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テンポ走とは?ペース・心拍数・効果・練習メニューを初心者向けに解説
一見すると、テンポ走はシンプルです。イージーペースより少し速く走るだけ。しかし実際に問われるのは、強度をコントロールする力です。確かなトレーニング刺激が得られるだけの強度を保ちながら、回復に何日も要する全力走は避ける。その絶妙なバランスが欠かせません。トレーニングプランの適切な位置に組み込めば、テンポ走は日々のランニングとレース本番をつなぐ架け橋となり、負荷が高まっても呼吸、フォーム、ペースを崩さず保つ力を養えます。
要点
テンポ走は、「ややきつい」強度を一定時間維持するトレーニングです。
テンポ走の強度は、ペース、自覚的運動強度(RPE)、心拍数を組み合わせて判断します。
走力によって、テンポトレーニングへの適切なアプローチは異なります。
全体的なトレーニング負荷と回復を考慮して、テンポ走を計画しましょう。
Suuntoは、テンポトレーニングの計画、記録、長期的な分析をサポートします。
目次
テンポ走とは?
テンポ走を取り入れるべき理由
テンポ走に適した強度の見つけ方
レベル別:テンポ走のワークアウト例
Suuntoでテンポ走を記録し、レベルアップする方法
FAQ
テンポ走とは?
テンポ走は、「ややきつい」強度を一定時間維持するトレーニングです。イージーランよりも速く、心拍数も高くなります。一方、インターバルトレーニングほど強度は高くなく、短い反復ではなく連続して走ります。
1回の連続した走行として行うことも、複数の長いテンポ区間に分け、その間に短いイージーランを挟むこともできます。テンポ走を決めるのは、特定のペースや時間ではなく、一定した高い負荷を維持することです。
一般的な目安:
強度:乳酸閾値に近い強度
時間:走力に応じて約20~60分
自覚的運動強度(RPE):10段階中7~8
簡単に言えば、テンポ走は「きついが、無理なく維持できる」強度が目安です。明らかなきつさは感じるものの、限界近くまで追い込むことなく、安定したペースと良好なランニングフォームを維持できる程度です。
テンポ走を取り入れるべき理由
テンポ走の最大のメリットは、強度が高い状態でも一定の負荷を維持する力を養えることです。
1. 乳酸閾値の向上
テンポ走は乳酸閾値トレーニングの中心となるメニューで、閾値そのものと、高い強度を持続する能力を高める最も効果的な方法のひとつです。
乳酸閾値とは、運動強度の上昇に伴い、血中乳酸濃度が急激に増え始める強度を指します。テンポトレーニングを継続すると、体が乳酸を処理する能力が向上し、より速いペースで一定の負荷を維持できるようになります。
2. ランニングエコノミーの向上
テンポ走は、一定のペースでどれだけ効率よくエネルギーを使えるかを示すランニングエコノミーの向上にも役立ちます。定期的に高強度で走ることで、体がより速いスピードに適応し、疲労が出てからも効率のよいフォームと安定したペースを保ちやすくなります。
3. レースに必要な持久力の向上
テンポ走を取り入れることで、レースで求められる強度とペースに慣れることができます。ハーフマラソンやマラソンなどの長距離レースに向けて、高い強度を持続するための体づくりができ、疲れてからもペースと負荷を維持する力が身につきます。トレーニングプランによってはレースペース走と組み合わせることもできますが、両者は同じものではありません。
4. メンタルの強化
テンポ走で鍛えられるのは脚だけではありません。疲労や不快感に耐える力も高められます。高い強度を長時間維持するには、疲労が徐々に蓄積するなかでも、ペースと負荷をコントロールし続ける必要があります。
テンポ走に適した強度の見つけ方
適切な強度設定こそが、テンポ走の効果を左右します。楽すぎると、体の適応を促すのに十分な刺激を得られません。反対に、強度が高すぎるとインターバルトレーニングになり、それに伴って疲労や回復の負担も大きくなります。
強度を判断する一般的な3つの指標は、ペース、自覚的運動強度(RPE)、心拍ゾーンです。どれかひとつだけに頼らず、組み合わせて活用しましょう。
1. ペース
ペースはテンポ走中のスピード管理に役立ちますが、すべてのランナーに当てはまる単一のテンポペースはありません。
適切なテンポペースは、走力、レース実績、地形、天候、その日のコンディションによって変わります。ランナーが違えばペースも異なり、同じランナーでも条件によって調整が必要です。
ペースは運動の出力を示す外的な指標として捉え、RPEや心拍数とあわせて確認し、狙った強度でトレーニングできているかを判断しましょう。
2. 自覚的運動強度(RPE)
RPEは、運動をどの程度きつく感じるかによって強度を判断する指標です。
一般的な0~10のスケールでは、次のように表します。
0:まったく負荷を感じない
1~2:非常に楽で、ほとんど負担を感じない
3~4:楽で、無理なく会話ができる
5~6:中程度の負荷で、トレーニングのきつさをはっきり感じる
7~8:きつく、ペースを維持するには集中が必要
9:非常にきつく、最大努力に近い
10:最大努力で、長時間の維持は不可能
テンポ走の目安は、通常10段階中RPE 7~8です。この強度では呼吸が明らかに速くなります。普通に会話するのは難しいものの、短い言葉なら交わせる程度です。
3. 心拍ゾーン
心拍数は、ペースだけを見るよりも、体にかかっている負荷を直接把握しやすいため、テンポ走中の有効な指標になります。
トレーニング理論によっては、テンポ走の強度を最大心拍数の約85~90%としていますが、正確な範囲は理論や個人によって異なります。ゾーンモデルごとに境界の設定が異なるため、テンポ走を単に ゾーン3またはゾーン4と定義するのは適切ではありません。
