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How Yao Miao Adapted Her Way Back to the CCC Podium

UTMB CCCで3位|Yao MiaoがSuunto Race 2で実践したトレーニングとレース戦略

UTMB World Series Finalsの主要レース「CCC」で、SuuntoアスリートのYao Miaoが3位に入りました。8年ぶりとなるCCCへの復帰。しかもレース3週間前には膝の古傷が再発し、トレーニング計画を大きく変更しての表彰台でした。 このレースで注目したいのは、3位という結果だけではありません。 6週間で878km・累積標高31,234mを積み上げたトレーニング。膝の痛みが出てからの負荷調整。そしてレース中には、心拍、ペース、パワーなどのデータと身体の状態を見ながら戦略そのものを変更しました。 トップトレイルランナーは、Suuntoのデータをどうトレーニングやレース判断に活用しているのでしょうか。 UTMB CCCでのYao Miaoの走りを、SuuntoウォッチとSuuntoアプリに記録されたデータとともに振り返ります。 目次 UTMB CCCとは? Yao Miaoとは? Yao MiaoとSuunto|データを判断に使う 8年ぶりのCCCで3位 6週間で878km・累積標高31,234m レース3週間前、膝の古傷が再発 CTL・ATL・TSBを見ながら負荷を調整 心拍ゾーンからトレーニング内容を見る CCC本番|序盤の登りから攻める 下りで膝が悪化、レース戦略を変更 心拍・ペース・パワーでレースを見る 終盤に抜かれても崩れなかった理由 Yao MiaoのSuunto活用法から学べること 吉住友里選手もRace 2でレースを組み立てる まとめ|データは判断するために使う UTMB・トレイルランニング関連記事 トレイルレースをSuunto Race 2で管理する UTMB CCCとは? CCCは、フランス・シャモニーを中心に開催されるUTMB World Series Finalsの主要レースのひとつです。 UTMB Mont-Blancのレースウィークには複数のカテゴリーがあり、CCCはクールマイユールからシャモニーを目指す100kmクラスの山岳トレイルレースです。 世界各地のUTMB World Seriesを勝ち上がったトップアスリートも集まり、距離だけでなく、長い登り下り、標高、変化する天候などへの対応力が求められます。 2026年大会では悪天候に伴う緊急のコース変更が行われ、予定されていた約101kmから107.8km・累積標高6,198mへと延長されました。 激しい雨によってトレイルは滑りやすい泥道となり、過去6年間のCCC歴代優勝者3人がそろう女子レースは非常にハイレベルな戦いになりました。 SuuntoはUTMB World Seriesの公式GPSウォッチおよびテクニカルパートナーとして、世界各地のトレイルランナーをサポートしています。 ▶︎ Suunto × UTMB World Series|アスリート・レース・トレイルランニング情報を見る Yao Miaoとは? Yao Miaoは、中国を代表するトレイルランナーのひとりであり、Suuntoアスリートです。 中国・雲南省麗江を拠点に、標高2,400mを超える高地環境でトレーニングを続けています。 シャモニーでの実績も長く、今回のCCCを含め、UTMB Finalsの舞台で何度も表彰台に立ってきました。 ただし、現在のYaoの強さは走る才能だけで作られたものではありません。 以前は感覚や経験を頼りにすることも多かったトレーニングを、現在では、 心拍 トレーニング負荷 登坂量 筋力 テクニカルな下り 栄養 回復 まで含めた、より体系的なアプローチへ変えています。 Yaoが普段どのようにトレイルランニングを鍛えているかは、こちらの記事で詳しく紹介しています。 ▶︎ トレイルランニングで速くなるには?トップアスリートYao Miaoの心拍・筋力・登り・下りを鍛えるトレーニング Yao MiaoとSuunto|データを判断に使う Yaoのトレーニングで重要になっているのが、SuuntoウォッチとSuuntoアプリに蓄積されるデータです。 トレイルランニングでは、ロードのように1kmあたりのペースだけで運動強度を判断することが難しくなります。 急な登りではペースが遅くても心拍は高くなり、長い下りではペースが速くても、心肺より脚へ大きな負荷がかかることがあります。 そのためYaoは、 心拍数 心拍ゾーン ペース ランニングパワー 距離 累積標高 トレーニング負荷 回復状態 などを組み合わせてトレーニングを振り返っています。 データがレースを走るわけではありません。 データを判断材料にして、最後にどう走るかを決めるのはアスリート自身です。 今回のCCCは、その使い方がよく見えるレースになりました。 8年ぶりのCCCで3位 YaoにとってCCCへの出場は8年ぶりでした。 107.8kmのコースを12時間15分41秒で走り、女子3位でシャモニーへフィニッシュ。 シャモニーで表彰台に立つのはこれで5回目です。 長年トップレベルで走り続けられる理由を聞かれたYaoの答えは、非常にシンプルでした。 「努力あるのみ。」 しかし今回のレースでは、単純に努力量を増やせばよかったわけではありません。 むしろ重要だったのは、努力することと、負荷を下げるべきタイミングを判断することでした。 6週間で878km・累積標高31,234m CCCまでの6週間、Suuntoアプリに記録されたYaoのトレーニング量は、 トレーニング時間:98時間34分 走行距離:878km 累積標高:31,234m でした。 SuuntoアプリのTraining Zoneに記録された6週間のトレーニング量。98時間34分、878km。 6週間の累積標高は31,234m。トレイルレースでは距離だけでなく、どれだけ登ったかも重要なトレーニング指標です。 平均すると週16時間以上のトレーニングと、5,000mを超える累積標高です。 標高2,400mを超える麗江での生活とトレーニングに加え、レース約1か月前にはシャモニーへ入り、アルプスの環境へ身体を適応させました。 CCCへ向けた有酸素能力と登坂持久力の土台は十分にできていました。 しかし、レース3週間前に計画が崩れます。 レース3週間前、膝の古傷が再発 8月8日、ゴールデントレイル・ワールドシリーズのスイス大会で、Yaoは膝の古傷を悪化させました。 ここで彼女が選んだのは、予定していたトレーニングを何とか続けることではありません。 負荷を大きく下げることでした。 翌週の累積標高は約5,000mから約1,300mへ減少。70%以上減らし、トレーニングの多くをリハビリとアクティブリカバリーへ切り替えました。 レース直前になると、「ここまで練習してきたのだから、もう少し積んでおきたい」と考えがちです。 しかし、痛みがある状態で負荷を追加すれば、スタートラインに立てなくなる可能性もあります。 Yaoは不足したトレーニングを取り戻すのではなく、すでに作ったフィットネスを活かせる状態へ戻すことを優先しました。 CTL・ATL・TSBを見ながら負荷を調整 その変化はSuuntoアプリのTraining Zoneにも表れています。 山での高負荷セッションが続いた時期には、長期的なトレーニング負荷に対して短期的な疲労が大きくなっていました。 そこから負荷を減らしたことで、レース前の最終週には、 Fitness(CTL):117 Fatigue(ATL):68 Form(TSB):+40 となりました。 レース前のTraining Zone。CTL 117、ATL 68、TSB +40。 CTLはわずかに下がりましたが、ATLはそれ以上の速さで低下しました。 つまり、フィットネスを完全に維持しようとするより、疲労を抜いてレースを走れる状態へ戻すことを優先したわけです。 CTL・ATL・TSBの意味はこちらの記事で詳しく解説しています。 ▶︎ CTLとは?トレーニング負荷の見方と上げ方|ATL・TSBとの違いも解説 心拍ゾーンからトレーニング内容を見る Yaoはトレーニング量だけでなく、どの強度でトレーニングしたかも確認しています。 6週間で心拍ゾーンに記録されたトレーニング時間は約91時間。 そのうち、 ゾーン2:約31時間3分 ゾーン3:約25時間30分 と、低〜中強度の有酸素トレーニングに多くの時間を使っていました。 膝を痛めてからは、最大に近いゾーン5の時間を減らしながら、よりレース強度に近い持続的な運動へ重点を移しました。 「予定していたメニューを守ること」より、「今の身体でCCCを走るために必要な刺激を選ぶこと」が優先されています。 心拍ゾーンについて詳しく知りたい場合はこちら。 ▶︎ 心拍ゾーンとは?ゾーン1〜5の意味・計算方法・トレーニングへの使い方 CCC本番|序盤の登りから攻める そしてレース当日。 CCCの序盤から大きな登りが待っていました。 最初の約9.4kmで、Tête de la Troncheまで約1,400mを登ります。最大勾配は35%。 Yaoはここを抑えて入るのではなく、積極的に進みました。 最初の10kmは平均心拍数約169bpm。女子トップで最初のチェックポイントへ到着しています。 CCC序盤10kmのSuuntoデータ。急な登りではペースだけでなく、標高変化と心拍を合わせて見ることが重要です。 トレイルランニングでは、登りになると1kmあたりのペースは大きく低下します。 ロードランの感覚で「遅い」と判断することはできません。 だからこそ、心拍、標高、パワー、体感などを組み合わせて運動強度を判断することが重要になります。 下りで膝が悪化、レース戦略を変更 序盤の登りを終えると、今度は約20kmにわたる長い下りが待っていました。 Yaoは30〜40km区間を4:50/km、40〜50km区間を4:32/kmまでペースアップ。 しかし、長い下りによって膝の痛みが悪化します。 ここでYaoは、スタート前に考えていたレース戦略を変更しました。 当初は、 登りでエネルギーを温存する 下りは通常どおり走る 平坦区間で攻める というプランでした。 ところが、下りで膝の痛みが強くなったことで、 痛みの少ない登りでペースを上げる 下りと平坦区間では無理をしない という戦略へ切り替えました。 