタンで選択します。
ベイルアウトガスを選択すると、セットポイントフィールドが選択したオープンサーキットガスの pO2 値に変わります。

故障が修正されるか、ダイビング状況が正常に戻った場合は、以下と同じ手順でディリュエントに戻すことができますが、選択は CC ガスから行います。
安全停止とディープストップ
安全停止とディープストップの停止位置にいるときのシーリングは、常に一定の深度になります。安全停止とディープストップの時間は、分と秒でカウントダウンします。
安全停止
安全停止には、推奨安全停止と強制安全停止の 2 種類があります。ダイビング中に浮上速度に違反した場合、安全停止が強制されます。強制安全停止は赤色、推奨停止は黄色で表示されます。
10 m(33 ft)以上のダイブでは、3 分間の安全停止が常に推奨されています。
安全停止時間は、2.4 ~ 6 m(7.9 ~ 19.6 ft)の深度にいるときに計算されます。これは停止深度の値の左に上下の矢印で表されます。安全停止時間は分と秒で表示されます。浮上速度が速すぎた場合、安全停止時間が 3 分を超えることもあります。違反が複数回発生した場合は、より長い停止時間が追加されます。安全停止時間は 3 分、4 分、または 5 分に設定できます。
推奨安全停止は黄色で表示されます。

強制安全停止は赤色で表示されます。

ディープストップ
20 m(66 ft)以上の潜水を行うとディープストップが起動します。浮上中、最大深度から半分浮上した時点でディープストップが起動します。ディープストップは安全停止と同様に表されます。ディープストップ深度の値の前に上下矢印が表示され、ディープストップ時間がカウントされているときは、ディープストップ範囲にいることを示します。ディープストップゾーンは上下 1.5 m(4.9 ft)以内です。ディープストップの目標深度まで 0.5 m(1.6 ft)の深度に達すると計算が開始します。ディープストップ深度から 3 m(9.8 ft)以上浮上すると計算が停止します。
浮上中、複数のディープストップが発生する場合があります。たとえば、水深 42 m(137.8 ft)に達するまで潜水すると、最初のディープストップは 21 m(68.9 ft)、2 番目のディープストップは 10.5 m(34.4 ft)まで浮上すると表示され、2 番目のディープストップの長さは 2 分間です。
ダイバーが潜水した最大深度が 30.4 m(99.7 ft)、ディープストップが 15.2 m(49.9 ft)と仮定した場合:

深度が 20.0 m(66 ft)を超えるとディープストップが起動します。この例では、浮上するダイバーは最大深度の半分の深度 15.2 m(49.9 ft)に達した時点でディープストップが必要です。
ディープストップ深度が 15.2 m(49.9 ft)の場合、計算は 15.7 m(51.5 ft)で開始し、12.2 m(40.0 ft)で停止します。ディープストップゾーンは上下 1.5 m(4.9 ft)以内です。ダイバーがこの範囲内にいると、向かい合った 2 つの白い矢印が画面に表示されます。
ダイバーがディープストップゾーンのシーリング深度、この例では 14.2 m(46.6 ft)を超えて浮上すると、深度が最適でないことを示す黄色の下矢印が表示されます。潜降することをお勧めします。ディープストップの目標深度の値も黄色になります。
ダイバーがそのまま浮上を続け、さらに 0.5 m(1.6 ft)浮上すると、下矢印が赤に変わり、アラームが鳴ってただちに潜降するようにダイバーに警告します。ディープストップの計算はさらに 1.5 m(4.9 ft)浮上するまで継続しますが、その後は停止します。上の例では、12.2 m(40.0 ft)に達した時点で計算が停止します。
メモ:安全上の理由から、ダイブモードで使用中にヘリウム(トライミックス混合ガス)が有効になっている場合、ディープストップをオフにすることはできません。ヘリウムを使用していない場合は、ディープストップのオンまたはオフを切り替えることができます。ただし、すべてのダイビングでディープストップをオンにすることをお勧めします。ディープストップをオンにしているのにダイブ中にディープストップを行わなかった場合、次回のダイブではより保守的になります。
サンプルレート
は全てのログ記録に、固定の10秒サンプルレートを使用します。
スタンバイおよびディープスリープ
スタンバイとディープスリープはバッテリー駆動時間を延ばすために設計された機能です。スタンバイは変更可能な設定で、 を使用しないまま所定の時間が経つと画面をオフにします。
スタンバイまでの時間を変更するには:
- 中央ボタンを長押ししてメニューへアクセスします。
- [全般] » [デバイス設定]»[ スタンバイ]に移動します。
- 中央ボタンを押してスタンバイ設定画面に入ります。
- 上下にスクロールして設定したいスタンバイになるまでの時間を分数単位で選択します。
- 中央ボタンを押して変更を保存し、デバイス設定メニュー画面に戻ります。
- 中央ボタンを長押しして設定を終了します。
ディープスリープ
ディープスリープは がしばらく使われていないときにバッテリー寿命を延ばすための機能です。ディープスリープ機能は、次の状態から 2 日経ったときに有効になります。
- ボタンがしばらく押されていない
- ダイブ計算が終了している
Suunto EON Steelはパソコンまたは充電器に接続された時、ボタンが押された時、あるいは水と接触して濡れた時に再び起動します。
水面休息時間と飛行機搭乗禁止時間
潜水後、は前回の潜水からのサーフェス時間と飛行禁止推奨時間のカウントダウンを表示します。飛行機搭乗禁止時間内の飛行または高地への移動は避けなければなりません。