最大心拍数に対する割合は、あくまで一般的な目安です。ゾーンモデルが異なれば、設定されるトレーニングゾーンも変わります。Suuntoでは、自分のデータに基づいて心拍ゾーンを設定できるため、テンポ走中のリアルタイム心拍数から強度を判断できます。
レベル別:テンポ走のワークアウト例
以下はワークアウトの一例です。実際のテンポ走の強度は、自分のペース、RPE、目標心拍ゾーンに基づいて設定してください。
1. 初級:短いテンポインターバル
テンポトレーニングを初めて行うランナーは、短いテンポ区間の間にイージーランを挟むメニューから始めるのがおすすめです。
例:
イージーラン5分でウォームアップ
テンポ走3分の後にイージーラン1分。これを2回繰り返す
イージーラン5~10分でクールダウン
この構成なら、初級者でもテンポ走の強度感覚をつかみやすくなります。体が慣れてきたら、反復回数を徐々に増やしていきましょう。
2. 中級:より長いテンポ区間
短いテンポ区間を無理なくこなせるようになったら、各区間の時間を延ばします。
例:
イージーラン15~20分でウォームアップ
テンポ走15~30分
イージーラン10~15分でクールダウン
短いインターバルと比べて、一定の強度をより長く保つ必要があるため、持続力の向上に重点を置いたメニューです。
3. 上級:連続テンポ走
十分な持久力の土台があり、テンポトレーニングの経験を積んだランナーは、ひとつの長い連続区間を通して一定の負荷を維持することに取り組みましょう。
例:
イージーラン15分でウォームアップ
連続テンポ走30~40分
イージーラン10~15分でクールダウン
ハーフマラソンやマラソンのトレーニングでは、長めのテンポ走は、高い強度を持続するための準備となるレース特化型のセッションです。McMillanも、ハーフマラソンのトレーニングガイドで、15~40分の連続テンポ走を乳酸閾値トレーニングのひとつとして紹介しています。
ヒント:テンポ走の負荷は段階的に高めていきましょう。余裕を持ってこなせるようになったら、テンポ区間を延ばす、インターバル間のリカバリーを短くする、より長い連続走へ移行する、といった方法があります。目標強度を維持するのが難しい場合や、後半にペースが明らかに落ちる場合は、テンポ区間を短くするか、リカバリーを長くしてから次の段階へ進みましょう。
Suuntoでテンポ走を記録し、レベルアップする方法
Suuntoスポーツウォッチは、ワークアウトの計画からランニング中のガイド、終了後の振り返りまで、テンポトレーニングを一貫してサポートします。
1. ランニング前
ワークアウトを作成し、目標ゾーンを設定
構造化ワークアウトに対応するSuuntoウォッチでは、Suuntoアプリでセッションを作成し、ウォッチに同期できます。一部のモデルでは、ウォッチ上でシンプルな構造化ワークアウトを作成することもできます。たとえば、次のように設定します。
15分間のウォームアップ
目標心拍ゾーンを設定した30分間のテンポ走
必要に応じて反復回数とワークアウトのステップを設定
10分間のクールダウン
セッション中は、ウォッチが各ステップを案内し、目標強度の維持をサポートします。
2. ランニング中
テンポ走中、Suuntoはトレーニングデータをリアルタイムで記録します。
心拍数
目標トレーニングゾーンを維持できているか確認しましょう。十分なトレーニング刺激を得られる強度を保ちながら、インターバルトレーニングの領域まで上がりすぎないようコントロールできます。
ペースと距離
セッションの目的に沿って、ペースを一定に保てているか確認します。テンポ走の基本は、安定した負荷を維持することです。そのため、ペースを整えることが重要になります。疲労によって途中で切り上げるのではなく、計画どおりにワークアウトを終えることを目指しましょう。
3. ランニング後
ランニング後は、Suuntoで以下の項目を振り返ることができます。
トレーニング負荷
テンポ走が全体のトレーニング負荷にどのような影響を与えたかを確認できます。効果的な刺激を保ちながら、今後のセッションに影響する前に負荷の急増を把握できます。
長期的な進捗
CTL、ATL、TSB、VO₂ maxを記録することで、トレーニング負荷、トレーニングステータス、有酸素能力が時間とともにどう変化しているかを把握できます。
Suuntoアプリと対応するウォッチでは、トレーニング履歴や傾向を含む長期的なトレーニングデータを確認できます。
必要なリカバリー
テンポ走後に必要なリカバリーは、睡眠、HRV、トレーニングによる疲労、その日のコンディションによって変わります。Suuntoアプリとウォッチはリカバリー状態の把握に役立ちます。次のセッションを予定どおり行うか、強度を下げて回復時間を増やすかを判断できます。
リカバリーについて詳しくはこちら。
適切な強度を見つけ、走力の変化に合わせてトレーニング量を調整することが、テンポ走を長期的な目標につなげる鍵です。トレーニング強度、体からのフィードバック、長期的なデータを組み合わせて読み解けば、テンポ走は単なる速めのランニングではなくなります。目的が明確で、変化に対応できるトレーニングプランの一部になるのです。
FAQ
5km向けのテンポ走とは?
5kmランナーの場合、テンポペースは通常、5kmのレースペースより遅く、かつ十分なトレーニング刺激を得られる強度に設定し、一般的に20~40分間維持します。正確なペースは自分の走力に基づいて決め、心拍数や体感とあわせて10段階中RPE 7~8を目安にしましょう。
20分間のテンポ走でも効果はある?