レースプランは、スタート前に作れば終わりではありません。 天候、身体、ライバル、コース状況に合わせて更新していくものです。 心拍・ペース・パワーでレースを見る Suuntoアプリに残ったデータを見ると、Yaoが地形に合わせて走り方を変えていることが分かります。 10kmごとのペース、登下降、平均心拍数。トレイルではペースだけでなく地形との関係を見ることが重要です。 70〜80km区間では累積標高1,155mを登り、平均ペース9:24/km、平均心拍156bpm、ランニングパワー約145W。 急な登りでペースだけを見ると遅く感じますが、心拍やパワーを見ると高い運動強度を安定して維持していることが分かります。 トレイルでは、 速い=頑張っている とは限りません。 登りではペースが遅くても高強度になり、下りでは速いペースでも心肺とは別に脚へ大きな負担がかかります。 Yaoのデータは、トレイルランニングで複数の指標を見る意味をよく表しています。 終盤に抜かれても崩れなかった理由 終盤には、疲労、雨で滑りやすくなったトレイル、そして膝の痛みが重なりました。 Yngvild KaspersenとToni McCannに抜かれ、Yaoは3位へ。 それでもレースそのものは崩れませんでした。 地形によってペースを落としながらも、心拍数はおおむね145〜150bpmを維持。 最後の登りを越えたあと、ラスト6.1kmは平均6:11/kmまで再びペースを上げています。 レース順位を守るために無理をしてすべての区間を同じ強度で走ったのではありません。 使える場所で力を使い、リスクの高い場所では抑える。 その調整によって、最後まで走れる状態を維持しました。 Yao MiaoのSuunto活用法から学べること 今回のCCCは、Suuntoのデータをトップアスリートがどう使っているかを見るケーススタディでもあります。 1. トレーニング量を距離だけで見ない Yaoは距離だけでなく、トレーニング時間と累積標高を確認しています。 トレイルでは、平坦な20kmと累積標高2,000mを含む20kmでは負荷が大きく異なります。 2. CTLだけでなくATLとTSBを見る レース前に負荷を落とすとCTLが少し下がることがあります。 しかし、疲労を表すATLがより早く下がれば、レースへ向けた状態は改善することがあります。 「フィットネスの数字を下げたくない」ために無理に練習するのではなく、レースで走れる状態を作ることが目的です。 3. 心拍ゾーンでトレーニングの中身を見る 何時間走ったかだけでなく、どの心拍ゾーンで何時間トレーニングしたかを見ることで、低強度・中強度・高強度のバランスを確認できます。 4. レース中はペースだけを見ない アップダウンの大きいCCCでは、ペースだけでは強度を判断できません。 心拍、ランニングパワー、高度変化、そして自分の感覚を合わせて判断します。 5. データより身体を優先する 最も重要なのはここです。 Suuntoのデータが「今日は走るべき」と命令するわけではありません。 膝の痛みが出たYaoはトレーニング量を70%以上減らしました。 データは身体から得られる情報と組み合わせて、次の判断を考えるために使います。 吉住友里選手もRace 2でレースを組み立てる Suuntoを使ったトレイルレースの組み立て方は、Yao Miaoだけのものではありません。 日本のSuuntoブランドアンバサダー吉住友里選手も、UTMB World Seriesの一戦「Kaga Spa Trail Endurance 100 by UTMB®」のKAGASPA 50Kで、Suunto Race 2を活用しています。 吉住選手はレース前の試走から、 ルートナビゲーション 登り・下りの位置 ラップ ペース 心拍数 累積標高 などを確認。 試走データと自分の感覚を組み合わせてタイムチャートを作り、本番後にはSuuntoアプリで心拍やラップを振り返っています。 Yao MiaoがCCCで見せた「データを使って状況に適応する走り」と、吉住選手がKaga Spaで実践する「データを使って事前にレースを組み立てる方法」。 2人の記事を合わせて読むと、Suuntoをトレイルレースでどう活用できるかがより具体的に見えてきます。 ▶︎ KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語る、Suunto Race 2でレースを組み立てる方法 まとめ|データは判断するために使う Yao Miaoの2026年CCCは、完璧な準備から始まったレースではありませんでした。 膝を痛め、トレーニング量を大きく減らし、レース当日は雨によるコース変更、長い下り、痛み、さらにレース途中の予想外の中断にも対応する必要がありました。 それでも3位でフィニッシュできた背景には、6週間で積み上げてきた大きなトレーニングベースと、その後の状況に合わせて計画を変更できる柔軟性がありました。 そしてSuuntoのデータは、 どれだけトレーニングしたか どの強度で走ったか どれくらい疲労しているか レース中にどの強度で進んでいるか どの区間でペースや心拍が変化したか を振り返るための材料になっています。 数字に従って走るのではなく、数字を使って自分の状態を理解し、必要なら計画を変える。 それが、Yao MiaoのCCCから学べるSuuntoの活用法です。 UTMB・トレイルランニング関連記事 Toni McCann、再びUTMB CCCへ|シャモニーで見つめ直した「走る理由」 トレイルランニングで速くなるには?|Yao Miaoの心拍・筋力・登り・下りのトレーニング KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手インタビュー|Race 2でレースを組み立てる方法 CTLとは?|トレーニング負荷の見方とATL・TSBとの違い 心拍ゾーンとは?|ゾーン1〜5の意味とトレーニングへの使い方 Suunto × UTMB World Series|アスリート・レース情報を見る トレイルレースをSuunto Race 2で管理する トレイルランニングでは、距離やペースだけではレース全体を把握できません。 心拍、標高、ルート、トレーニング負荷、回復までを継続して記録することで、レース前・レース中・レース後をひとつの流れとして振り返ることができます。 Suunto Race 2は、トレーニングとレースを継続して記録したいトレイルランナー向けのGPSスポーツウォッチです。 オフラインマップやルートナビゲーションを使ったコース確認に加え、心拍、ラップ、標高、トレーニング負荷などを記録し、Suuntoアプリで長期的な変化を確認できます。 トップアスリートと同じ数字を目指す必要はありません。 自分自身のデータを積み重ね、次のトレーニングやレース判断へつなげることが重要です。 Suunto Race 2を見る
September 02 2026
What Is a Tempo Run? Intensity, Workouts and Tips

テンポ走とは?ペース・心拍数・効果・練習メニューを初心者向けに解説

一見すると、テンポ走はシンプルです。イージーペースより少し速く走るだけ。しかし実際に問われるのは、強度をコントロールする力です。確かなトレーニング刺激が得られるだけの強度を保ちながら、回復に何日も要する全力走は避ける。その絶妙なバランスが欠かせません。トレーニングプランの適切な位置に組み込めば、テンポ走は日々のランニングとレース本番をつなぐ架け橋となり、負荷が高まっても呼吸、フォーム、ペースを崩さず保つ力を養えます。 要点 テンポ走は、「ややきつい」強度を一定時間維持するトレーニングです。 テンポ走の強度は、ペース、自覚的運動強度(RPE)、心拍数を組み合わせて判断します。 走力によって、テンポトレーニングへの適切なアプローチは異なります。 全体的なトレーニング負荷と回復を考慮して、テンポ走を計画しましょう。 Suuntoは、テンポトレーニングの計画、記録、長期的な分析をサポートします。 目次 テンポ走とは? テンポ走を取り入れるべき理由 テンポ走に適した強度の見つけ方 レベル別:テンポ走のワークアウト例 Suuntoでテンポ走を記録し、レベルアップする方法 FAQ テンポ走とは? テンポ走は、「ややきつい」強度を一定時間維持するトレーニングです。イージーランよりも速く、心拍数も高くなります。一方、インターバルトレーニングほど強度は高くなく、短い反復ではなく連続して走ります。 1回の連続した走行として行うことも、複数の長いテンポ区間に分け、その間に短いイージーランを挟むこともできます。テンポ走を決めるのは、特定のペースや時間ではなく、一定した高い負荷を維持することです。 一般的な目安: 強度:乳酸閾値に近い強度 時間:走力に応じて約20~60分 自覚的運動強度(RPE):10段階中7~8 簡単に言えば、テンポ走は「きついが、無理なく維持できる」強度が目安です。明らかなきつさは感じるものの、限界近くまで追い込むことなく、安定したペースと良好なランニングフォームを維持できる程度です。 テンポ走を取り入れるべき理由 テンポ走の最大のメリットは、強度が高い状態でも一定の負荷を維持する力を養えることです。 1. 乳酸閾値の向上 テンポ走は乳酸閾値トレーニングの中心となるメニューで、閾値そのものと、高い強度を持続する能力を高める最も効果的な方法のひとつです。 乳酸閾値とは、運動強度の上昇に伴い、血中乳酸濃度が急激に増え始める強度を指します。テンポトレーニングを継続すると、体が乳酸を処理する能力が向上し、より速いペースで一定の負荷を維持できるようになります。 2. ランニングエコノミーの向上 テンポ走は、一定のペースでどれだけ効率よくエネルギーを使えるかを示すランニングエコノミーの向上にも役立ちます。定期的に高強度で走ることで、体がより速いスピードに適応し、疲労が出てからも効率のよいフォームと安定したペースを保ちやすくなります。 3. レースに必要な持久力の向上 テンポ走を取り入れることで、レースで求められる強度とペースに慣れることができます。ハーフマラソンやマラソンなどの長距離レースに向けて、高い強度を持続するための体づくりができ、疲れてからもペースと負荷を維持する力が身につきます。トレーニングプランによってはレースペース走と組み合わせることもできますが、両者は同じものではありません。 