心拍ゾーンとは?トレーニング強度を使い分けて持久力を高める方法

SuuntoClimb, SuuntoRunJanuary 13 2025

ランニングやサイクリングで記録を伸ばしたいと思うと、つい毎回「少しでも速く」「できるだけ長く」と頑張りたくなるものです。

しかし、持久力を高めるために、すべてのトレーニングをきつくする必要はありません。

ゆっくり動く日、一定のペースを維持する日、短時間でしっかり負荷をかける日。それぞれに異なる目的があります。

大切なのは、その日の目的に合った強度を選ぶこと。その目安として役立つのが、心拍数をもとに運動強度を分ける「心拍ゾーン」です。

この記事では、心拍ゾーンの基本、低・中・高強度の使い分け、心拍数だけでは判断しにくいポイント、Suunto ZoneSenseを活用した強度管理について解説します。

トレーニング強度とは?

トレーニング強度とは、運動中に身体へどれくらいの負荷がかかっているかを表すものです。

同じ30分間のランニングでも、会話ができるほどゆっくり走るのか、レースペースで走るのか、全力に近いインターバルを行うのかによって、身体が受ける刺激は変わります。

運動強度は、主に次のような指標から確認できます。

  • 心拍数

  • ランニングやスイミングのペース

  • サイクリングやランニングのパワー

  • 呼吸や脚の重さなど、自分が感じるきつさ

  • Suunto ZoneSenseによる身体反応の分析

どれかひとつだけを正解と考えるのではなく、複数の指標を組み合わせることで、その日の身体の状態を理解しやすくなります。

心拍強度とは?

「心拍強度」という言葉は、一般的に、心拍数をもとに判断した運動強度を意味します。

運動を始めると、身体は筋肉へ酸素や栄養を届けるために心拍数を上げます。一般的には運動の負荷が高くなるほど心拍数も上がるため、心拍数はトレーニング強度を確認する代表的な指標として使われています。

ただし、同じ150bpmでも、身体への負荷は人によって異なります。

最大心拍数が190bpmの人と170bpmの人では、150bpmが示す相対的な強度は同じではありません。

そこで、心拍数の絶対値だけを見るのではなく、最大心拍数などを基準にして、現在の運動強度を段階的に表した「心拍ゾーン」を使います。

心拍ゾーンとは?

心拍ゾーンとは、運動中の心拍数を強度別に分けたものです。

一般的には、最大心拍数などを基準に、ゾーン1からゾーン5までの5段階で表します。数字が大きくなるほど運動強度が高くなり、長時間維持することが難しくなります。

Suuntoウォッチでも、心拍数、ペース、パワーをもとにした5つの強度ゾーンを利用できます。


心拍ゾーン 体感の目安 主な目的
ゾーン1 とても楽 回復、ウォームアップ、クールダウン
ゾーン2 楽に続けられる 持久力の土台づくり、長時間の運動
ゾーン3 ややきつい テンポ走、一定ペースを維持する練習
ゾーン4 きつい 閾値付近のトレーニング、高強度の持続
ゾーン5 非常にきつい 短時間の高強度運動、VO2maxへの刺激

ゾーン1〜2では呼吸に余裕があり、会話を続けられることが多くなります。

ゾーン3では呼吸が深くなり、会話が少し難しくなります。一定の速さを維持するテンポ走や、レースを意識した持続走などで使われる強度です。

ゾーン4〜5では呼吸が大きく乱れ、長時間維持することが難しくなります。インターバルや短時間の高強度トレーニングで活用します。

心拍ゾーンはどのように決まる?

心拍ゾーンは、主に最大心拍数を基準に設定します。

最大心拍数がわからない場合は、「220-年齢」という計算式で推定する方法があります。ただし、最大心拍数には個人差があるため、計算結果が実際の身体反応と合わないこともあります。

実際のトレーニングで確認した最大心拍数や、測定によって得られた数値がわかっている場合は、ウォッチの設定を調整することで、自分に合ったゾーンを使いやすくなります。

Suunto Race 2では、最大心拍数を設定できるほか、ランニングやサイクリングでスポーツ別の心拍ゾーンを設定できます。

自分に合った心拍ゾーンを設定するために、まずは安静時心拍数と最大心拍数の意味や測り方を確認しておきましょう。

低・中・高強度で、トレーニングの目的はどう変わる?