はい。
20分間のテンポ走は、定番のワークアウト形式です。初級者にとっては、20分でも十分に効果的なトレーニング刺激が得られます。より上級のランナーは30~40分に延ばすか、長めのテンポインターバルに移行できます。
3:2:1テンポ走とは?
3:2:1テンポ走とは、通常3分、2分、1分と長さの異なる区間で構成し、区間ごとに強度を上げていくビルドアップ型のテンポワークアウトです。ペースコントロールを身につけ、疲労が蓄積するなかでも高い負荷を維持するための効果的な練習になります。
テンポ走でVO₂ maxは向上する?
テンポ走はVO₂ maxの向上にも貢献しますが、最大酸素摂取量を高めるための中心的なトレーニングではありません。VO₂ maxの向上には、主に高強度インターバルトレーニングや、VO₂ maxに近い強度での反復走が有効です。
テンポ走の主な効果は、乳酸閾値、有酸素持久力、高い強度を持続する能力の向上です。
CTLとは?トレーニング負荷・疲労・回復をどう見るか|ATL・TSBも解説
CTLとは、数週間にわたって積み重ねてきたトレーニング負荷を表す指標です。ランニングやサイクリング、トライアスロンなどの持久系スポーツでは、1回の練習だけでなく、「最近どれくらい継続してトレーニングできているか」を見ることが重要です。
Suuntoでは、CTL(Chronic Training Load:慢性トレーニング負荷)を使って、長期的なトレーニング負荷の変化を確認できます。
ただし、CTLは高ければ高いほど良い数字ではありません。
大切なのは、自分が回復できる範囲で負荷を積み重ね、その傾向をATLやTSB、HRV、睡眠、体感などと一緒に見ることです。
この記事では、CTLとは何か、TSS・ATL・TSBとの違い、CTLが上がる・下がる意味、トレーニングでの活用方法をわかりやすく解説します。
目次
CTLとは?
CTLは「体力そのもの」ではない
TSS・CTL・ATL・TSBの違い
CTLはどう計算される?
TSBを見ると疲労とのバランスがわかる
CTLが上がる・横ばい・下がる意味
CTLはいくつなら高い?適正値はある?
CTLを安全に高めるには?
Ramp Rateとは?
回復週やテーパリングでCTLが下がってもいい?
SuuntoでCTLを確認する方法
CTLをトレーニング判断にどう使う?
CTLだけで判断しない
まとめ|CTLは高さより「推移」を見る
関連記事
CTL・トレーニング負荷をSuuntoで管理する
CTLとは?
CTLは「Chronic Training Load」の略で、日本語では慢性トレーニング負荷と呼ばれます。
簡単に言えば、数週間にわたって積み重ねてきたトレーニング負荷を見るための指標です。
例えば、1回だけ強度の高いランニングをしても、CTLは急激には上がりません。
一方で、適切な負荷のトレーニングを何週間も継続すると、CTLは徐々に上昇していきます。
そのためCTLを見ると、
最近トレーニングを継続できているか
長期的な負荷が増えているか
トレーニング量が減っているか
負荷を急に増やしすぎていないか
といった傾向を把握しやすくなります。
CTLは「体力そのもの」ではない
CTLはSuuntoのトレーニング分析ではフィットネスの傾向を理解するために使われますが、ここで注意したいことがあります。
CTLそのものが、走力や体力を直接測定しているわけではありません。
CTLが表しているのは、これまでに蓄積してきたトレーニング負荷です。
例えば2人のランナーが同じCTLだったとしても、同じマラソンタイムで走れるとは限りません。
トレーニング内容、競技歴、年齢、体質、回復能力、ランニング効率などは人によって異なるからです。
CTLは「自分がどれだけ強いかを他人と比べる数字」ではなく、自分自身のトレーニングが数週間〜数か月でどう変化しているかを見る数字として使うと理解しやすくなります。
TSS・CTL・ATL・TSBの違い
CTLを理解するには、TSS・ATL・TSBとの関係を知っておくと分かりやすくなります。
指標
意味
見るポイント
TSS
1回のトレーニング負荷
今日の運動がどれくらい負荷になったか
CTL
長期的なトレーニング負荷
数週間にわたって負荷を積み上げられているか
ATL
短期的なトレーニング負荷
最近どれくらい疲労が蓄積しているか
TSB
CTLとATLのバランス
長期的な負荷に対して最近の疲労がどの程度あるか
イメージすると、
TSS=今日の負荷
ATL=最近の疲労
CTL=長期的な積み上げ
TSB=積み上げと最近の疲労のバランス
という関係です。
トレーニング負荷全体の仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶︎ トレーニング負荷とは?フィットネス・疲労・フォームで見る負荷管理の基本
CTLはどう計算される?