4. メンタルの強化 テンポ走で鍛えられるのは脚だけではありません。疲労や不快感に耐える力も高められます。高い強度を長時間維持するには、疲労が徐々に蓄積するなかでも、ペースと負荷をコントロールし続ける必要があります。 テンポ走に適した強度の見つけ方 適切な強度設定こそが、テンポ走の効果を左右します。楽すぎると、体の適応を促すのに十分な刺激を得られません。反対に、強度が高すぎるとインターバルトレーニングになり、それに伴って疲労や回復の負担も大きくなります。 強度を判断する一般的な3つの指標は、ペース、自覚的運動強度(RPE)、心拍ゾーンです。どれかひとつだけに頼らず、組み合わせて活用しましょう。 1. ペース ペースはテンポ走中のスピード管理に役立ちますが、すべてのランナーに当てはまる単一のテンポペースはありません。 適切なテンポペースは、走力、レース実績、地形、天候、その日のコンディションによって変わります。ランナーが違えばペースも異なり、同じランナーでも条件によって調整が必要です。 ペースは運動の出力を示す外的な指標として捉え、RPEや心拍数とあわせて確認し、狙った強度でトレーニングできているかを判断しましょう。 2. 自覚的運動強度(RPE) RPEは、運動をどの程度きつく感じるかによって強度を判断する指標です。 一般的な0~10のスケールでは、次のように表します。 0:まったく負荷を感じない 1~2:非常に楽で、ほとんど負担を感じない 3~4:楽で、無理なく会話ができる 5~6:中程度の負荷で、トレーニングのきつさをはっきり感じる 7~8:きつく、ペースを維持するには集中が必要 9:非常にきつく、最大努力に近い 10:最大努力で、長時間の維持は不可能 テンポ走の目安は、通常10段階中RPE 7~8です。この強度では呼吸が明らかに速くなります。普通に会話するのは難しいものの、短い言葉なら交わせる程度です。 3. 心拍ゾーン 心拍数は、ペースだけを見るよりも、体にかかっている負荷を直接把握しやすいため、テンポ走中の有効な指標になります。 トレーニング理論によっては、テンポ走の強度を最大心拍数の約85~90%としていますが、正確な範囲は理論や個人によって異なります。ゾーンモデルごとに境界の設定が異なるため、テンポ走を単に ゾーン3またはゾーン4と定義するのは適切ではありません。 最大心拍数に対する割合は、あくまで一般的な目安です。ゾーンモデルが異なれば、設定されるトレーニングゾーンも変わります。Suuntoでは、自分のデータに基づいて心拍ゾーンを設定できるため、テンポ走中のリアルタイム心拍数から強度を判断できます。 レベル別:テンポ走のワークアウト例 以下はワークアウトの一例です。実際のテンポ走の強度は、自分のペース、RPE、目標心拍ゾーンに基づいて設定してください。 1. 初級:短いテンポインターバル テンポトレーニングを初めて行うランナーは、短いテンポ区間の間にイージーランを挟むメニューから始めるのがおすすめです。 例: イージーラン5分でウォームアップ テンポ走3分の後にイージーラン1分。これを2回繰り返す イージーラン5~10分でクールダウン この構成なら、初級者でもテンポ走の強度感覚をつかみやすくなります。体が慣れてきたら、反復回数を徐々に増やしていきましょう。 2. 中級:より長いテンポ区間 短いテンポ区間を無理なくこなせるようになったら、各区間の時間を延ばします。 例: イージーラン15~20分でウォームアップ テンポ走15~30分 イージーラン10~15分でクールダウン 短いインターバルと比べて、一定の強度をより長く保つ必要があるため、持続力の向上に重点を置いたメニューです。 3. 上級:連続テンポ走 十分な持久力の土台があり、テンポトレーニングの経験を積んだランナーは、ひとつの長い連続区間を通して一定の負荷を維持することに取り組みましょう。 例: イージーラン15分でウォームアップ 連続テンポ走30~40分 イージーラン10~15分でクールダウン ハーフマラソンやマラソンのトレーニングでは、長めのテンポ走は、高い強度を持続するための準備となるレース特化型のセッションです。McMillanも、ハーフマラソンのトレーニングガイドで、15~40分の連続テンポ走を乳酸閾値トレーニングのひとつとして紹介しています。 ヒント:テンポ走の負荷は段階的に高めていきましょう。余裕を持ってこなせるようになったら、テンポ区間を延ばす、インターバル間のリカバリーを短くする、より長い連続走へ移行する、といった方法があります。目標強度を維持するのが難しい場合や、後半にペースが明らかに落ちる場合は、テンポ区間を短くするか、リカバリーを長くしてから次の段階へ進みましょう。 Suuntoでテンポ走を記録し、レベルアップする方法 Suuntoスポーツウォッチは、ワークアウトの計画からランニング中のガイド、終了後の振り返りまで、テンポトレーニングを一貫してサポートします。 1. ランニング前 ワークアウトを作成し、目標ゾーンを設定 構造化ワークアウトに対応するSuuntoウォッチでは、Suuntoアプリでセッションを作成し、ウォッチに同期できます。一部のモデルでは、ウォッチ上でシンプルな構造化ワークアウトを作成することもできます。たとえば、次のように設定します。 15分間のウォームアップ 目標心拍ゾーンを設定した30分間のテンポ走 必要に応じて反復回数とワークアウトのステップを設定 10分間のクールダウン セッション中は、ウォッチが各ステップを案内し、目標強度の維持をサポートします。 2. ランニング中 テンポ走中、Suuntoはトレーニングデータをリアルタイムで記録します。 心拍数 目標トレーニングゾーンを維持できているか確認しましょう。十分なトレーニング刺激を得られる強度を保ちながら、インターバルトレーニングの領域まで上がりすぎないようコントロールできます。 ペースと距離 セッションの目的に沿って、ペースを一定に保てているか確認します。テンポ走の基本は、安定した負荷を維持することです。そのため、ペースを整えることが重要になります。疲労によって途中で切り上げるのではなく、計画どおりにワークアウトを終えることを目指しましょう。 3. ランニング後 ランニング後は、Suuntoで以下の項目を振り返ることができます。 トレーニング負荷 テンポ走が全体のトレーニング負荷にどのような影響を与えたかを確認できます。効果的な刺激を保ちながら、今後のセッションに影響する前に負荷の急増を把握できます。 長期的な進捗 CTL、ATL、TSB、VO₂ maxを記録することで、トレーニング負荷、トレーニングステータス、有酸素能力が時間とともにどう変化しているかを把握できます。 Suuntoアプリと対応するウォッチでは、トレーニング履歴や傾向を含む長期的なトレーニングデータを確認できます。 必要なリカバリー テンポ走後に必要なリカバリーは、睡眠、HRV、トレーニングによる疲労、その日のコンディションによって変わります。Suuntoアプリとウォッチはリカバリー状態の把握に役立ちます。次のセッションを予定どおり行うか、強度を下げて回復時間を増やすかを判断できます。 リカバリーについて詳しくはこちら。 適切な強度を見つけ、走力の変化に合わせてトレーニング量を調整することが、テンポ走を長期的な目標につなげる鍵です。トレーニング強度、体からのフィードバック、長期的なデータを組み合わせて読み解けば、テンポ走は単なる速めのランニングではなくなります。目的が明確で、変化に対応できるトレーニングプランの一部になるのです。 FAQ 5km向けのテンポ走とは? 5kmランナーの場合、テンポペースは通常、5kmのレースペースより遅く、かつ十分なトレーニング刺激を得られる強度に設定し、一般的に20~40分間維持します。正確なペースは自分の走力に基づいて決め、心拍数や体感とあわせて10段階中RPE 7~8を目安にしましょう。 20分間のテンポ走でも効果はある? はい。 20分間のテンポ走は、定番のワークアウト形式です。初級者にとっては、20分でも十分に効果的なトレーニング刺激が得られます。より上級のランナーは30~40分に延ばすか、長めのテンポインターバルに移行できます。 3:2:1テンポ走とは? 3:2:1テンポ走とは、通常3分、2分、1分と長さの異なる区間で構成し、区間ごとに強度を上げていくビルドアップ型のテンポワークアウトです。ペースコントロールを身につけ、疲労が蓄積するなかでも高い負荷を維持するための効果的な練習になります。 テンポ走でVO₂ maxは向上する? テンポ走はVO₂ maxの向上にも貢献しますが、最大酸素摂取量を高めるための中心的なトレーニングではありません。VO₂ maxの向上には、主に高強度インターバルトレーニングや、VO₂ maxに近い強度での反復走が有効です。 テンポ走の主な効果は、乳酸閾値、有酸素持久力、高い強度を持続する能力の向上です。
September 01 2026
What Is CTL? A Guide to Long-Term Training Fitness

CTLとは?トレーニング負荷・疲労・回復をどう見るか|ATL・TSBも解説