低強度|ゾーン1〜2

低強度トレーニングは、持久力の土台をつくるための運動です。

リカバリーラン、イージーラン、長時間のゆったりしたサイクリングなどが代表的です。無理なく続けられるペースで身体を動かし、長時間運動するための基礎をつくります。

低強度の日に大切なのは、速く走ることではありません。

「今日は楽に動く日」と決めたら、平均ペースを上げようとせず、余裕を残して終えることがポイントです。

中強度|ゾーン3

中強度では、一定のペースを長く維持する能力を鍛えます。

テンポ走やレースペースを意識した持続走など、目的を持って取り入れることで、実戦的な持久力を高められます。

一方で、毎回なんとなく「少しきつい」ペースで走っていると、疲労が残りやすいにもかかわらず、トレーニングの目的が曖昧になることがあります。

問題は中強度そのものではありません。目的を決めず、すべてのトレーニングが同じような強度になることです。

高強度|ゾーン4〜5

高強度トレーニングには、インターバル、坂道での反復走、高強度のサイクリングなどがあります。

短時間で身体へ大きな刺激を与え、スピードや高い強度を維持する能力を鍛えます。

効果的な一方で身体への負担も大きいため、頻繁に行えばよいわけではありません。

高強度の日の前後には、低強度の日や休養日を入れ、身体が回復する時間を確保しましょう。

毎回「少しきつい」トレーニングになっていない?

多くの人が陥りやすいのが、楽に走る日も速くなり、追い込む日も十分に強度を上げられない状態です。

結果として、すべてのトレーニングが「少しきつい」強度に集まりやすくなります。

この中間的な強度は「グレーゾーン」と呼ばれることもありますが、ゾーン3を避けるべきという意味ではありません。

テンポ走やレースペース走として、意図的に行う中強度トレーニングには明確な役割があります。

避けたいのは、本来は回復を目的にした日なのにペースを上げてしまい、次の高強度トレーニングでも十分な力を発揮できなくなることです。

トレーニングを始める前に、次のように目的を決めておきましょう。

 

今日は余裕を持って走る日。 今日は一定のペースを維持する日。 今日は短時間でしっかり負荷をかける日。

目的が明確になると、選ぶべき心拍ゾーンもわかりやすくなります。

「80%は低強度」を厳密に守る必要はある?

持久系トレーニングでは、トレーニング時間の多くを低強度に使い、一部に中・高強度を取り入れる考え方が広く知られています。元記事でも、持久系トレーニングにおける低強度の重要性が紹介されています。

ただし、すべての人が厳密に同じ割合を守る必要はありません。

適切な強度配分は、競技経験、目標、トレーニング時間、シーズン、回復状態によって変わります。

まず意識したいのは、数字を正確に80対20へ合わせることではなく、楽に動く日を本当に楽にすることです。

高強度トレーニングの効果を高めるためにも、低強度の日に余裕を残し、回復とのバランスを取りましょう。

強度と回復はセットで考える

トレーニングは、身体へ負荷をかけた時点で完了するわけではありません。

運動後に休養し、身体がトレーニングの刺激へ適応することで、次のパフォーマンスにつながります。

特にゾーン4〜5の高強度トレーニングを行った後は、睡眠、食事、日常生活でのストレスなども考慮し、回復する時間を確保することが大切です。

回復状態を確認する指標のひとつが、HRV(心拍変動)です。

HRVとは、連続する心拍と心拍の間隔に生じるわずかな変化を示す指標です。継続的に確認することで、自分の通常の範囲と比較しながら、回復状態やストレスの傾向を把握する参考になります。

詳しくは、HRVとは?心拍変動を理解してトレーニングの回復を最適化する方法をご覧ください。

心拍数がいつもより高い、HRVが普段の範囲から外れている、強い疲労を感じるといった日は、予定したトレーニングの強度を下げたり、休養へ切り替えたりすることも検討しましょう。

▶︎関連記事:「トレーニング後の回復を確認する4つの方法|HRV・睡眠・負荷・感覚をSuuntoでチェック

心拍ゾーンだけではわからないこと

心拍ゾーンは便利な指標ですが、心拍数は毎日同じように反応するわけではありません。

次のような要因によって、同じペースでも心拍数が変化することがあります。

  • 気温や湿度

  • 睡眠や疲労の状態

  • 水分不足

  • 精神的なストレス

  • 運動時間

  • コースの起伏や標高

  • 競技種目の違い

たとえば、普段と同じペースなのに心拍数が高い日は、身体へ通常より大きな負荷がかかっている可能性があります。

反対に、短いインターバルでは運動強度が急に上がっても、心拍数の上昇が少し遅れて現れることがあります。

心拍ゾーンだけを絶対的な基準にせず、ペース、パワー、呼吸、脚の重さ、自分が感じるきつさも組み合わせて判断することが大切です。

主観的運動強度も活用する

主観的運動強度、またはRPEは、自分が感じるきつさを数字で表す方法です。

0〜10の尺度を使う場合は、次のように考えられます。


強度 RPEの目安 感覚
低強度 2〜3 余裕があり、長く続けられる
中強度 5〜6 ややきついが、一定時間維持できる
高強度 8〜10 かなりきつく、長時間は続けにくい