Suuntoでは、CTLを過去42日間のTSSをもとにした加重平均として扱います。
単純に42日分を足して42で割る平均ではなく、最近のトレーニングほど影響が大きくなるように計算されます。
TSS(Training Stress Score)は、運動時間と強度などをもとに、1回のトレーニングで身体にかかった負荷を数値化する考え方です。
例えば、
長時間の低強度ランニング
短時間の高強度インターバル
はまったく違うトレーニングですが、結果として近いTSSになる場合があります。
そのTSSを日々積み重ねた長期的な傾向を見るのがCTLです。
42日という長い期間を見るため、1回だけ非常にきついトレーニングをしてもCTLはそれほど大きく変わりません。
逆に言えば、CTLを高めるには継続的なトレーニングが必要です。
TSBを見ると疲労とのバランスがわかる
CTLだけを見ていると、「長期的にどれくらい負荷を積んできたか」は分かっても、最近の疲労がどの程度あるかは分かりません。
そこで一緒に見たいのがATLとTSBです。
ATLは、Suuntoでは過去7日間のTSSをもとにした加重平均で、最近のトレーニング負荷や疲労の傾向を表します。
そしてTSBは、
TSB = CTL − ATL
という関係で表されます。
TSB
大まかな見方
マイナス
最近の負荷が長期的な負荷より高く、疲労が蓄積している可能性がある
0付近
長期的な負荷と最近の負荷が比較的近い
プラス
最近の負荷が低く、疲労が比較的抜けている可能性がある
ただし、TSBがプラスなら良く、マイナスなら悪いという意味ではありません。
トレーニングを積んでいる期間にはATLが高まり、TSBがマイナスになることがあります。
逆にレース前のテーパリングではATLが下がり、TSBが上昇することがあります。
重要なのは、数字単体ではなくトレーニングの目的とタイミングを合わせて見ることです。
CTLが上がる・横ばい・下がる意味
CTLで最も重要なのは、現在の数字そのものよりもどの方向へ変化しているかです。
CTLがゆっくり上がっている
長期的なトレーニング負荷が徐々に増えていることを表します。
回復やパフォーマンスに問題がなく、予定通りトレーニングできているなら、トレーニングの土台を積み上げられている可能性があります。
CTLが横ばいになっている
現在のトレーニング負荷をほぼ維持している状態です。
CTLが上がっていないからといって、必ずしもトレーニングが失敗しているわけではありません。
維持期、レース期、調整期などでは意図的にCTLが横ばいになることもあります。
CTLがゆっくり下がっている
最近のトレーニング負荷が以前より少なくなっています。
ただし、CTLが下がる=すぐに体力が落ちるという意味ではありません。
回復週やテーパリングでは、疲労を抜くために意図的にトレーニング負荷を下げます。
その場合はCTLが一時的に下がっても問題ありません。
CTLが急激に上がっている
最近のトレーニング負荷が急速に増えている状態です。
十分に回復できていれば問題にならない場合もありますが、負荷の増加が回復能力を上回ると、
疲労が抜けにくい
トレーニングの質が下がる
高強度メニューをこなせなくなる
パフォーマンスが低下する
といった変化が起こる可能性があります。
CTLでは現在の数字だけでなく、トレーニング負荷がどのように変化しているかを見ることが重要です。
CTLはいくつなら高い?適正値はある?
CTLを見ると、「CTLはいくつあれば十分?」「100を目指した方がいい?」と考えたくなるかもしれません。
しかし、すべての人に共通する理想的なCTLはありません。
適切なCTLは、
競技種目
トレーニング経験
目標とする大会
週間トレーニング量
回復能力
生活や仕事によるストレス
などによって変わります。
例えば長距離サイクリストと5kmランナーでは、必要となるトレーニング時間も負荷の積み上げ方も大きく異なります。
そのため、他人のCTLを見て「自分も同じ数字まで上げなければ」と考える必要はありません。
見るべきなのは、
「今のCTLを自分は継続できているか?」
「その負荷でパフォーマンスは向上しているか?」
「十分に回復できているか?」
という点です。
CTLを安全に高めるには?
CTLを上げるために必要なのは、1回だけ非常にきついトレーニングをすることではありません。
負荷を少しずつ増やしながら、継続することです。
基本的には、
トレーニング量や強度を急激に増やさない
低強度と高強度を目的に合わせて組み合わせる
継続できる週間トレーニング量をつくる
回復日・回復週を入れる
疲労が強い場合は計画を調整する
ことが重要です。
CTLの数字だけを上げようとすると、必要以上にトレーニング時間や強度を増やしてしまうことがあります。
CTLは目標ではなく、トレーニングの結果として変化する指標と考えた方がよいでしょう。
Ramp Rateとは?
CTLと一緒に覚えておきたい指標がRamp Rateです。
Ramp Rateは、CTLが一定期間でどのくらいの速度で増減しているかを見るための指標です。
例えばCTLが徐々に上がっている場合でも、Ramp Rateを見ることで、負荷がゆっくり増えているのか、急激に増えているのかを確認しやすくなります。
トレーニング計画では「1週間でCTLを何ポイント増やす」といった目安が使われることもありますが、すべてのアスリートに共通する安全なRamp Rateはありません。
トレーニング経験、現在のCTL、睡眠、生活ストレス、過去のケガ、回復状態などによって、無理なく適応できる負荷の増え方は異なります。
Ramp Rateも「高いほど良い数字」ではなく、負荷を急に増やしすぎていないか確認するための補助指標として使いましょう。
回復週やテーパリングでCTLが下がってもいい?