CTLとは、数週間にわたって積み重ねてきたトレーニング負荷を表す指標です。ランニングやサイクリング、トライアスロンなどの持久系スポーツでは、1回の練習だけでなく、「最近どれくらい継続してトレーニングできているか」を見ることが重要です。 Suuntoでは、CTL(Chronic Training Load:慢性トレーニング負荷)を使って、長期的なトレーニング負荷の変化を確認できます。 ただし、CTLは高ければ高いほど良い数字ではありません。 大切なのは、自分が回復できる範囲で負荷を積み重ね、その傾向をATLやTSB、HRV、睡眠、体感などと一緒に見ることです。 この記事では、CTLとは何か、TSS・ATL・TSBとの違い、CTLが上がる・下がる意味、トレーニングでの活用方法をわかりやすく解説します。 目次 CTLとは? CTLは「体力そのもの」ではない TSS・CTL・ATL・TSBの違い CTLはどう計算される? TSBを見ると疲労とのバランスがわかる CTLが上がる・横ばい・下がる意味 CTLはいくつなら高い?適正値はある? CTLを安全に高めるには? Ramp Rateとは? 回復週やテーパリングでCTLが下がってもいい? SuuntoでCTLを確認する方法 CTLをトレーニング判断にどう使う? CTLだけで判断しない まとめ|CTLは高さより「推移」を見る 関連記事 CTL・トレーニング負荷をSuuntoで管理する CTLとは? CTLは「Chronic Training Load」の略で、日本語では慢性トレーニング負荷と呼ばれます。 簡単に言えば、数週間にわたって積み重ねてきたトレーニング負荷を見るための指標です。 例えば、1回だけ強度の高いランニングをしても、CTLは急激には上がりません。 一方で、適切な負荷のトレーニングを何週間も継続すると、CTLは徐々に上昇していきます。 そのためCTLを見ると、 最近トレーニングを継続できているか 長期的な負荷が増えているか トレーニング量が減っているか 負荷を急に増やしすぎていないか といった傾向を把握しやすくなります。 CTLは「体力そのもの」ではない CTLはSuuntoのトレーニング分析ではフィットネスの傾向を理解するために使われますが、ここで注意したいことがあります。 CTLそのものが、走力や体力を直接測定しているわけではありません。 CTLが表しているのは、これまでに蓄積してきたトレーニング負荷です。 例えば2人のランナーが同じCTLだったとしても、同じマラソンタイムで走れるとは限りません。 トレーニング内容、競技歴、年齢、体質、回復能力、ランニング効率などは人によって異なるからです。 CTLは「自分がどれだけ強いかを他人と比べる数字」ではなく、自分自身のトレーニングが数週間〜数か月でどう変化しているかを見る数字として使うと理解しやすくなります。 TSS・CTL・ATL・TSBの違い CTLを理解するには、TSS・ATL・TSBとの関係を知っておくと分かりやすくなります。 指標 意味 見るポイント TSS 1回のトレーニング負荷 今日の運動がどれくらい負荷になったか CTL 長期的なトレーニング負荷 数週間にわたって負荷を積み上げられているか ATL 短期的なトレーニング負荷 最近どれくらい疲労が蓄積しているか TSB CTLとATLのバランス 長期的な負荷に対して最近の疲労がどの程度あるか イメージすると、 TSS=今日の負荷 ATL=最近の疲労 CTL=長期的な積み上げ TSB=積み上げと最近の疲労のバランス という関係です。 トレーニング負荷全体の仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。 ▶︎ トレーニング負荷とは?フィットネス・疲労・フォームで見る負荷管理の基本 CTLはどう計算される? Suuntoでは、CTLを過去42日間のTSSをもとにした加重平均として扱います。 単純に42日分を足して42で割る平均ではなく、最近のトレーニングほど影響が大きくなるように計算されます。 TSS(Training Stress Score)は、運動時間と強度などをもとに、1回のトレーニングで身体にかかった負荷を数値化する考え方です。 例えば、 長時間の低強度ランニング 短時間の高強度インターバル はまったく違うトレーニングですが、結果として近いTSSになる場合があります。 そのTSSを日々積み重ねた長期的な傾向を見るのがCTLです。 42日という長い期間を見るため、1回だけ非常にきついトレーニングをしてもCTLはそれほど大きく変わりません。 逆に言えば、CTLを高めるには継続的なトレーニングが必要です。 TSBを見ると疲労とのバランスがわかる CTLだけを見ていると、「長期的にどれくらい負荷を積んできたか」は分かっても、最近の疲労がどの程度あるかは分かりません。 そこで一緒に見たいのがATLとTSBです。 ATLは、Suuntoでは過去7日間のTSSをもとにした加重平均で、最近のトレーニング負荷や疲労の傾向を表します。 そしてTSBは、 TSB = CTL − ATL という関係で表されます。 TSB 大まかな見方 マイナス 最近の負荷が長期的な負荷より高く、疲労が蓄積している可能性がある 0付近 長期的な負荷と最近の負荷が比較的近い プラス 最近の負荷が低く、疲労が比較的抜けている可能性がある ただし、TSBがプラスなら良く、マイナスなら悪いという意味ではありません。 トレーニングを積んでいる期間にはATLが高まり、TSBがマイナスになることがあります。 逆にレース前のテーパリングではATLが下がり、TSBが上昇することがあります。 重要なのは、数字単体ではなくトレーニングの目的とタイミングを合わせて見ることです。 CTLが上がる・横ばい・下がる意味 CTLで最も重要なのは、現在の数字そのものよりもどの方向へ変化しているかです。 CTLがゆっくり上がっている 長期的なトレーニング負荷が徐々に増えていることを表します。 回復やパフォーマンスに問題がなく、予定通りトレーニングできているなら、トレーニングの土台を積み上げられている可能性があります。 CTLが横ばいになっている 現在のトレーニング負荷をほぼ維持している状態です。 CTLが上がっていないからといって、必ずしもトレーニングが失敗しているわけではありません。 維持期、レース期、調整期などでは意図的にCTLが横ばいになることもあります。 CTLがゆっくり下がっている 最近のトレーニング負荷が以前より少なくなっています。 ただし、CTLが下がる=すぐに体力が落ちるという意味ではありません。 回復週やテーパリングでは、疲労を抜くために意図的にトレーニング負荷を下げます。 その場合はCTLが一時的に下がっても問題ありません。 CTLが急激に上がっている 最近のトレーニング負荷が急速に増えている状態です。 十分に回復できていれば問題にならない場合もありますが、負荷の増加が回復能力を上回ると、 疲労が抜けにくい トレーニングの質が下がる 高強度メニューをこなせなくなる パフォーマンスが低下する といった変化が起こる可能性があります。 CTLでは現在の数字だけでなく、トレーニング負荷がどのように変化しているかを見ることが重要です。 CTLはいくつなら高い?適正値はある? CTLを見ると、「CTLはいくつあれば十分?」「100を目指した方がいい?」と考えたくなるかもしれません。 しかし、すべての人に共通する理想的なCTLはありません。 適切なCTLは、 競技種目 トレーニング経験 目標とする大会 週間トレーニング量 回復能力 生活や仕事によるストレス などによって変わります。 例えば長距離サイクリストと5kmランナーでは、必要となるトレーニング時間も負荷の積み上げ方も大きく異なります。 そのため、他人のCTLを見て「自分も同じ数字まで上げなければ」と考える必要はありません。 見るべきなのは、 「今のCTLを自分は継続できているか?」 「その負荷でパフォーマンスは向上しているか?」 「十分に回復できているか?」 という点です。 CTLを安全に高めるには? CTLを上げるために必要なのは、1回だけ非常にきついトレーニングをすることではありません。 負荷を少しずつ増やしながら、継続することです。 基本的には、 トレーニング量や強度を急激に増やさない 低強度と高強度を目的に合わせて組み合わせる 継続できる週間トレーニング量をつくる 回復日・回復週を入れる 疲労が強い場合は計画を調整する ことが重要です。 CTLの数字だけを上げようとすると、必要以上にトレーニング時間や強度を増やしてしまうことがあります。 CTLは目標ではなく、トレーニングの結果として変化する指標と考えた方がよいでしょう。 Ramp Rateとは? CTLと一緒に覚えておきたい指標がRamp Rateです。 Ramp Rateは、CTLが一定期間でどのくらいの速度で増減しているかを見るための指標です。 例えばCTLが徐々に上がっている場合でも、Ramp Rateを見ることで、負荷がゆっくり増えているのか、急激に増えているのかを確認しやすくなります。 トレーニング計画では「1週間でCTLを何ポイント増やす」といった目安が使われることもありますが、すべてのアスリートに共通する安全なRamp Rateはありません。 トレーニング経験、現在のCTL、睡眠、生活ストレス、過去のケガ、回復状態などによって、無理なく適応できる負荷の増え方は異なります。 Ramp Rateも「高いほど良い数字」ではなく、負荷を急に増やしすぎていないか確認するための補助指標として使いましょう。 回復週やテーパリングでCTLが下がってもいい? はい。CTLが下がること自体は悪いことではありません。 例えばレース前にトレーニング量を減らすテーパリングでは、ATLは比較的早く下がります。 CTLは長期間の負荷を見るため、ATLよりゆっくり変化します。 その結果、疲労を減らしながら、これまで積み上げてきたトレーニングベースをある程度維持した状態でレースへ向かうことができます。 回復週でも同様です。 CTLを下げたくないという理由だけで予定外のトレーニングを追加すると、本来必要だった回復を妨げる可能性があります。 レースで結果を出すことが目的なら、CTLのグラフを右肩上がりに保つこと自体を目的にしないことが重要です。 SuuntoでCTLを確認する方法 対応するSuuntoウォッチとSuuntoアプリでは、CTLを含むトレーニング負荷の推移を確認できます。 動画で見る|Suuntoでトレーニング負荷を確認する方法 CTL・ATL・TSBなど、Suuntoでトレーニング負荷をどのように確認するのかは、動画で見ると画面の流れを理解しやすくなります。 Suuntoアプリで確認する Suuntoアプリでは、ダッシュボードやTraining Zoneの進捗画面から、トレーニング負荷や長期的な傾向を確認できます。 アプリのバージョンによって表示やメニュー名称が変わる場合がありますが、CTLだけでなくATLやTSBと合わせてグラフを見ることで、負荷と疲労の変化を把握しやすくなります。 Suuntoアプリでは、長期的なトレーニング負荷と最近の疲労、フォームの変化を一緒に確認できます。 Suuntoウォッチで確認する 対応するSuuntoウォッチでは、トレーニングや進捗関連のウィジェットから負荷の状態を確認できます。 表示できる項目はモデルによって異なるため、使用しているウォッチのトレーニングウィジェットやユーザーガイドを確認してください。 Suuntoアプリとウォッチを組み合わせると、運動中はウォッチで記録し、長期的なトレーニング傾向はアプリで振り返るという使い方ができます。 