SUUNTOブログ
SuuntoがUTMB World Seriesを支える理由|トレイルランニングへの挑戦をサポート
世界各地の名峰や個性豊かなトレイルを舞台に、トップアスリートから一般ランナーまでが同じ冒険を目指すUTMB® World Series。Suuntoは、UTMB World SeriesのオフィシャルGPSウォッチ&テクニカルパートナーとして、トレイルを走るすべての人の挑戦をサポートしています。
目次
UTMB World Seriesとは
SuuntoがUTMB World Seriesを支える理由
オフラインマップとルートナビゲーション
レース本番までのトレーニングを見える化
トレイルランニングにおすすめの現行モデル
走る人も観る人もUTMBを楽しもう
UTMB World Seriesとは
UTMB World Seriesは、世界各地の代表的なトレイルランニング大会を結ぶ国際シリーズです。アジア、オセアニア、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカでイベントが開催され、各地域の自然や文化を体験しながら、20Kから100Mまで自分に合ったカテゴリーへ挑戦できます。
シリーズの最高峰が、フランス・イタリア・スイスの3か国にまたがるモンブラン山群を巡るHOKA UTMB® Mont-Blancです。メインレースのUTMBは約170km、累積標高約10,000mという壮大なコース。UTMB、CCC、OCCはUTMB World Series Finalsとして、世界中のランナーが目標にする舞台となっています。
UTMB World Seriesは速さだけを競うものではありません。限界を超える挑戦、フェアプレー、人と環境への敬意、連帯という価値観を共有しながら、一人ひとりが自分だけの冒険を見つけるためのシリーズです。
SuuntoがUTMB World Seriesを支える理由
Suuntoは1936年、フィンランドのオリエンテーリング選手トゥオマス・ヴォホロネンが、より正確で信頼できるコンパスを発明したことから始まりました。自然の中で進むべき方向を見つけるという原点は、現在のGPSスポーツウォッチやデジタルサービスにも受け継がれています。
長時間にわたって山岳地帯を進むトレイルランニングでは、現在地とルートの把握、バッテリー、コンディション管理が重要です。SuuntoとUTMB World Seriesは、スポーツとアウトドアへの情熱を共有し、ランナーが安心してトレイルへ踏み出し、それぞれの目標へ近づける環境づくりに取り組んでいます。
SuuntoとUTMB World Seriesのパートナーシップ(Suunto公式YouTube)
オフラインマップとルートナビゲーション
山中では携帯電話の電波が届かないこともあります。Suuntoアプリでルートを作成またはGPXデータを取り込み、対応するウォッチへ同期しておけば、オフラインマップ上でルートと現在地を確認できます。等高線、道、水域などを見ながら、次に進む方向を手元で把握できるのが強みです。
レース前には、コース全体だけでなく、登りと下りの位置、エイドステーション、距離や累積標高も確認しておきましょう。ウォッチのルートナビゲーションは大会のマーキングや主催者の案内に代わるものではありませんが、長いレースで状況を判断するための大切な情報になります。操作方法は登山・トレイルランニングで役立つ地図・ナビゲーションガイドでも詳しく紹介しています。
レース本番までのトレーニングを見える化
ウルトラトレイルの準備は、本番の数週間前だけで完結するものではありません。走行距離、トレーニング時間、累積標高、心拍数、回復状態などを継続して記録すると、負荷を感覚だけに頼らず振り返れます。
Suuntoアプリでは日々のアクティビティや長期的なトレーニング傾向を確認できます。登りへの対応力を高めたいときは、距離だけでなく累積標高にも注目しましょう。一方で、負荷を増やした後には休養も必要です。レース本番から逆算し、ロング走、登りの練習、強度を抑えた日、休養日を組み合わせることが、スタートラインへ良い状態で立つための土台になります。