はい。CTLが下がること自体は悪いことではありません。
例えばレース前にトレーニング量を減らすテーパリングでは、ATLは比較的早く下がります。
CTLは長期間の負荷を見るため、ATLよりゆっくり変化します。
その結果、疲労を減らしながら、これまで積み上げてきたトレーニングベースをある程度維持した状態でレースへ向かうことができます。
回復週でも同様です。
CTLを下げたくないという理由だけで予定外のトレーニングを追加すると、本来必要だった回復を妨げる可能性があります。
レースで結果を出すことが目的なら、CTLのグラフを右肩上がりに保つこと自体を目的にしないことが重要です。
SuuntoでCTLを確認する方法
対応するSuuntoウォッチとSuuntoアプリでは、CTLを含むトレーニング負荷の推移を確認できます。
動画で見る|Suuntoでトレーニング負荷を確認する方法
CTL・ATL・TSBなど、Suuntoでトレーニング負荷をどのように確認するのかは、動画で見ると画面の流れを理解しやすくなります。
Suuntoアプリで確認する
Suuntoアプリでは、ダッシュボードやTraining Zoneの進捗画面から、トレーニング負荷や長期的な傾向を確認できます。
アプリのバージョンによって表示やメニュー名称が変わる場合がありますが、CTLだけでなくATLやTSBと合わせてグラフを見ることで、負荷と疲労の変化を把握しやすくなります。
Suuntoアプリでは、長期的なトレーニング負荷と最近の疲労、フォームの変化を一緒に確認できます。
Suuntoウォッチで確認する
対応するSuuntoウォッチでは、トレーニングや進捗関連のウィジェットから負荷の状態を確認できます。
表示できる項目はモデルによって異なるため、使用しているウォッチのトレーニングウィジェットやユーザーガイドを確認してください。
Suuntoアプリとウォッチを組み合わせると、運動中はウォッチで記録し、長期的なトレーニング傾向はアプリで振り返るという使い方ができます。
Suuntoでトレーニングの進捗を見る具体的な方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。
▶︎ ランニングのトレーニング負荷を管理する方法|Suuntoアプリとウォッチで疲労・進歩をチェック
CTLをトレーニング判断にどう使う?
CTLは、数字を記録するだけではなく、次のトレーニングを考えるために使うと役立ちます。
CTLがゆっくり上がり、回復も良い
現在のトレーニング負荷に身体が対応できている可能性があります。
予定しているトレーニングを継続しながら、必要に応じて少しずつ負荷を増やしていきます。
CTLが急上昇し、ATLも高く、TSBが大きく下がっている
最近の負荷が急激に増えている可能性があります。
さらに睡眠の質が落ちている、脚が重い、予定していたペースを維持できないといった変化があれば、トレーニング量や強度を調整する判断材料になります。
CTLが少し下がっているが、身体が軽くなっている
回復週やテーパリングでは自然な変化です。
CTLを維持するためだけに負荷を追加する必要はありません。
CTLだけで判断しない
CTLは長期的なトレーニング負荷を見るのに便利ですが、CTLだけでは身体が本当に回復できているかまでは分かりません。
例えば同じCTLでも、睡眠不足が続いている人と十分に休めている人では、トレーニングへの反応が異なる可能性があります。
そのため、CTLと一緒に、
ATL・TSB
HRV(心拍変動)
睡眠
安静時心拍数
筋肉痛や脚の重さ
主観的な疲労感
実際のトレーニングパフォーマンス
なども確認しましょう。
データはひとつの数字で結論を出すより、複数の指標を組み合わせて「今の自分」を見る方が役立ちます。
回復状態の見方はこちらの記事で詳しく紹介しています。
▶︎ トレーニング後の回復を確認する4つの方法|HRV・睡眠・負荷・感覚をSuuntoでチェック
まとめ|CTLは高さより「推移」を見る
CTLは、1回のトレーニング結果ではなく、数週間にわたって積み重ねてきたトレーニング負荷を見るための指標です。
Suuntoでは、過去42日間のTSSをもとにCTLを算出し、長期的なトレーニング負荷の傾向を確認できます。
一方、ATLは直近7日間の負荷を見る指標で、CTLとの差からTSBを確認できます。
覚えておきたいのは、
CTLが高ければ高いほど良いわけではない
理想的なCTLは人によって違う
CTLは1回の高負荷トレーニングでは大きく変わらない
急激なCTL上昇には注意する
回復週やテーパリングではCTLが下がっても問題ない
ATL・TSB・HRV・睡眠・体感と合わせて見る
という点です。
「CTLをどこまで上げるか」ではなく、「自分が回復しながら継続できる負荷はどのくらいか」を見つけること。
それが、CTLをトレーニングに活かすための基本です。
関連記事
トレーニング負荷とは?|フィットネス・疲労・フォームで見る負荷管理の基本
ランニングのトレーニング負荷を管理する方法|Suuntoアプリとウォッチで疲労・進歩をチェック
トレーニング後の回復を確認する4つの方法|HRV・睡眠・負荷・感覚をチェック
心拍ゾーンとは?|ゾーン1〜5の意味・計算方法・トレーニングへの使い方
CTL・トレーニング負荷をSuuntoで管理する
トレーニングを継続していると、「今日は頑張れたか」だけではなく、数週間にわたって負荷を積み上げられているか、疲労とのバランスが取れているかを見ることが重要になります。
SuuntoのスポーツウォッチとSuuntoアプリを組み合わせれば、日々のトレーニングを記録しながら、CTL・ATL・TSBなどを使って長期的なトレーニング傾向を確認できます。
レースとトレーニングを本格的に管理するならSuunto Race 2
Suunto Race 2は、ランニング、トレイルランニング、サイクリング、トライアスロンなど、継続的にトレーニングするアスリート向けのスポーツウォッチです。
日々の運動記録だけでなく、トレーニング負荷や回復の変化をSuuntoアプリと組み合わせて振り返ることで、次のトレーニングを考えるためのデータとして活用できます。
Suunto Race 2を見る
ランニングの心拍ゾーンとは?ゾーン1〜5の目安・計算方法・使い方
心拍ゾーンとは、心拍数をもとに運動強度をゾーン1〜5などの段階に分けたものです。ランニングやサイクリングでは、「今日は楽な強度で走る」「今日は閾値付近まで負荷を上げる」といったトレーニングの目的に合わせて、心拍ゾーンを使い分けることができます。
ただし、心拍ゾーンは誰にでも同じ数値が当てはまるわけではありません。最大心拍数、安静時心拍数、乳酸閾値心拍数など、どの数値を基準に計算するかによってもゾーンは変わります。
この記事では、心拍ゾーン1〜5の意味、計算方法、自分の心拍ゾーンが合っているか確認する方法をわかりやすく解説します。さらに、手首心拍と心拍ベルトの違いや、Suunto ZoneSenseを使った運動強度の見方についても紹介します。
目次
心拍ゾーンとは?