飛行機搭乗禁止時間(飛行禁止時間)は、ダイビング終了後、飛行機への搭乗が制限される時間のことです。最低 12 時間に設定されています。体内残留窒素排出時間が 75 分未満の場合、飛行機搭乗禁止時間は表示されません。飛行機搭乗禁止時間は最長 72 時間です。
潜水中に減圧を行わなかったために、ダイブアルゴリズムロックが 48 時間ロックされると( を参照)、飛行機搭乗禁止時間が常に 48 時間になります。同様に、ゲージモード(ボトムタイマー)で潜水が行われると、飛行機搭乗禁止時間は 48 時間になります。
Suunto Fused RGBM 2 では、飛行機搭乗禁止時間は選択された個人設定パラメータ(-2、-1、0、+1、+2)によって左右されます。より保守的な個人設定を選択すると、飛行機搭乗禁止時間の値がより長くなります。より積極的な個人設定を選択すると、飛行機搭乗禁止時間の値がより短くなります。
Suunto Fused™ RGBM 2 によって が計算した飛行機搭乗禁止時間が終了すると、飛行機に搭乗することができます。通常、旅客機の機内気圧は上空約 3,000 m と同等の気圧に達します。
警告:ダイブコンピュータが飛行機搭乗禁止時間をカウントダウンしている間は、飛行機に搭乗しないでください。飛行機に搭乗する前に必ずダイブコンピュータを起動し、飛行機搭乗禁止の残り時間を確認してください。飛行機搭乗禁止時間内の飛行機搭乗および高所移動は、減圧症のリスクが非常に高まります。ダイバーズ・アラート・ネットワーク(DAN:Divers Alert Network)が発信している情報を参考にしてください。潜水後の飛行機搭乗において、減圧症を完全に防ぐことを保証する規定は存在しません。
Suuntoアプリ
Suuntoアプリを使用すると、デバイスとダイブ設定を簡単にカスタマイズできます。 Suuntoアプリケーション でのダイブモードのカスタマイズおよびSuunto アプリケーションでのダイブモードのカスタマイズ方法を参照してください。
Suunto App を使用すれば、簡単にダイブログをアプリに転送して水中でのアドベンチャーを追跡したり、仲間とシェアしたりすることができます。
iOS 用 Suunto App とのペアリングを行う場合:
- iTunes App Store からアプリと互換性のある Apple デバイスに Suunto App をダウンロードし、インストールします。アプリの説明欄には、対応機種や OS などに関する最新の互換性情報が記載されています。
- Suunto App を起動し、Bluetooth がオンになっていない場合は、オンにします。アプリはフォアグラウンドで実行中のままにします(アプリが最前面にある状態)。
- のセットアップをまだ完了していない場合は、今すぐ行ってください(「はじめに」を参照)。
- 右上にある設定アイコンをタップし、新しいデバイスを追加するために「+」アイコンをタップします。
- 検出されたデバイスのリストからダイブコンピュータを選択し、 [ペアリング]をタップします。
- ダイブコンピュータの画面上に表示されたパスキーをモバイルデバイスのペアリング設定リクエスト画面に入力し、 をタップします。
- リクエストフィールドの下部にある「PAIR」をタップします。
Android 用 Suunto App とのペアリングを行う場合:
- Google Play からアプリと互換性のある Android デバイスに Suunto App をダウンロードし、インストールします。アプリの説明欄には、対応機種や OS などに関する最新の互換性情報が記載されています。
- Suunto App を起動し、Bluetooth がオンになっていない場合は、オンにします。アプリはフォアグラウンドで実行中のままにします(アプリが最前面にある状態)。
- のセットアップをまだ完了していない場合は、今すぐ行ってください(「はじめに」を参照)。
- スタート画面の右上隅にある時計のアイコンをタップします。
- 検出されたデバイスのリストからダイブコンピューターを選択し、 [ペアリング]をタップします。
- ダイブコンピュータの画面上に表示されたパスキーをモバイルデバイスのペアリング設定リクエスト画面に入力し、 をタップします。
- リクエストフィールドの下部にある「PAIR」をタップします。
メモ:機内モードがオンになっているとペアリングを行うことができません。ペアリングを行う前に機内モードをオフにしてください。
ログと設定を同期する
ログと設定を同期するためには、まず Suunto DM5 をインストールする必要があります( を参照)。
からログをダウンロードし、設定を同期するには:
- Bluetooth経由でSuunto EON Steelをモバイル機器に接続します。
- Suuntoアプリを起動します。
- 同期が完了するまで待ちます。
新しいダイブログは、日付と時刻順にアクティビティ履歴に表示されます。
SuuntoLink
のソフトウェアをアップデートするには、SuuntoLink を使用することもできます。PC または Mac に SuuntoLink をダウンロードしてインストールします。
新しいソフトウェアアップデートが公開され次第、デバイスにインストールすることを強くお勧めします。アップデートが公開されると、SuuntoLink および Suunto モバイルアプリから通知されます。
詳細については、 SuuntoLinkを参照してください。
ダイブコンピュータのソフトウェアを更新するには:
- 付属の USB ケーブルを使って、 をパソコンに接続します。
- SuuntoLink を起動します(すでに起動していない場合)。
- SuuntoLink にあるアップデートボタンをクリックします。
ヒント:ダイブを同期するには、ソフトウェアを更新する前にデバイスをSuuntoアプリに接続します。
タンク圧
は、各ダイブモードで合計 20 種類のガスを使用することができます。それぞれのガスについて、タンク圧情報をワイヤレス転送するために Suunto Tank POD を使用することができます。
Suuntoタンクポッドの取り付けとペアリングについては、「Suunto タンクポッドの取り付けとペアリングの方法」を参照してください。
タンク圧ビュー には、以下の表示画面があります。
次の例は、タンク圧アラームが 100 bars に設定されています。右下隅の切り替えウィンドウには 75 bars のタンク圧が表示されます。
タンク圧が 50 bars(720 psi)よりも上で、ユーザーが設定したタンク圧アラートの値を下回ると、黄色で表示されます。