Suuntoでトレーニングの進捗を見る具体的な方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。 ▶︎ ランニングのトレーニング負荷を管理する方法|Suuntoアプリとウォッチで疲労・進歩をチェック CTLをトレーニング判断にどう使う? CTLは、数字を記録するだけではなく、次のトレーニングを考えるために使うと役立ちます。 CTLがゆっくり上がり、回復も良い 現在のトレーニング負荷に身体が対応できている可能性があります。 予定しているトレーニングを継続しながら、必要に応じて少しずつ負荷を増やしていきます。 CTLが急上昇し、ATLも高く、TSBが大きく下がっている 最近の負荷が急激に増えている可能性があります。 さらに睡眠の質が落ちている、脚が重い、予定していたペースを維持できないといった変化があれば、トレーニング量や強度を調整する判断材料になります。 CTLが少し下がっているが、身体が軽くなっている 回復週やテーパリングでは自然な変化です。 CTLを維持するためだけに負荷を追加する必要はありません。 CTLだけで判断しない CTLは長期的なトレーニング負荷を見るのに便利ですが、CTLだけでは身体が本当に回復できているかまでは分かりません。 例えば同じCTLでも、睡眠不足が続いている人と十分に休めている人では、トレーニングへの反応が異なる可能性があります。 そのため、CTLと一緒に、 ATL・TSB HRV(心拍変動) 睡眠 安静時心拍数 筋肉痛や脚の重さ 主観的な疲労感 実際のトレーニングパフォーマンス なども確認しましょう。 データはひとつの数字で結論を出すより、複数の指標を組み合わせて「今の自分」を見る方が役立ちます。 回復状態の見方はこちらの記事で詳しく紹介しています。 ▶︎ トレーニング後の回復を確認する4つの方法|HRV・睡眠・負荷・感覚をSuuntoでチェック まとめ|CTLは高さより「推移」を見る CTLは、1回のトレーニング結果ではなく、数週間にわたって積み重ねてきたトレーニング負荷を見るための指標です。 Suuntoでは、過去42日間のTSSをもとにCTLを算出し、長期的なトレーニング負荷の傾向を確認できます。 一方、ATLは直近7日間の負荷を見る指標で、CTLとの差からTSBを確認できます。 覚えておきたいのは、 CTLが高ければ高いほど良いわけではない 理想的なCTLは人によって違う CTLは1回の高負荷トレーニングでは大きく変わらない 急激なCTL上昇には注意する 回復週やテーパリングではCTLが下がっても問題ない ATL・TSB・HRV・睡眠・体感と合わせて見る という点です。 「CTLをどこまで上げるか」ではなく、「自分が回復しながら継続できる負荷はどのくらいか」を見つけること。 それが、CTLをトレーニングに活かすための基本です。 関連記事 トレーニング負荷とは?|フィットネス・疲労・フォームで見る負荷管理の基本 ランニングのトレーニング負荷を管理する方法|Suuntoアプリとウォッチで疲労・進歩をチェック トレーニング後の回復を確認する4つの方法|HRV・睡眠・負荷・感覚をチェック 心拍ゾーンとは?|ゾーン1〜5の意味・計算方法・トレーニングへの使い方 CTL・トレーニング負荷をSuuntoで管理する トレーニングを継続していると、「今日は頑張れたか」だけではなく、数週間にわたって負荷を積み上げられているか、疲労とのバランスが取れているかを見ることが重要になります。 SuuntoのスポーツウォッチとSuuntoアプリを組み合わせれば、日々のトレーニングを記録しながら、CTL・ATL・TSBなどを使って長期的なトレーニング傾向を確認できます。 レースとトレーニングを本格的に管理するならSuunto Race 2 Suunto Race 2は、ランニング、トレイルランニング、サイクリング、トライアスロンなど、継続的にトレーニングするアスリート向けのスポーツウォッチです。 日々の運動記録だけでなく、トレーニング負荷や回復の変化をSuuntoアプリと組み合わせて振り返ることで、次のトレーニングを考えるためのデータとして活用できます。 Suunto Race 2を見る
August 31 2026
Heart Rate Zones: How to Calculate and Train With Them

ランニングの心拍ゾーンとは?ゾーン1〜5の目安・計算方法・使い方

心拍ゾーンとは、心拍数をもとに運動強度をゾーン1〜5などの段階に分けたものです。ランニングやサイクリングでは、「今日は楽な強度で走る」「今日は閾値付近まで負荷を上げる」といったトレーニングの目的に合わせて、心拍ゾーンを使い分けることができます。 ただし、心拍ゾーンは誰にでも同じ数値が当てはまるわけではありません。最大心拍数、安静時心拍数、乳酸閾値心拍数など、どの数値を基準に計算するかによってもゾーンは変わります。 この記事では、心拍ゾーン1〜5の意味、計算方法、自分の心拍ゾーンが合っているか確認する方法をわかりやすく解説します。さらに、手首心拍と心拍ベルトの違いや、Suunto ZoneSenseを使った運動強度の見方についても紹介します。 目次 心拍ゾーンとは? 心拍ゾーン1〜5の意味 ゾーン1|回復・低強度 ゾーン2|有酸素持久力 ゾーン3|テンポ・中強度 ゾーン4|乳酸閾値付近の高強度 ゾーン5|VO2max・高強度 心拍ゾーンの計算方法 最大心拍数を基準に計算する 心拍予備量(HRR)から計算する 乳酸閾値心拍数(LTHR)から設定する デバイスによって心拍ゾーンが違うのはなぜ? 自分の心拍ゾーンが合っているか確認する方法 手首心拍と心拍ベルトはどう使い分ける? 心拍ゾーンとSuunto ZoneSenseの違い まとめ|心拍ゾーンは定期的に見直そう 関連記事 心拍ゾーンとは? 心拍ゾーンとは、1分間の心拍数(bpm)をもとに運動強度をいくつかの範囲へ分けたものです。 持久系スポーツでは、運動強度が低いゾーン1から、最大に近い強度となるゾーン5までの5ゾーンモデルが広く使われています。 運動強度が上がるにつれて、心拍数だけでなく呼吸の速さや身体への負荷も高まっていきます。 そのため心拍ゾーンを見ると、単に「心拍数が150bpmだった」と確認するだけでなく、その日のトレーニング目的に合った強度で運動できているかを判断しやすくなります。 例えばイージーランの日に心拍ゾーン4まで上がっていれば、予定より頑張りすぎている可能性があります。 逆に閾値トレーニングなのにゾーン2のままであれば、狙った負荷まで上げられていない可能性もあります。 心拍ゾーン1〜5の意味 5ゾーンモデルでは、運動強度をゾーン1〜5に分けます。 大まかな特徴を整理すると次のようになります。 心拍ゾーン 強度の目安 主な目的 体感 ゾーン1 とても低い 回復・ウォームアップ 非常に楽 ゾーン2 低い 有酸素持久力 楽に続けられる ゾーン3 中程度 持続的なテンポ走 少しきつい ゾーン4 高い 閾値トレーニング かなりきつい ゾーン5 非常に高い VO2max・高強度インターバル 長時間維持できない 心拍ゾーンを使うと、トレーニング時間を強度別に確認できます。 ゾーン1|回復・低強度 ゾーン1は、ウォームアップ、クールダウン、リカバリーセッションなどで使われる低い運動強度です。 呼吸はとても楽で、身体への負担も比較的小さく、長時間動き続けやすい強度です。 例えば高強度インターバルの翌日に軽く身体を動かしたい場合や、ハードなセッション前後のウォームアップ・クールダウンなどに利用できます。 すべてのトレーニングを「頑張る時間」にする必要はありません。負荷を抑えて身体を動かす時間も、トレーニング全体を組み立てるうえで重要です。 ゾーン2|有酸素持久力 ゾーン2は、ランニングやサイクリングなどの持久系スポーツでよく使われる低強度のトレーニングゾーンです。 呼吸は安定していて、比較的楽に長時間続けられる強度が目安になります。 イージーラン、ロングラン、有酸素ベースをつくるトレーニングなどで利用されます。 継続して取り入れることで、長時間の有酸素運動へ適応するための土台をつくっていきます。 ただし、「ゾーン2なら必ずこの心拍数」という共通の数字があるわけではありません。最大心拍数や安静時心拍数などによって、一人ひとりの範囲は異なります。 ゾーン2だけを詳しく知りたい場合は、こちらの記事で心拍数の目安やトレーニング方法を解説しています。 ▶︎ ゾーン2ランニングとは?心拍数の目安・効果・やり方を初心者向けに解説 ゾーン3|テンポ・中強度 ゾーン3は、ゾーン2よりも明らかに運動強度が高くなる領域です。 呼吸も速くなりますが、一定時間であれば安定したペースを維持できます。 持続走や中強度のランニング、一部のテンポ走などで利用されます。 ランナーにとっては、楽なジョギングより速いペースを一定時間維持する能力を養うトレーニングに使えます。 一方で、毎日のランニングが無意識にこの強度へ入り続けると、「楽な日としては強すぎるけれど、高強度トレーニングとしては十分ではない」という状態になりやすいこともあります。 トレーニングでは、速さだけでなくその日の目的に合った強度になっているかを見ることが大切です。 ゾーン4|乳酸閾値付近の高強度 ゾーン4は、高い運動強度にあたる領域です。 ゾーンモデルによって境界は異なりますが、乳酸閾値付近の強度を含むことがあります。 呼吸はかなり苦しくなり、ゾーン2のように長時間楽に維持することはできません。 主に、 閾値走 高強度のテンポ走 長めのインターバル などで使われます。 この強度のトレーニングでは、高い運動強度を維持する能力を鍛えることが目的になります。 ゾーン5|VO2max・高強度 ゾーン5は、最大心拍数に近い非常に高い運動強度です。 呼吸は非常に激しくなり、長時間維持することは難しくなります。 VO2maxを刺激するインターバルトレーニングや、短い高強度の反復などで使われます。 高いトレーニング刺激を得られる一方で、身体への負荷も大きいため、低強度トレーニングや休養と組み合わせることが重要です。 また、心拍数は運動強度の変化に対して瞬時には反応しません。 非常に短いインターバルでは、すでに全力に近い強度で走っていても、心拍数がゾーン5へ到達する前にインターバルが終わる場合があります。 