心拍ゾーン1〜5の意味
ゾーン1|回復・低強度
ゾーン2|有酸素持久力
ゾーン3|テンポ・中強度
ゾーン4|乳酸閾値付近の高強度
ゾーン5|VO2max・高強度
心拍ゾーンの計算方法
最大心拍数を基準に計算する
心拍予備量(HRR)から計算する
乳酸閾値心拍数(LTHR)から設定する
デバイスによって心拍ゾーンが違うのはなぜ?
自分の心拍ゾーンが合っているか確認する方法
手首心拍と心拍ベルトはどう使い分ける?
心拍ゾーンとSuunto ZoneSenseの違い
まとめ|心拍ゾーンは定期的に見直そう
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心拍ゾーンとは?
心拍ゾーンとは、1分間の心拍数(bpm)をもとに運動強度をいくつかの範囲へ分けたものです。
持久系スポーツでは、運動強度が低いゾーン1から、最大に近い強度となるゾーン5までの5ゾーンモデルが広く使われています。
運動強度が上がるにつれて、心拍数だけでなく呼吸の速さや身体への負荷も高まっていきます。
そのため心拍ゾーンを見ると、単に「心拍数が150bpmだった」と確認するだけでなく、その日のトレーニング目的に合った強度で運動できているかを判断しやすくなります。
例えばイージーランの日に心拍ゾーン4まで上がっていれば、予定より頑張りすぎている可能性があります。
逆に閾値トレーニングなのにゾーン2のままであれば、狙った負荷まで上げられていない可能性もあります。
心拍ゾーン1〜5の意味
5ゾーンモデルでは、運動強度をゾーン1〜5に分けます。
大まかな特徴を整理すると次のようになります。
心拍ゾーン
強度の目安
主な目的
体感
ゾーン1
とても低い
回復・ウォームアップ
非常に楽
ゾーン2
低い
有酸素持久力
楽に続けられる
ゾーン3
中程度
持続的なテンポ走
少しきつい
ゾーン4
高い
閾値トレーニング
かなりきつい
ゾーン5
非常に高い
VO2max・高強度インターバル
長時間維持できない
心拍ゾーンを使うと、トレーニング時間を強度別に確認できます。
ゾーン1|回復・低強度
ゾーン1は、ウォームアップ、クールダウン、リカバリーセッションなどで使われる低い運動強度です。
呼吸はとても楽で、身体への負担も比較的小さく、長時間動き続けやすい強度です。
例えば高強度インターバルの翌日に軽く身体を動かしたい場合や、ハードなセッション前後のウォームアップ・クールダウンなどに利用できます。
すべてのトレーニングを「頑張る時間」にする必要はありません。負荷を抑えて身体を動かす時間も、トレーニング全体を組み立てるうえで重要です。
ゾーン2|有酸素持久力
ゾーン2は、ランニングやサイクリングなどの持久系スポーツでよく使われる低強度のトレーニングゾーンです。
呼吸は安定していて、比較的楽に長時間続けられる強度が目安になります。
イージーラン、ロングラン、有酸素ベースをつくるトレーニングなどで利用されます。
継続して取り入れることで、長時間の有酸素運動へ適応するための土台をつくっていきます。
ただし、「ゾーン2なら必ずこの心拍数」という共通の数字があるわけではありません。最大心拍数や安静時心拍数などによって、一人ひとりの範囲は異なります。
ゾーン2だけを詳しく知りたい場合は、こちらの記事で心拍数の目安やトレーニング方法を解説しています。
▶︎ ゾーン2ランニングとは?心拍数の目安・効果・やり方を初心者向けに解説
ゾーン3|テンポ・中強度
ゾーン3は、ゾーン2よりも明らかに運動強度が高くなる領域です。
呼吸も速くなりますが、一定時間であれば安定したペースを維持できます。
持続走や中強度のランニング、一部のテンポ走などで利用されます。
ランナーにとっては、楽なジョギングより速いペースを一定時間維持する能力を養うトレーニングに使えます。
一方で、毎日のランニングが無意識にこの強度へ入り続けると、「楽な日としては強すぎるけれど、高強度トレーニングとしては十分ではない」という状態になりやすいこともあります。
トレーニングでは、速さだけでなくその日の目的に合った強度になっているかを見ることが大切です。
ゾーン4|乳酸閾値付近の高強度
ゾーン4は、高い運動強度にあたる領域です。
ゾーンモデルによって境界は異なりますが、乳酸閾値付近の強度を含むことがあります。
呼吸はかなり苦しくなり、ゾーン2のように長時間楽に維持することはできません。
主に、
閾値走
高強度のテンポ走
長めのインターバル
などで使われます。
この強度のトレーニングでは、高い運動強度を維持する能力を鍛えることが目的になります。
ゾーン5|VO2max・高強度
ゾーン5は、最大心拍数に近い非常に高い運動強度です。
呼吸は非常に激しくなり、長時間維持することは難しくなります。
VO2maxを刺激するインターバルトレーニングや、短い高強度の反復などで使われます。
高いトレーニング刺激を得られる一方で、身体への負荷も大きいため、低強度トレーニングや休養と組み合わせることが重要です。
また、心拍数は運動強度の変化に対して瞬時には反応しません。
非常に短いインターバルでは、すでに全力に近い強度で走っていても、心拍数がゾーン5へ到達する前にインターバルが終わる場合があります。
そのため短時間の高強度トレーニングでは、心拍数だけでなくペース、パワー、体感強度も合わせて判断しましょう。
心拍ゾーンの計算方法
心拍ゾーンの計算方法はひとつではありません。
代表的なのは、次の3つです。
最大心拍数(Max HR)を基準にする
心拍予備量(HRR)を基準にする
乳酸閾値心拍数(LTHR)を基準にする
同じ人でも計算方法が変われば、ゾーンの境界となる心拍数は変わります。