トレイルランニングにおすすめの現行モデル
長距離トレイルや山岳レースでは、地図の見やすさ、GPS精度、バッテリー性能、操作性がウォッチ選びのポイントです。現行モデルでは、Suunto Race 2とSuunto Vertical 2が、オフラインマップとルートナビゲーションに対応しています。
鮮やかなAMOLEDディスプレイとオフラインマップを備えたSuunto Race 2
Suunto Race 2
鮮やかな1.5インチAMOLEDディスプレイで地図やトレーニングデータを確認しやすく、トレーニングからレースまで幅広く使えるパフォーマンスウォッチです。日々のコンディション管理と、本番のナビゲーションを一台にまとめたいランナーに適しています。
Suunto Vertical 2
Suunto Vertical 2は、長時間のGPS記録とオフラインマップに加え、LEDフラッシュライトも備えたアドベンチャーウォッチです。夜間を含むウルトラトレイルや、山での長い行動を重視する人に向いています。
レース距離、想定行動時間、画面サイズ、普段のトレーニングで使いたい機能を基準に、自分の挑戦に合うモデルを選びましょう。
走る人も観る人もUTMBを楽しもう
UTMB World Seriesは、海外だけのものではありません。日本では石川県加賀市・山中温泉を舞台に、Kaga Spa Trail Endurance 100 by UTMB®が開催されています。日本のトレイルでUTMBの世界観に触れられる大会については、UTMBとは?距離・魅力と日本で楽しむ方法で紹介しています。
2026年大会のKAGASPA 50Kでは、SUUNTOブランドアンバサダーの吉住友里選手が女子総合優勝。レース中のペース配分やSuunto Race 2の活用方法は、KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手インタビューで詳しく紹介しています。海外のトップレースだけでなく、日本の大会とアスリートの実体験を知ることも、次の挑戦を具体的に描くきっかけになります。
UTMBの魅力は、実際にレースを走ることだけではありません。現地で選手を応援する、ライブ配信でレースを追う、トップ選手の装備やペース配分を知ることも、次の挑戦への刺激になります。モンブランでの現地観戦を計画している方は、UTMBのおすすめ観戦スポットと応援のヒントもご覧ください。
初めてのトレイルレースから世界最高峰の舞台まで、目標までの距離は人それぞれです。Suuntoは、トレイルへ踏み出す最初の一歩から、ゴールを目指す長い道のりまで、ランナーの冒険を支え続けます。
次のトレイルに向けて準備を始めよう
オフラインマップと長時間バッテリーを備えたSuuntoのスポーツウォッチをチェック。
Suuntoのスポーツウォッチを見る
SUUNTO ZoneSenseの使い方|リアルタイムで運動強度を確認する方法
「イージーランのつもりが、気づくと頑張りすぎている」「テンポ走で狙った強度まで上げられているか分からない」。そんなとき、運動中の身体の反応を確認するために使えるのがSuunto ZoneSenseです。
ZoneSenseは、心拍ベルトから得られる心拍変動(HRV)のデータをもとに、その日の運動強度を有酸素・無酸素・VO2maxの3つの領域で示します。固定した心拍ゾーンを見るだけでは分かりにくい、当日の身体の反応をリアルタイムまたは運動後に確認できるのが特徴です。
この記事では、ZoneSenseを使うために必要なもの、Suuntoアプリでの準備、ウォッチへの追加方法、色の見方、トレーニングでの活用例を順番に解説します。
目次
Suunto ZoneSenseとは?
ZoneSenseを使うために必要なもの
ZoneSenseをウォッチで使う準備
運動中にZoneSenseを確認する方法
緑・黄色・赤の表示の見方
Suuntoアプリで運動後の結果を見る
トレーニング別の活用例
表示されないときの確認事項
現行Suuntoウォッチで活用する
よくある質問
まとめ
Suunto ZoneSenseとは?