そのため短時間の高強度トレーニングでは、心拍数だけでなくペース、パワー、体感強度も合わせて判断しましょう。 心拍ゾーンの計算方法 心拍ゾーンの計算方法はひとつではありません。 代表的なのは、次の3つです。 最大心拍数(Max HR)を基準にする 心拍予備量(HRR)を基準にする 乳酸閾値心拍数(LTHR)を基準にする 同じ人でも計算方法が変われば、ゾーンの境界となる心拍数は変わります。 「別のウォッチやアプリに変えたらゾーンが違った」ということがあるのも、このためです。 最大心拍数を基準に計算する もっともシンプルなのが、最大心拍数に対する割合で心拍ゾーンを設定する方法です。 一般的な5ゾーンモデルでは、次のような割合が目安として使われます。 心拍ゾーン 最大心拍数に対する割合の目安 ゾーン1 約50〜60% ゾーン2 約60〜70% ゾーン3 約70〜80% ゾーン4 約80〜90% ゾーン5 約90〜100% 最大心拍数の簡易的な推定方法として、よく知られているのが、 最大心拍数 ≒ 220 − 年齢 という式です。 例えば40歳なら、 220 − 40 = 180bpm となります。 ただし、これはあくまで年齢から推定する簡易式です。 実際の最大心拍数には大きな個人差があり、「220−年齢」が自分の本当の最大心拍数になるとは限りません。 より正確に設定したい場合は、適切なフィールドテストや運動負荷試験などで最大心拍数を確認する方法があります。 心拍予備量(HRR)から計算する 心拍予備量(HRR:Heart Rate Reserve)は、最大心拍数だけでなく安静時心拍数も考慮する方法です。 まず、最大心拍数から安静時心拍数を引きます。 心拍予備量 = 最大心拍数 − 安静時心拍数 例えば、 最大心拍数:190bpm 安静時心拍数:50bpm なら、 190 − 50 = 140bpm が心拍予備量です。 この心拍予備量を使うカルボーネン法では、目標心拍数を次のように計算します。 目標心拍数 = 安静時心拍数 +(運動強度 × 心拍予備量) 例えば70%の運動強度なら、 50 +(0.7 × 140)= 148bpm となります。 最大心拍数だけを使う方法よりも、その人の安静時心拍数を考慮できるのが特徴です。 ただし、最大心拍数や安静時心拍数の設定そのものが実態と大きくずれていれば、そこから計算されるゾーンもずれてしまいます。 乳酸閾値心拍数(LTHR)から設定する もうひとつの方法が、乳酸閾値心拍数(LTHR:Lactate Threshold Heart Rate)を基準に心拍ゾーンを設定する方法です。 乳酸閾値は、運動強度を上げていったときに、血中乳酸の蓄積がそれまでより速く増え始めるポイントのひとつです。 この付近での心拍数を基準にすることで、自分の持続的な高強度運動能力に合わせてゾーンを設定できます。 より厳密に測定するには、運動強度を段階的に上げながら血中乳酸を測定するラボテストなどが利用されます。 フィールドテストから推定する方法もありますが、使用するテストやトレーニングシステムによって計算方法やゾーン境界が異なります。 そのため、最大心拍数方式、HRR方式、LTHR方式の数値を単純に比較して「どれが正しい」と考えるのではなく、どの基準で設定されたゾーンなのかを理解して使うことが大切です。 デバイスによって心拍ゾーンが違うのはなぜ? ウォッチ、アプリ、トレーニングサービスを比較したときに、「同じ自分のデータなのに心拍ゾーンが違う」と感じることがあります。 これは、必ずしもどちらかが間違っているという意味ではありません。 主な理由は3つあります。 1. 心拍ゾーンの計算方法が違う 最大心拍数を基準にするシステムもあれば、HRRや乳酸閾値心拍数を基準にするシステムもあります。 また、同じ5ゾーン方式でも境界となる割合が異なる場合があります。 3ゾーンや4ゾーンなど、そもそも異なるゾーンモデルを使う場合もあります。 2. 最大心拍数・安静時心拍数などの設定が違う 最大心拍数が実際より低く設定されていれば、すべてのゾーンが低い方向へずれます。 逆に最大心拍数が高すぎれば、ゾーンも高い方向へずれます。 HRR方式では、安静時心拍数の設定もゾーン計算へ影響します。 3. 心拍数の測定方法が違う 手首の光学式心拍計と胸に装着する心拍ベルトでは、心拍を測定する仕組みが異なります。 強度が急に変化する場面などでは、測定値の反応速度や安定性に違いが出ることがあります。 つまり、ゾーンの境界が違う場合と、そのゾーンへ当てはめる心拍測定値が違う場合の両方があるということです。 自分の心拍ゾーンが合っているか確認する方法 心拍ゾーンが自分に合っているかどうかは、ウォッチに表示される数字だけでは判断できません。 呼吸、体感強度、継続できる時間、ペースなども一緒に確認することが大切です。 呼吸と体感強度を確認する 例えばウォッチではゾーン2なのに、息が大きく乱れて長時間続けられないのであれば、設定しているゾーンが実際の強度と合っているか確認する価値があります。 逆に、高強度のゾーン4と表示されているにもかかわらず、最初から最後まで非常に楽に運動できる場合も、最大心拍数などの設定を見直してみましょう。 心拍ゾーンは数字だけでなく、「その強度を自分がどう感じているか」とセットで考えると理解しやすくなります。 どれくらいの時間維持できるかを見る ゾーン1やゾーン2のような低強度は、一般的に長時間続けやすい領域です。 一方、ゾーン4やゾーン5になるほど、長時間維持することは難しくなります。 表示されているゾーンと、実際にその強度を維持できる時間が大きく食い違っている状態が続くなら、最大心拍数やゾーン設定を確認してみましょう。 心拍数とペースの変化を見る 心拍数だけでなく、ペースやパワーとの関係を長期的に見ることも役立ちます。 例えば、以前と同じペースをより低い心拍数で走れるようになったり、同じ心拍数でより速く走れるようになったりすれば、有酸素能力が向上している可能性があります。 1回のワークアウトだけで判断するのではなく、トレーニング履歴を継続して見ることがポイントです。 手首心拍と心拍ベルトはどう使い分ける? 多くのSuuntoスポーツウォッチには、手首で心拍数を測定する光学式心拍計が搭載されています。 日常のトレーニングではウォッチだけで心拍数を確認できるため、手軽に心拍ゾーンを利用できます。 一方、胸に装着する心拍ベルトは、心臓の電気信号を検出して心拍を測定します。 特に、 インターバルトレーニングなど強度変化が大きい運動 より安定した心拍データを取りたいとき ZoneSenseを使いたいとき には、心拍ベルトを利用するメリットがあります。 どちらか一方だけが正解ということではありません。 普段のランニングでは手首心拍、より詳しく強度を分析したい日は心拍ベルトというように、目的に応じて使い分けられます。 心拍ゾーンとSuunto ZoneSenseの違い ここで知っておきたいのが、通常の心拍ゾーンとSuunto ZoneSenseの違いです。 心拍ゾーンは、最大心拍数、安静時心拍数、乳酸閾値心拍数などを基準として、あらかじめ設定した心拍数の範囲に現在の心拍数を当てはめます。 言い換えると、心拍ゾーンは「設定した基準に対して、今の心拍数がどこにあるかを見る方法」です。 一方、Suunto ZoneSenseは、心拍ベルトから取得した一拍ごとのR-R間隔を解析し、運動中の身体の反応から強度の変化を捉えます。 例えば同じ150bpmで走っていても、身体の状態が毎日まったく同じとは限りません。 暑い日、疲労が残っている日、長時間運動した後などでは、同じ心拍数でも身体が受けている内部負荷が変化することがあります。 ZoneSenseでは、心拍ベルトから取得したデータをもとに、運動強度を主に次の3つの領域で確認します。 有酸素領域 無酸素領域 VO2max領域 通常の心拍ゾーンとZoneSenseは、どちらか一方を選ぶものではありません。 まず心拍ゾーンを使ってトレーニングの基本的な強度を管理し、さらにその日の身体が実際にどのように反応しているか知りたい場合にZoneSenseを組み合わせる、と考えると分かりやすいでしょう。 ZoneSenseを利用するには、運動中の一拍ごとの心拍間隔を取得できる対応する胸部心拍ベルトが必要です。 詳しい仕組みや使い方はこちらの記事で解説しています。 ▶︎ 心拍ベルトで運動強度がわかる?Suunto ZoneSenseの仕組みと使い方 ▶︎ Suunto ZoneSenseと心拍ベルトの使い方|対応機種・仕組み・よくある質問 まとめ|心拍ゾーンは定期的に見直そう 心拍ゾーンを使うと、ウォッチに表示される心拍数を単なる数字ではなく、トレーニングの目的に合わせて使える運動強度の指標として活用できます。 基本となる5ゾーンモデルでは、 ゾーン1:回復・低強度 ゾーン2:有酸素持久力 ゾーン3:テンポ・中強度 ゾーン4:乳酸閾値付近の高強度 ゾーン5:VO2max・最大に近い高強度 というように、それぞれ異なる役割があります。 ただし、心拍ゾーンは固定された絶対値ではありません。 最大心拍数、安静時心拍数、乳酸閾値、体力レベルなどによって変わり、設定方法によっても境界は異なります。 さらにトレーニングを続けて体力や身体の状態が変化すれば、以前設定したゾーンが今の自分に合わなくなることもあります。 心拍数だけを見るのではなく、呼吸、体感強度、ペース、パワー、トレーニング履歴などと合わせて確認しながら、必要に応じて心拍ゾーンを見直していきましょう。 そして、心拍数という数字だけでは捉えにくい「その日の身体の反応」まで知りたい場合は、心拍ベルトとSuunto ZoneSenseを組み合わせることで、運動強度をさらに深く分析できます。 ç 心拍ゾーンをもっと活用するならSuuntoの心拍計測デバイス 心拍ゾーンをトレーニングに活かすには、まず自分の心拍数を継続して記録することが大切です。 日常のランニングやサイクリングでは、対応するSuuntoウォッチの手首心拍で手軽に強度を確認できます。 さらに、インターバルトレーニングなど強度変化が大きい運動や、より安定した心拍データを取りたいとき、Suunto ZoneSenseを使いたいときは、胸部心拍ベルトを組み合わせるのがおすすめです。 ZoneSenseを使うなら心拍ベルト Suunto ZoneSenseは、一拍ごとのR-R間隔データをもとに運動強度を分析するため、対応する胸部心拍ベルトが必要です。 通常の心拍ゾーンだけでなく、その日の身体が実際にどの強度で動いているかまで確認したい人に向いています。 Suuntoの心拍ベルトを見る 手首心拍でトレーニングを管理するならSuuntoウォッチ 普段のランニングやサイクリングで、心拍ゾーン、トレーニング負荷、回復などをまとめて管理したい場合は、Suuntoのスポーツウォッチが便利です。 ランニング中心ならSuunto Run、トレーニングやレースまで幅広く使いたいならSuunto Race 2など、目的に合わせて選べます。 Suuntoのスポーツウォッチを見る