心拍数がいつもと違うと感じたときは、数字だけでなく、呼吸や脚の感覚も確認してみましょう。

心拍ゾーンと主観的運動強度が大きくずれている場合、その日のコンディションや、設定している心拍ゾーンを見直すきっかけになります。

Suunto ZoneSenseで、その日の身体反応を確認

Suunto ZoneSenseとは?

Suunto ZoneSenseは、運動中の心拍変動を分析し、その日の身体反応をもとにトレーニング強度を確認できる機能です。

あらかじめ設定した心拍ゾーンとは異なり、現在の強度を有酸素・無酸素・VO2maxの3つの領域で表示します。イージーランで負荷が上がりすぎていないか、テンポ走や高強度トレーニングで目的の強度に達しているかを確認する際に役立ちます。

ZoneSenseの利用には、拍動間隔のデータを取得できる心拍ベルトが必要

心拍ベルトを使って記録したトレーニングは、Suuntoアプリ上でZoneSenseの分析を確認できます。また、対応するSuuntoウォッチでは、運動中の強度をリアルタイムで確認できます。

対応モデルや設定方法、詳しい仕組みについては、以下の記事をご覧ください。

▶︎Suunto ZoneSenseとは?仕組み・使い方・よくある質問を見る

対応するSuuntoウォッチでトレーニング強度を手元に

ZoneSenseのリアルタイム表示に対応するSuuntoウォッチと心拍ベルトを組み合わせることで、運動中の身体反応を手元で確認できます。

低強度のロングランでは有酸素領域を維持できているか、テンポ走や高強度トレーニングでは目的の強度に達しているかを確認しながらトレーニングできます。

対応モデルのひとつであるSuunto Race 2は、ZoneSenseに加えて、1.5インチAMOLEDディスプレイ、オフラインマップ、長時間のGPSバッテリーなどを備えています。

1週間のトレーニング例

週4回走る場合は、次のような組み合わせが考えられます。

曜日 内容 主な強度
火曜日 30〜45分のイージーラン ゾーン1〜2
木曜日 テンポ走またはインターバル ゾーン3〜5
土曜日 30分程度のリカバリーラン ゾーン1
日曜日 ゆっくりしたロングラン ゾーン1〜2

ポイントは、きついトレーニングを連続させないことです。

高強度の日の前後には、低強度の日や休養日を入れます。

ランニングを始めたばかりの人は、強度を上げる前に、ゾーン1〜2で無理なく継続できる土台をつくりましょう。

トレーニング回数や内容は、経験、体調、目標に合わせて調整してください。

まとめ:毎回頑張るより、目的に合った強度で動こう

心拍ゾーンとは、心拍数をもとに運動強度を段階別に分けたものです。

ゾーン1〜2は持久力の土台づくりや回復、ゾーン3は一定のペースを維持する練習、ゾーン4〜5は高い強度への適応に活用できます。

大切なのは、すべてのトレーニングをきつくすることではありません。

楽に動く日は余裕を残す。負荷をかける日は、十分に回復してから取り組む。それぞれの目的を明確にすることで、トレーニングにメリハリが生まれます。

心拍数は便利な指標ですが、その日の疲労や気温、運動時間などによって反応が変わります。

心拍ゾーン、ペース、パワー、自分が感じるきつさ、Suunto ZoneSenseを組み合わせながら、その日の身体に合った強度を選びましょう。

ただ頑張るのではなく、必要な日に、必要な強度で。

身体の声とデータの両方を活用することが、長くトレーニングを続け、次の目標へ進むための第一歩です。

トレーニングの目的を、手元で確認する

Suunto ZoneSenseに対応したSuuntoウォッチなら、運動中の身体反応をリアルタイムで確認できます。

低強度のロングランから、テンポ走、高強度のインターバル、レースまで。身体への負荷を理解しながら、目的のあるトレーニングを積み重ねましょう。

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