Suunto ZoneSenseは、運動中の心拍変動を分析し、身体が受けている負荷をリアルタイムまたは運動後に確認するための機能です。強度は、緑色の有酸素、黄色の無酸素、赤色のVO2maxという3つの領域で表示されます。
一般的な心拍ゾーンは、最大心拍数や閾値心拍数など、あらかじめ設定した値を基準にします。一方、ZoneSenseは心拍の拍動間隔の変化を分析し、セッションごとにその日の基準をつくります。そのため、コンディション、運動の種類、長時間の運動中に生じる変化を踏まえて、現在の強度を判断する材料になります。
ZoneSenseの測定原理や研究背景を詳しく知りたい場合は、公式の「Suunto ZoneSense」紹介ページをご覧ください。
ZoneSenseはトレーニングを補助する指標です。体調不良、痛み、めまいなどを感じた場合は、表示されているゾーンにかかわらず運動を中止してください。数値だけでなく、呼吸や脚の感覚、主観的な運動強度も合わせて判断しましょう。
ZoneSenseを使うために必要なもの
ZoneSenseを利用するには、基本的に次の3つを用意します。
心拍ベルトと接続できるSuuntoウォッチ
拍動間隔のデータを取得できる心拍ベルト
スマートフォンにインストールしたSuuntoアプリ
ZoneSenseの分析には、一拍ごとの間隔を示すデータが必要です。そのため、運動中の手首光学式心拍計だけでは利用できません。Suunto Smart Heart Rate Beltなど、対応する胸部心拍ベルトを使用します。
心拍ベルトを使って記録したセッションは、対応条件を満たしていればSuuntoアプリで運動後のZoneSense分析を確認できます。対応ウォッチでは、SuuntoPlusスポーツアプリを追加することで運動中のリアルタイム表示も利用できます。
ZoneSenseをウォッチで使う準備
1.ウォッチとSuuntoアプリを最新の状態にする
ウォッチをSuuntoアプリと同期し、利用可能なソフトウェアアップデートがある場合は更新します。アプリの画面やメニュー名は、OSやバージョンによって変わることがあります。
2.心拍ベルトをペアリングする
心拍ベルトの電極部分を湿らせ、胸の下へしっかり装着します。ウォッチの設定から心拍センサーをペアリングしてください。過去に接続済みの場合も、運動開始前に外部心拍センサーが認識されているか確認します。
3.SuuntoPlusストアからZoneSenseを追加する
SuuntoアプリでSuuntoPlusストアを開き、ZoneSenseスポーツアプリを選択してウォッチに保存します。同期が完了したら、ウォッチで使用するスポーツモードのオプションを開き、ZoneSenseを選択します。
一度選択すると、同じスポーツモードの次回セッションでも自動的に選ばれる場合があります。運動前のスタート画面で、有効になっているSuuntoPlusスポーツアプリを確認しておくと安心です。
運動中にZoneSenseを確認する方法
心拍ベルトが接続され、ZoneSenseを有効にした状態で運動を開始します。ZoneSenseの画面へ切り替えると、現在の強度領域を色で確認できます。
運動開始直後は、ZoneSenseがその日の基準をつくる時間です。最初の約10分間は、急に強度を上げずにウォームアップを行いましょう。基準が確立されるまでは、ZoneSenseの強度表示が利用できなかったり、表示が安定しなかったりすることがあります。
初めて使うときは、長めのイージーランや一定強度のサイクリングなどで試すと、強度の変化と表示の関係を理解しやすくなります。ウォームアップ後は緑の領域を保ち、ペースや心拍数、呼吸の感覚との違いを確認してみましょう。
緑・黄色・赤の表示の見方
表示
強度領域
主な使い方
緑
有酸素
イージーラン、ロング走、持久力の土台づくりなど
黄色
無酸素
テンポ走や閾値付近の持続的なトレーニングなど
赤
VO2max
長めの高強度インターバルなど
緑が「良い」、赤が「悪い」という意味ではありません。大切なのは、その日のトレーニング目的と表示が合っているかです。回復や持久力づくりの日は緑を保ち、テンポ走では黄色、高強度インターバルでは運動区間で赤へ入ることを目安にします。
心拍ゾーン1〜5との違いや、トレーニング目的ごとの使い分けについては「心拍ゾーンとは?トレーニング強度を使い分けて持久力を高める方法」も参考にしてください。