August 31 2026
Yao Miao — A More Professional Approach

トレイルランニングで速くなるには?トップアスリートYao Miaoの心拍・筋力・登り・下りを鍛えるトレーニング

トレイルランニングで速く、強くなるために必要なのは、ただ走る距離を増やすことではありません。心拍による強度管理、登坂力、筋力、テクニカルな下りへの対応、栄養、回復まで、さまざまな要素を組み合わせることが重要です。 中国を代表するトレイルランナーのひとり、Yao Miaoも、以前は感覚や経験を頼りに走っていました。 しかし現在は、コーチや専門家とともに、ひとつひとつのトレーニングに明確な目的を持たせています。 彼女の考え方を象徴するのが、次の言葉です。 「レースに挑むことでしか、より強い自分には出会えない。」 この記事では、Yao Miaoがどのようにトレーニングを変えてきたのかを通して、トレイルランニングをより計画的に鍛えるためのヒントを紹介します。 目次 「もっと走る」から「より良く鍛える」へ トレランでは複数の能力を鍛える必要がある ペースだけでなく心拍を見る理由 登りはペースだけでは判断できない テクニカルな下りもトレーニングする 筋力トレーニングを走力につなげる 栄養と回復もトレーニングの一部 レースは「答え合わせ」ではなく課題を見つける場所 データは判断を助けるために使う まとめ|ハードに走るより、目的を持って走る 「もっと走る」から「より良く鍛える」へ Yao Miaoは、もともと走る能力に恵まれたアスリートでした。 しかし、トップレベルでさらに成長するためには、「走れる」ということだけでは十分ではありません。 この1年で彼女が大きく変えたのは、トレーニングへの考え方です。 以前は自分の感覚や経験を頼りに走ることが多かったのに対し、現在ではコーチとともに計画を立て、筋力、栄養、回復などの専門家からもサポートを受けています。 目標はトレーニングを厳しくすることではなく、トレーニングの質を高めること。 これはエリートランナーだけの考え方ではありません。 週に数回走る一般のトレイルランナーでも、「今日は何を鍛えるために走るのか」を決めるだけで、練習の意味は変わります。 トレランでは複数の能力を鍛える必要がある ロードランニングに比べ、トレイルランニングでは環境が常に変化します。 急な登り。 長い下り。 岩や木の根。 泥。 標高。 長時間の運動。 そのため、単純に平地で速く走れるだけでは対応できません。 Yaoのトレーニングでは、主に次のような能力をバランスよく鍛えています。 有酸素持久力 登坂力 スピード 脚と体幹の筋力 テクニカルな下りへの対応力 長時間運動のための持久力 栄養と補給 回復 トレイルランニングは、ひとつの能力だけで成立するスポーツではありません。 自分の得意な部分を伸ばしながら、弱点を少しずつ補っていくことが重要です。 ▶︎ トレイルランニングの練習方法|初心者向けトレーニングメニューと大会準備 ペースだけでなく心拍を見る理由 トレーニングを始めたころ、Yaoが主に見ていたのはペースと距離でした。 しかし現在では、心拍数がトレーニングやレース戦略を考えるうえで重要な指標になっています。 トレイルでは、1kmあたりのペースだけで運動強度を判断するのが難しいからです。 例えば平地を6分/kmで走るのと、急な登りを10分/kmで進むのでは、後者の方が心拍数が高くなることがあります。 逆に長い下りではペースが速くても、心肺への負荷より脚への衝撃が大きくなる場合もあります。 そのためYaoは、心拍を使って「どれだけ速く進んでいるか」だけではなく、「身体にどれくらい負荷がかかっているか」を確認します。 感覚は重要です。しかし、疲労やレース中の高揚感によって、自分が感じている強度と実際の負荷がずれることもあります。 心拍データは、その感覚を補うもうひとつのフィードバックになります。 登りはペースだけでは判断できない トレイルランニングで特に心拍が役立つのが登りです。 勾配が急になると、走るスピードが落ちていても運動強度は高くなります。 その状態で「ペースが遅いからもっと頑張ろう」と無理にペースを上げると、レース前半で必要以上にエネルギーを消費してしまうことがあります。 長いトレイルレースでは、登りでどれだけ速く進めるかだけではなく、その後も走り続けられる強度に抑えられるかが重要です。 トレーニングでも、すべての坂を全力で登る必要はありません。 低強度で長く登る日、短い坂で強度を上げる日、パワーハイクを使う日など、目的によって使い分けます。 ▶︎ トレランの登りを速くするには?持久力・筋力・テクニックを鍛える方法 テクニカルな下りもトレーニングする レースでは、登りで大きな差がつくと思われがちです。 しかしトレイルでは、下りの技術もパフォーマンスを左右します。 岩や木の根がある下りでは、心肺能力だけでは速く走れません。 足を置く場所を瞬時に判断する。 身体のバランスを保つ。 スピードをコントロールする。 そして長い下りでも脚を残す。 こうした能力は、ロードでのランニングだけでは十分に鍛えられません。 Yaoのトレーニングでも、テクニカルな下りへの対応は重要な要素のひとつです。 ただし、難しい下りを最初から全力で走る必要はありません。 まずは安全にコントロールできるスピードから始め、地形を読む力や足さばきを少しずつ身につけていきます。 筋力トレーニングを走力につなげる Yaoの現在のトレーニングには、ランニングだけでなく筋力トレーニングも含まれています。 登りでは、一歩ごとに身体を上へ持ち上げる力が必要です。 下りでは、着地の衝撃を脚で受け止め続けます。 さらに不安定な路面では、体幹を使って身体を安定させなければなりません。 そのため、 臀部 大腿四頭筋 ハムストリングス ふくらはぎ 体幹 などをバランスよく鍛えることが重要です。 筋力は、速く走るためだけではなく、レース後半までフォームを保つためにも必要です。 特に長い下りでは、心肺には余裕があっても脚が耐えられなくなることがあります。 走行距離だけではなく、走る身体そのものを作ることもトレーニングの一部です。 栄養と回復もトレーニングの一部 強くなるためには、練習することと同じくらい回復することも重要です。 Yaoは現在、栄養と回復についても専門家のサポートを受けています。 トレーニングによって身体へ刺激を与えても、十分に回復できなければ次の質の高いセッションにつながりません。 特にトレイルランニングでは、距離だけでは負荷を判断しにくい点に注意が必要です。 同じ20kmでも、平坦なロードと累積標高1,500mの山岳コースでは身体への負担が大きく異なります。 走った距離に加えて、 運動時間 累積標高 心拍 トレーニング負荷 睡眠 疲労感 などを見ながら、必要に応じてトレーニングを調整します。 ▶︎ ランニングのトレーニング負荷を管理する方法|疲労・進歩をチェック レースは「答え合わせ」ではなく課題を見つける場所 Yaoにとって、レースは自分の強さを証明するためだけの場所ではありません。 自分に何が足りないのかを見つける場所でもあります。 強いライバルと走る。 苦手な登りに直面する。 予想以上に難しい下りを走る。 補給がうまくいかない。 終盤でペースを維持できない。 レースでは、トレーニングだけでは気づかなかった課題が見えてきます。 そして、その課題を次のトレーニングへ持ち帰ります。 レースを「成功か失敗か」だけで判断するのではなく、次に強くなるための情報を集める機会として考える。 それがYaoの成長を支える考え方です。 データは判断を助けるために使う YaoのトレーニングでSuuntoウォッチが果たしている役割は、答えを決めることではありません。 心拍、ペース、距離、運動時間などのデータを手元で確認し、身体がどう反応しているのかを理解するための材料を増やすことです。 原文で表現されているように、「データは戦略を支え、決断するのはYao自身」です。 これは、一般のランナーがスポーツウォッチを使うときにも大切な考え方です。 数字が高いからもっと走る。 数字が低いから必ず休む。 そう単純に判断するのではなく、身体の感覚や練習の目的と合わせて考えます。 例えば、 今日は低強度で走る予定なのに心拍が高い いつもの登りで以前より余裕がある 数週間トレーニング負荷が上がり続けている レース後半で心拍とペースの関係が変化した といった傾向を振り返ることで、次のトレーニングを考えるヒントになります。 トレイルランニングやレースを中心に、心拍、トレーニング負荷、オフラインマップなどを活用したいランナーには、Suunto Race 2があります。 レースだけでなく日々のトレーニングを継続して記録し、Suuntoアプリと組み合わせて長期的な変化を振り返ることができます。 Suunto Race 2を見る まとめ|ハードに走るより、目的を持って走る Yao Miaoが変えたのは、走ることへの情熱ではありません。 変わったのは、より強くなるためのトレーニング方法です。 ただ距離を増やすのではなく、心拍を確認する。 登りを鍛える。 下りの技術を磨く。 筋力をつける。 栄養と回復を整える。 そしてレースで見つかった課題を、次のトレーニングへ戻す。 こうした一つひとつの積み重ねが、より完成度の高いトレイルランナーを作っていきます。 「今日はどれだけ追い込めたか」ではなく、「今日は何を鍛えることができたか」。 次のトレーニングでは、その視点から自分の走りを振り返ってみてください。
August 26 2026
Toni McCann’s Road Back to Chamonix

Toni McCann、再びシャモニーへ|UTMB CCC 2026に向けて見つめ直した「走る理由」