「別のウォッチやアプリに変えたらゾーンが違った」ということがあるのも、このためです。
最大心拍数を基準に計算する
もっともシンプルなのが、最大心拍数に対する割合で心拍ゾーンを設定する方法です。
一般的な5ゾーンモデルでは、次のような割合が目安として使われます。
心拍ゾーン
最大心拍数に対する割合の目安
ゾーン1
約50〜60%
ゾーン2
約60〜70%
ゾーン3
約70〜80%
ゾーン4
約80〜90%
ゾーン5
約90〜100%
最大心拍数の簡易的な推定方法として、よく知られているのが、
最大心拍数 ≒ 220 − 年齢
という式です。
例えば40歳なら、
220 − 40 = 180bpm
となります。
ただし、これはあくまで年齢から推定する簡易式です。
実際の最大心拍数には大きな個人差があり、「220−年齢」が自分の本当の最大心拍数になるとは限りません。
より正確に設定したい場合は、適切なフィールドテストや運動負荷試験などで最大心拍数を確認する方法があります。
心拍予備量(HRR)から計算する
心拍予備量(HRR:Heart Rate Reserve)は、最大心拍数だけでなく安静時心拍数も考慮する方法です。
まず、最大心拍数から安静時心拍数を引きます。
心拍予備量 = 最大心拍数 − 安静時心拍数
例えば、
最大心拍数:190bpm
安静時心拍数:50bpm
なら、
190 − 50 = 140bpm
が心拍予備量です。
この心拍予備量を使うカルボーネン法では、目標心拍数を次のように計算します。
目標心拍数 = 安静時心拍数 +(運動強度 × 心拍予備量)
例えば70%の運動強度なら、
50 +(0.7 × 140)= 148bpm
となります。
最大心拍数だけを使う方法よりも、その人の安静時心拍数を考慮できるのが特徴です。
ただし、最大心拍数や安静時心拍数の設定そのものが実態と大きくずれていれば、そこから計算されるゾーンもずれてしまいます。
乳酸閾値心拍数(LTHR)から設定する
もうひとつの方法が、乳酸閾値心拍数(LTHR:Lactate Threshold Heart Rate)を基準に心拍ゾーンを設定する方法です。
乳酸閾値は、運動強度を上げていったときに、血中乳酸の蓄積がそれまでより速く増え始めるポイントのひとつです。
この付近での心拍数を基準にすることで、自分の持続的な高強度運動能力に合わせてゾーンを設定できます。
より厳密に測定するには、運動強度を段階的に上げながら血中乳酸を測定するラボテストなどが利用されます。
フィールドテストから推定する方法もありますが、使用するテストやトレーニングシステムによって計算方法やゾーン境界が異なります。
そのため、最大心拍数方式、HRR方式、LTHR方式の数値を単純に比較して「どれが正しい」と考えるのではなく、どの基準で設定されたゾーンなのかを理解して使うことが大切です。
デバイスによって心拍ゾーンが違うのはなぜ?
ウォッチ、アプリ、トレーニングサービスを比較したときに、「同じ自分のデータなのに心拍ゾーンが違う」と感じることがあります。
これは、必ずしもどちらかが間違っているという意味ではありません。
主な理由は3つあります。
1. 心拍ゾーンの計算方法が違う
最大心拍数を基準にするシステムもあれば、HRRや乳酸閾値心拍数を基準にするシステムもあります。
また、同じ5ゾーン方式でも境界となる割合が異なる場合があります。
3ゾーンや4ゾーンなど、そもそも異なるゾーンモデルを使う場合もあります。
2. 最大心拍数・安静時心拍数などの設定が違う
最大心拍数が実際より低く設定されていれば、すべてのゾーンが低い方向へずれます。
逆に最大心拍数が高すぎれば、ゾーンも高い方向へずれます。
HRR方式では、安静時心拍数の設定もゾーン計算へ影響します。
3. 心拍数の測定方法が違う
手首の光学式心拍計と胸に装着する心拍ベルトでは、心拍を測定する仕組みが異なります。
強度が急に変化する場面などでは、測定値の反応速度や安定性に違いが出ることがあります。
つまり、ゾーンの境界が違う場合と、そのゾーンへ当てはめる心拍測定値が違う場合の両方があるということです。
自分の心拍ゾーンが合っているか確認する方法
心拍ゾーンが自分に合っているかどうかは、ウォッチに表示される数字だけでは判断できません。
呼吸、体感強度、継続できる時間、ペースなども一緒に確認することが大切です。
呼吸と体感強度を確認する
例えばウォッチではゾーン2なのに、息が大きく乱れて長時間続けられないのであれば、設定しているゾーンが実際の強度と合っているか確認する価値があります。
逆に、高強度のゾーン4と表示されているにもかかわらず、最初から最後まで非常に楽に運動できる場合も、最大心拍数などの設定を見直してみましょう。
心拍ゾーンは数字だけでなく、「その強度を自分がどう感じているか」とセットで考えると理解しやすくなります。
どれくらいの時間維持できるかを見る
ゾーン1やゾーン2のような低強度は、一般的に長時間続けやすい領域です。
一方、ゾーン4やゾーン5になるほど、長時間維持することは難しくなります。
表示されているゾーンと、実際にその強度を維持できる時間が大きく食い違っている状態が続くなら、最大心拍数やゾーン設定を確認してみましょう。
心拍数とペースの変化を見る
心拍数だけでなく、ペースやパワーとの関係を長期的に見ることも役立ちます。
例えば、以前と同じペースをより低い心拍数で走れるようになったり、同じ心拍数でより速く走れるようになったりすれば、有酸素能力が向上している可能性があります。
1回のワークアウトだけで判断するのではなく、トレーニング履歴を継続して見ることがポイントです。
手首心拍と心拍ベルトはどう使い分ける?