Suuntoアプリで運動後の結果を見る
運動を保存してウォッチをSuuntoアプリと同期すると、アクティビティの詳細画面からZoneSenseの分析を確認できます。セッション全体で3つの強度領域がどのように変化したかを、心拍数、ペース、パワーなどのデータと一緒に振り返りましょう。
確認したいのは、単に赤色の時間が長かったかどうかではありません。たとえば、イージーランで後半に黄色へ上がっていないか、テンポ走で黄色を安定して維持できたか、インターバルの回復区間で緑へ戻ったか、といった目的との一致を見ます。
同じコースや同じメニューを繰り返す場合は、ZoneSense、ペース、主観的なきつさを比較すると、コンディションの違いに気づきやすくなります。
トレーニング別の活用例
イージーラン・ロング走
ウォームアップ後も緑の領域を維持することを意識します。ペースを基準にすると速くなりすぎる日でも、ZoneSenseを見ながら強度を抑えることで、低強度の日の目的を守りやすくなります。
テンポ走
運動区間で黄色の領域を維持できているかを確認します。黄色へ入らない場合は強度が不足している可能性があり、すぐに赤へ上がる場合は予定より強すぎる可能性があります。ただし、表示だけに合わせて急激にペースを変えず、呼吸やフォームも確認してください。
長めのインターバル
高強度区間では赤、回復区間では緑へ戻る流れを確認します。心拍反応には遅れがあるため、短いダッシュでは狙った表示へ達する前に運動区間が終わることもあります。ZoneSenseは、ある程度長く強度を維持するインターバルで特に確認しやすい指標です。
ランニング以外の持久系スポーツ
ZoneSenseは、サイクリング、トレイルランニング、クロスカントリースキーなどでも活用できます。速度やペースを直接比較しにくい種目でも、身体の反応を共通の3領域で確認できます。
ZoneSenseが表示されないときの確認事項
胸部心拍ベルトが正しく装着され、ウォッチに接続されているか
手首光学式心拍だけで記録していないか
ZoneSenseをSuuntoPlusストアからウォッチへ保存したか
運動前に使用するスポーツモードでZoneSenseを選択したか
ウォッチとSuuntoアプリが最新バージョンになっているか
運動開始後、基準の確立に必要なウォームアップ時間を取ったか
胸部ベルトで心拍数は表示されるのにZoneSenseが安定しない場合は、ベルトの電極部分を湿らせ、身体へ密着させます。ストラップの汚れや乾燥、電池残量も確認してください。
心拍ベルトが必要な理由や対応センサーについては「Suunto ZoneSense よくある質問」で詳しく確認できます。
現行SuuntoウォッチでZoneSenseを活用する
リアルタイムのZoneSenseを利用する場合は、対応モデルと最新ソフトウェアが必要です。現行ラインアップでは、トレーニングやレースに取り組む人にはSuunto Race 2、コンパクトなモデルを求める人にはSuunto Race S、軽さを重視するランナーにはSuunto Runが選択肢になります。
長時間のアウトドアアクティビティ、トレイルランニング、登山にも使いたい場合は、オフラインマップを備えたSuunto Vertical 2も候補です。
ZoneSenseのリアルタイム表示、SuuntoPlusスポーツアプリ、外部心拍センサーへの対応状況は、モデルやソフトウェアバージョンによって異なる場合があります。購入前または使用前に、各製品ページ、ユーザーガイド、Suuntoアプリで最新情報を確認してください。
よくある質問
ZoneSenseは手首心拍だけで使えますか?
いいえ。運動中のZoneSense分析には、拍動間隔を取得できる胸部心拍ベルトが必要です。手首光学式心拍計だけでは利用できません。
最初の約10分間は何をすればよいですか?
ZoneSenseがその日の基準をつくる時間として、低めの強度でウォームアップします。開始直後から高強度へ上げるのではなく、身体を徐々に動かしてください。
ZoneSenseと通常の心拍ゾーンはどちらを見ればよいですか?
どちらか一方を選ぶ必要はありません。通常の心拍ゾーンは設定した基準に対する心拍数を、ZoneSenseはその日の身体反応に基づく強度を確認する材料になります。ペース、パワー、体感と合わせて使い分けましょう。
毎回、赤い領域まで上げたほうがよいですか?