UTMB OCCで優勝し、CCCでも勝利。それでもトップトレイルランナーのToni McCannは、結果を追い続ける中で「自分はなぜ走るのか」を見つめ直すことになりました。2025年のDNFを経て、2026年、彼女は再びシャモニーのUTMB CCCへ戻ります。 ただし、今回のスタートラインに立つToniは、以前とは少し違います。 「誰かの期待のためではなく、自分のために走る。」 勝利によって生まれた期待。思うような結果にならなかったレース。そして、トレーニングや山で過ごす時間そのものをもう一度楽しむこと。 今回のアスリートインタビューでは、Toni McCannに、シャモニーとの関係、UTMB CCC 2026への準備、回復との向き合い方、そして今の「走る理由」について聞きました。 目次 シャモニーはToniにとってどんな場所? 勝つことで生まれたプレッシャー 2025年のDNFから何を学んだ? なぜ「自分のために走る」と考えるようになった? CCCに向けて、どんなトレーニングをしている? 回復について何を意識している? Suunto Race 2をどう活用している? 2026年、再びCCCへ UTMB・トレイルランニング関連記事 シャモニーはToniにとってどんな場所? シャモニーは、Toni McCannのトレイルランニングキャリアを語るうえで、特別な場所です。 2023年、UTMB World Series FinalsのOCCで優勝。 翌2024年には、より長い距離のCCCへステップアップし、そこでも勝利を収めました。 OCCからCCCへ。 距離が伸び、求められる持久力も変わる中で、2年続けてシャモニーで結果を残しました。 結果だけを見れば、すべてが順調に進んでいるように見えます。 しかしToniにとって、勝利は新しい課題の始まりでもありました。 勝つことで生まれたプレッシャー レースで結果を残すと、次のレースでも結果を期待されるようになります。 「また勝つのではないか」 「今回も表彰台に上がるのではないか」 周囲からの期待だけでなく、自分自身の中にも「結果を出さなければ」という気持ちが生まれます。 Toniも、シャモニーで成功を重ねるにつれて、そのプレッシャーを感じるようになりました。 レースを楽しむことより、「結果を残さなければならない」という感覚が大きくなっていったのです。 トレイルランニングは本来、Toniが好きで続けてきたもの。 山で過ごすこと。 自分の身体を動かすこと。 難しいコースへ挑戦すること。 しかし、競技レベルが高くなるほど、順位や期待がそのシンプルな楽しさを覆ってしまうことがあります。 2025年のDNFから何を学んだ? 2025年、Toniは再びCCCに出場しました。 しかし、この年はフィニッシュラインまでたどり着くことができませんでした。 DNF。 勝利を経験してきたToniにとって、簡単に受け入れられる結果ではなかったはずです。 一方で、その経験によって、結果とは別の問いに向き合うことになりました。 「そもそも、自分はなぜ走っているのだろう?」 レースでは、順位やタイムという明確な結果が残ります。 勝った。 負けた。 完走した。 途中で終えた。 でも、アスリートとして成長する過程は、それだけでは測れません。 レースが思うようにいかなかったからこそ見えてくる課題もあり、その経験が次のトレーニングや考え方を変えることもあります。 UTMBを3度制したCourtney Dauwalterも、長いウルトラレースでは思い通りにいかない時間と向き合いながら前へ進んできました。 ▶︎ Courtney DauwalterがUTMBで歴史的快挙|100マイル3冠への挑戦 なぜ「自分のために走る」と考えるようになった? Toniにとって、この1年は結果へのプレッシャーから少し距離を置き、走ることとの関係を作り直す時間になりました。 彼女が大切にしているのは、シンプルな考え方です。 「誰かの期待のためではなく、自分のために走る。」 これは「結果を気にしない」という意味ではありません。 トップレベルでレースをする以上、もちろん勝利やパフォーマンスは重要です。 でも、結果だけを自分の価値にしない。 トレーニングを楽しむこと。 準備してきた自分を信じること。 山の中で走る時間を楽しむこと。 そして、自分自身が選んだ理由でスタートラインへ立つこと。 2026年のCCCでは、「何かを証明しなければならない」という感覚より、自分自身のために走る自由を大切にしています。 ウルトラランニングでは、身体だけでなくメンタルとの向き合い方も重要になります。 ▶︎ 「Pain Cave」とは?コートニー・ドウォルターに学ぶ、限界で前に進むメンタル CCCに向けて、どんなトレーニングをしている? ToniのUTMB CCCへの準備は、ランニングだけではありません。 現在のトレーニングには、 ランニング 山岳トレイルでのトレーニング 筋力トレーニング サイクリング リカバリー 山で過ごす時間 が組み込まれています。 CCCのような長距離の山岳レースでは、「たくさん走る」だけでは十分ではありません。 長い登りを進む持久力。 下りで繰り返される衝撃に耐える脚。 不整地で身体を安定させる筋力。 何時間も動き続けるための有酸素能力。 そして翌日のトレーニングにつなげる回復力。 複数の能力を組み合わせる必要があります。 Toniが目指しているのは、単純にトレーニングを「もっとハードにする」ことではありません。 CCCというレースに必要な身体を、バランスよく作ることです。 同じSuuntoアスリートのYao Miaoも、走行距離だけに頼るのではなく、心拍、登り、下り、筋力、回復を組み合わせたトレーニングへ移行しています。 ▶︎ トレイルランニングで速くなるには?トップアスリートYao Miaoのトレーニング 回復について何を意識している? この1年でToniが改めて学んだことのひとつが、いつ負荷をかけ、いつ回復するべきかを見極めることです。 トップアスリートでも、毎日同じコンディションではありません。 前日のトレーニング。 睡眠。 疲労。 日常生活でのストレス。 さまざまな要因によって、その日に身体が受け止められる負荷は変わります。 予定表にハードセッションが書かれているからといって、必ずその通りに行うことが最善とは限りません。 逆に、身体が十分回復していれば、質の高いトレーニングへ集中できます。 Toniはパフォーマンスだけを追うのではなく、自分の身体の声を聞きながらトレーニングを調整することも大切にしています。 ▶︎ HRV(心拍変動)とは?回復・トレーニングへの活かし方 Suunto Race 2をどう活用している? Toniのトレーニングとレースを支えているツールのひとつが、Suunto Race 2です。 ウォッチの役割は、「今日どうトレーニングすべきか」をToniの代わりに決めることではありません。 自分の身体とコースについて、判断するための情報を増やすこと。 ToniはHRVに基づく回復データを確認し、身体がどの程度回復しているのかを振り返ります。 トレーニング中やレースでは、心拍数も身体への負荷を確認するための材料になります。 さらにUTMB CCCのように長い登りと下りが続く山岳レースでは、Climb Guidanceを使って、これから待っている登りや下りを把握しながらペースを考えることができます。 特に長距離のレースでは、目の前の1kmだけではなく、数時間先まで考えながら走ることが重要です。 序盤の登りで頑張りすぎれば、後半にその負荷が返ってくることがあります。 逆に、コース全体を把握できれば、「ここは抑える」「この区間から動く」といった判断もしやすくなります。 テクノロジーは情報を示す。決断するのはToni自身。 それが彼女のデータとの向き合い方です。 UTMB Mont-Blancでは、SuuntoアスリートのAbby Hall、Iris Pessey、Dakota Jonesも、それぞれ異なる方法で登り・下りやレース全体のペースを組み立てています。 ▶︎ UTMBをどう走る?Abby、Iris、Dakotaに学ぶトレイルレースのペース戦略 Toniが使用するSuunto Race 2を見る 2026年、再びCCCへ 2026年、Toniは再びシャモニーへ戻ります。 CCCのコースそのものが、彼女のために変わるわけではありません。 同じ山。 同じ長い登り。 同じテクニカルな下り。 そして、同じフィニッシュ地点のシャモニー。 変わったのは、Toni自身と、そのコースとの関係です。 2023年にはOCCで勝ちました。 2024年にはCCCで勝ちました。 2025年にはフィニッシュできませんでした。 そのすべてを経験したうえで、2026年のスタートラインへ立ちます。 以前よりも「何かを証明しなければならない」という気持ちは小さくなりました。 代わりにあるのは、自分のトレーニングを信じ、自分が走りたいと思うレースをすること。 誰かの期待ではなく、自分自身のために。 同じシャモニーへ戻っても、そこを走る理由は変わっています。 結果だけでは測れないもの スポーツでは、結果が分かりやすく残ります。 優勝。 順位。 タイム。 完走。 DNF。 しかし、アスリートの成長をすべてそれだけで説明することはできません。 山で過ごした時間。 一人で積み重ねたトレーニング。 身体の状態を理解すること。 思い通りにならなかったレースから学ぶこと。 そして、なぜこのスポーツを続けたいのかを思い出すこと。 Toni McCannのシャモニーへの帰還は、単なる「再挑戦」ではありません。 結果を追うだけのレースから、自分自身が走りたいと思えるレースへ。 彼女が変えたのはCCCのコースではなく、そこを走る理由でした。 UTMB・トレイルランニング関連記事 Courtney DauwalterがUTMBで歴史的快挙|Western States、Hardrock、UTMBを同一年に制した挑戦 「Pain Cave」とは?|コートニー・ドウォルターに学ぶ、限界で前に進むメンタル UTMBをどう走る?|Abby Hall、Iris Pessey、Dakota Jonesのペース戦略 トレイルランニングで速くなるには?|Yao Miaoのトレーニング Suunto × UTMB World Series|アスリート、レース、トレイルランニング情報を見る
August 26 2026