多くのSuuntoスポーツウォッチには、手首で心拍数を測定する光学式心拍計が搭載されています。
日常のトレーニングではウォッチだけで心拍数を確認できるため、手軽に心拍ゾーンを利用できます。
一方、胸に装着する心拍ベルトは、心臓の電気信号を検出して心拍を測定します。
特に、
インターバルトレーニングなど強度変化が大きい運動
より安定した心拍データを取りたいとき
ZoneSenseを使いたいとき
には、心拍ベルトを利用するメリットがあります。
どちらか一方だけが正解ということではありません。
普段のランニングでは手首心拍、より詳しく強度を分析したい日は心拍ベルトというように、目的に応じて使い分けられます。
心拍ゾーンとSuunto ZoneSenseの違い
ここで知っておきたいのが、通常の心拍ゾーンとSuunto ZoneSenseの違いです。
心拍ゾーンは、最大心拍数、安静時心拍数、乳酸閾値心拍数などを基準として、あらかじめ設定した心拍数の範囲に現在の心拍数を当てはめます。
言い換えると、心拍ゾーンは「設定した基準に対して、今の心拍数がどこにあるかを見る方法」です。
一方、Suunto ZoneSenseは、心拍ベルトから取得した一拍ごとのR-R間隔を解析し、運動中の身体の反応から強度の変化を捉えます。
例えば同じ150bpmで走っていても、身体の状態が毎日まったく同じとは限りません。
暑い日、疲労が残っている日、長時間運動した後などでは、同じ心拍数でも身体が受けている内部負荷が変化することがあります。
ZoneSenseでは、心拍ベルトから取得したデータをもとに、運動強度を主に次の3つの領域で確認します。
有酸素領域
無酸素領域
VO2max領域
通常の心拍ゾーンとZoneSenseは、どちらか一方を選ぶものではありません。
まず心拍ゾーンを使ってトレーニングの基本的な強度を管理し、さらにその日の身体が実際にどのように反応しているか知りたい場合にZoneSenseを組み合わせる、と考えると分かりやすいでしょう。
ZoneSenseを利用するには、運動中の一拍ごとの心拍間隔を取得できる対応する胸部心拍ベルトが必要です。
詳しい仕組みや使い方はこちらの記事で解説しています。
▶︎ 心拍ベルトで運動強度がわかる?Suunto ZoneSenseの仕組みと使い方
▶︎ Suunto ZoneSenseと心拍ベルトの使い方|対応機種・仕組み・よくある質問
まとめ|心拍ゾーンは定期的に見直そう
心拍ゾーンを使うと、ウォッチに表示される心拍数を単なる数字ではなく、トレーニングの目的に合わせて使える運動強度の指標として活用できます。
基本となる5ゾーンモデルでは、
ゾーン1:回復・低強度
ゾーン2:有酸素持久力
ゾーン3:テンポ・中強度
ゾーン4:乳酸閾値付近の高強度
ゾーン5:VO2max・最大に近い高強度
というように、それぞれ異なる役割があります。
ただし、心拍ゾーンは固定された絶対値ではありません。
最大心拍数、安静時心拍数、乳酸閾値、体力レベルなどによって変わり、設定方法によっても境界は異なります。
さらにトレーニングを続けて体力や身体の状態が変化すれば、以前設定したゾーンが今の自分に合わなくなることもあります。
心拍数だけを見るのではなく、呼吸、体感強度、ペース、パワー、トレーニング履歴などと合わせて確認しながら、必要に応じて心拍ゾーンを見直していきましょう。
そして、心拍数という数字だけでは捉えにくい「その日の身体の反応」まで知りたい場合は、心拍ベルトとSuunto ZoneSenseを組み合わせることで、運動強度をさらに深く分析できます。
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心拍ゾーンをもっと活用するならSuuntoの心拍計測デバイス
心拍ゾーンをトレーニングに活かすには、まず自分の心拍数を継続して記録することが大切です。
日常のランニングやサイクリングでは、対応するSuuntoウォッチの手首心拍で手軽に強度を確認できます。
さらに、インターバルトレーニングなど強度変化が大きい運動や、より安定した心拍データを取りたいとき、Suunto ZoneSenseを使いたいときは、胸部心拍ベルトを組み合わせるのがおすすめです。
ZoneSenseを使うなら心拍ベルト
Suunto ZoneSenseは、一拍ごとのR-R間隔データをもとに運動強度を分析するため、対応する胸部心拍ベルトが必要です。
通常の心拍ゾーンだけでなく、その日の身体が実際にどの強度で動いているかまで確認したい人に向いています。
Suuntoの心拍ベルトを見る
手首心拍でトレーニングを管理するならSuuntoウォッチ
普段のランニングやサイクリングで、心拍ゾーン、トレーニング負荷、回復などをまとめて管理したい場合は、Suuntoのスポーツウォッチが便利です。
ランニング中心ならSuunto Run、トレーニングやレースまで幅広く使いたいならSuunto Race 2など、目的に合わせて選べます。
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