いいえ。赤は高い強度を示しますが、すべてのトレーニングで目指す領域ではありません。イージーランや回復を目的とする日は緑を保ち、計画した高強度トレーニングでのみ赤を活用します。
まとめ|ZoneSenseで目的に合った強度を確認しよう
Suunto ZoneSenseは、胸部心拍ベルトから得られる心拍変動を分析し、その日の運動強度を有酸素・無酸素・VO2maxの3領域で示します。対応ウォッチでは運動中に、心拍ベルトを使って記録したセッションではSuuntoアプリで運動後に分析できます。
まずは約10分間のウォームアップを行い、長めのイージーランで緑の領域を保つところから試してみましょう。表示される色を目標そのものにするのではなく、トレーニングの目的、体感、ペースや心拍数と組み合わせることで、強度をより判断しやすくなります。
ZoneSenseでトレーニング強度を確認する
Suuntoウォッチと心拍ベルトを組み合わせて、毎日の身体の反応に合わせたトレーニングを始めましょう。
Suuntoスポーツウォッチを見る
登山・ハイキングの安全対策|迷ったときに取るべき行動と出発前の準備
登山やハイキング、トレイルランニングは、自然の中で過ごす楽しさを感じられるアクティビティです。
一方で、山や森、初めて歩くトレイルでは、分岐の見落とし、天候の変化、日没、疲労、スマートフォンの電池切れなどによって、道に迷うリスクがあります。
道に迷わないためには、ナビゲーションスキルだけでなく、出発前の準備、装備、行動計画の共有、そして迷ったときにどう行動するかを知っておくことが大切です。
この記事では、登山やハイキング、トレイルランニングをより安心して楽しむための安全対策と、迷ったときに取るべき行動を紹介します。
目次
アウトドアで道に迷うリスクは誰にでもある
出発前にできる安全対策
迷ったときに取るべき行動
Suuntoウォッチでできる安全対策
ナビゲーションスキルを詳しく学びたい方へ
まとめ|安全対策は、出発前の準備と迷ったときの判断から
アウトドアで道に迷うリスクは誰にでもある
道迷いは、初心者だけに起こるものではありません。
経験のある登山者やトレイルランナーでも、視界が悪い日、疲労が強いとき、初めて歩くルート、標識が少ない場所では、現在地や進行方向を見失うことがあります。
特に注意したいのは、次のような場面です。
分岐が多いルート
似た景色が続く森や低山
霧、雨、雪で視界が悪いとき
日没が近い時間帯
疲労で判断力が落ちているとき
スマートフォンの電波が届かない場所
バッテリー残量が少ないとき
地図やルートを事前に確認していないとき
アウトドアでは、「自分は大丈夫」と思い込まないことが大切です。
迷わないための準備と、迷ったときの行動を知っておくことが、安全につながります。
出発前にできる安全対策
道迷いを防ぐために最も大切なのは、出発前の準備です。
現地に着いてから考えるのではなく、出発前に天気、ルート、装備、連絡手段を確認しておきましょう。
1. 天気を確認する
登山やハイキングでは、天気の確認が安全対策の基本です。
晴れているように見えても、山では急に霧が出たり、雨が降ったり、気温が下がったりすることがあります。天候が悪化すると、視界が悪くなり、分岐や標識を見落としやすくなります。
出発前には、目的地周辺の天気、気温、風、降水確率、日没時刻を確認しましょう。標高差のあるルートでは、登山口と山頂付近で気温や風の状況が大きく変わることもあります。
確認したいポイント
気温
降水確率
風の強さ
雷の可能性
日の入り時刻
ルート上の標高差
雨や霧で視界が悪くなる可能性
天気が不安定な日は、ルートを短くする、標高の低い場所に変更する、出発時間を早める、中止するなどの判断も大切です。
▶︎関連記事:登山やトレイルで天気を確認する方法|Suuntoウォッチで気圧・日没・ストームアラームを活用
2. ルートと帰着予定時刻を決める
出発前に、歩くルートと帰着予定時刻を決めておきましょう。
目的地だけを決めるのではなく、どの登山口から入り、どのルートを通り、どこで休憩し、何時ごろ下山するのかを考えておくことが大切です。