タンク圧が 50 bars(720 psi)を下回ると、切り替えウィンドウに表示される実際のタンク圧の値が赤になり、必然的にアラームがトリガーされます。

タイマー
には、水面または潜水時の特定のアクションの時間を計ることができるタイマー機能があります。タイマーはスクロール可能アイテムとして右下角に表示されます。
メモ:タイマー表示では、タイマーはアナログウォッチとして表示されます。
タイマーの使用方法:
- 上ボタンを押してタイマーを開始します。
- 上ボタンを再度押すとタイマーを一時停止できます。
- 上ボタンを長押しするとタイマーがリセットされます。
タイマーの作動はダイブログに保存されます。
ウォーターコンタクトは本体側面の USB ケーブルポート近くに位置しています。水中に沈めると、ウォーターコンタクトの電極が水の電気伝導特性によって接続され、水没したことを検知します。
は水を検知するとダイブ状態に切り替わります。次の条件を満たすとダイブが開始します。
- ウォーターコンタクトがオンの状態:水深 1.2 m(4 ft)に達した時点、または
- ウォーターコンタクトがオフの状態:水深 3.0 m(10 ft)に達した時点
次の条件を満たすとダイブが終了します。
- ウォーターコンタクトがオンの状態:水深 1.2 m(4 ft)未満の場合、または
- ウォーターコンタクトがオフの状態:水深 3.0 m(10 ft)に達した時点。
ウォーターコンタクトがアクティブの場合、深度の読み取り数値の色が白になります。