特に初めてのルートでは、距離だけでなく、標高差、コースタイム、分岐、エスケープルート、水場、日没時刻を確認しておきましょう。
事前に確認したいこと
ルートの距離
標高差
コースタイム
分岐の場所
エスケープルート
水場や補給できる場所
下山予定時刻
日没時刻
電波が入りにくい場所
登山やトレイルランニングでは、距離だけではルートの難しさを判断できません。同じ10kmでも、平坦な道と標高差の大きい山道では、必要な体力や時間が大きく変わります。
ルート上の登り下りを把握したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
▶︎関連記事:登山・トレイルで登り下りを把握する重要性|Suuntoクライムガイダンスで地形を先読み
3. 行動計画を家族や友人に共有する
出発前には、行動計画を家族や友人に共有しておきましょう。
どこに行くのか、どのルートを歩くのか、何時ごろ戻る予定なのかを伝えておくことで、万が一予定時刻を過ぎても戻らない場合に、周囲が異変に気づきやすくなります。
グループで行動する場合は、メンバー全員が同じルートを把握していることも大切です。一部の人だけがルートを知っている状態では、はぐれたときや予定変更が必要になったときに対応しにくくなります。
共有しておきたい情報
行き先
出発予定時刻
帰着予定時刻
使用する登山口
予定ルート
同行者の人数
車を停める場所
緊急時の連絡先
Suuntoアプリで作成したルートや、GPXファイルを使ったルートをウォッチに同期しておくと、グループ内でルートを共有しやすくなります。
▶︎関連記事:GPXルートをSuuntoウォッチに追加する方法|ルートプランナーを使った設定手順
4. 必要な装備を持つ
短いハイキングでも、最低限の装備は持って行きましょう。
天気が変わったとき、予定より行動時間が長くなったとき、道に迷ったときに、装備の有無が大きな差になります。
持っておきたい装備
レインウェア
防寒着
ヘッドライト
予備バッテリー
水
行動食
ファーストエイドキット
ホイッスル
地図
コンパス
スマートフォン
モバイルバッテリー
緊急連絡手段
明るい色のウェアや小物
ヘッドライトは、日帰り登山でも持っておきたい装備です。予定より下山が遅れた場合や、日没が早まる季節には特に重要です。
また、ホイッスルやライトは、見つけてもらいやすくするためにも役立ちます。声を出し続けるよりも、ホイッスルの方が少ない体力で遠くに音を届けやすい場合があります。
5. 地図・コンパス・GPSを複数の手段として準備する
スマートフォンやGPSウォッチは、現在地やルートを確認するうえで便利なツールです。
一方で、バッテリー切れ、電波の届かない場所、端末の故障、雨や寒さによる操作性低下なども考えられます。アウトドアでは、ひとつの手段だけに頼らず、複数の手段を準備しておくことが大切です。
準備しておきたい確認手段
紙の地図
コンパス
スマートフォンの地図アプリ
GPSウォッチ
事前に保存したルート
オフラインマップ
GPXルート
GPSウォッチやスマートフォンは便利ですが、地図とコンパスの基本を理解しておくことで、テクノロジーが使えない状況でも判断しやすくなります。地図の読み方やコンパスの使い方を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶︎関連記事:登山で道迷いを防ぐには?地図・コンパス・GPSウォッチを使ったナビゲーションの基本
迷ったときに取るべき行動
どれだけ準備していても、想定外の状況は起こることがあります。
道に迷ったと感じたときに大切なのは、焦って進み続けないことです。パニックになって無理に歩き回ると、現在地がさらにわからなくなり、体力も消耗してしまいます。
ここからは、迷ったときに取るべき行動を紹介します。
落ち着いて止まる
道に迷ったかもしれないと感じたら、まず止まりましょう。
「もう少し進めばわかるかもしれない」と思って歩き続けると、確実にわかる場所からどんどん離れてしまうことがあります。
まずは深呼吸をして、最後に確実に現在地を把握できていた場所を思い出します。分岐、標識、橋、沢、尾根、ベンチ、建物など、通過した目印を確認しましょう。
最初にすること
その場で止まる
深呼吸して落ち着く
最後に確実にいた場所を思い出す
地図やGPSで現在地を確認する
むやみに下らない
焦って近道を探さない
山では、「下ればどこかに出る」と考えるのは危険な場合があります。沢や急斜面に入り込むと、かえって状況が悪くなることがあります。
現在地を確認する
落ち着いたら、現在地を確認します。
地図、コンパス、GPSウォッチ、スマートフォンの地図アプリを使い、周囲の地形や目印と照らし合わせましょう。
確認したい情報
最後に通過した分岐
近くの標識や看板
尾根や谷の方向
川や沢の位置
登っているのか、下っているのか
予定ルートから外れていないか
スマートフォンやウォッチ上の現在地
戻れる自信がある場合は、最後に確実にいた場所まで戻ることも選択肢です。ただし、視界が悪い、日没が近い、体力が少ない、ルートが不明確な場合は、無理に動かない判断も必要です。
無理に進まない
現在地がわからないまま、勘で進み続けるのは避けましょう。
山や森では、少し進んだだけでもルートから大きく外れることがあります。疲れているときや暗くなり始めているときは、判断力も落ちやすくなります。
特に、次のような行動は避けたいところです。
沢に向かって下る
道ではない斜面を進む
近道だと思ってルートを外れる
暗くなってから無理に歩く
体力が少ない状態で移動し続ける
安全に戻れる確信がない場合は、その場で状況を整理し、連絡できる場合は助けを求める準備をしましょう。
連絡できる場合は助けを求める
スマートフォンの電波がある場合は、早めに助けを求めましょう。
家族や同行者、山小屋、緊急連絡先、必要に応じて警察や消防へ連絡し、自分の状況を伝えます。
連絡するときは、できるだけ具体的な情報を伝えることが大切です。
伝えたい情報
現在地
予定していたルート
登山口
最後に通過した地点
人数
体調
ケガの有無
装備
水や食料の残り
バッテリー残量
周囲に見える目印
日没までの時間
電波が弱い場合は、位置情報や短いメッセージを送るだけでも役立つことがあります。バッテリーを消耗しすぎないよう、不要な操作は控えましょう。
見つけてもらいやすくする
助けを待つ場合は、見つけてもらいやすくする工夫をしましょう。
動き回るよりも、見通しのよい安全な場所で待つ方が、発見されやすい場合があります。
見つけてもらうための工夫
明るい色のウェアや小物を見える位置に出す
ホイッスルを定期的に鳴らす
ライトを使う
開けた場所に移動する
目立つ場所に留まる
スマートフォンのバッテリーを温存する
夜間はライトを必要なときだけ使う
ホイッスルやライトは、体力をあまり使わずに存在を知らせるために役立ちます。声を出し続けると体力を消耗しやすいため、無理をしないことも大切です。
体温と体力を守る
迷ったときは、体温と体力を守ることが重要です。
雨、風、低温、汗冷えは、体力を奪います。特に山では、日が落ちると気温が急に下がることがあります。
体温と体力を守るポイント
レインウェアや防寒着を着る
風を避ける
濡れた服をそのままにしない
地面に直接座らない
行動食を少しずつ食べる
水分を少しずつとる
無駄に歩き回らない
体力を温存する
体力を使い切ってから助けを待つよりも、早めに止まり、体温とエネルギーを守る方が安全につながります。
Suuntoウォッチでできる安全対策
対応するSuuntoウォッチは、登山、ハイキング、トレイルランニングでの行動をサポートします。
ただし、GPSウォッチは安全を保証するものではありません。地図、コンパス、天気確認、装備、判断力と組み合わせて使うことが大切です。
山やハイキング向けのGPSウォッチの選び方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
▶︎関連記事:登山用GPSウォッチの選び方|ハイキング・トレイルで役立つ機能を解説
ルートナビゲーション
対応するSuuntoウォッチでは、事前に作成したルートを同期し、ウォッチ上でルートナビゲーションを使うことができます。
ルートを準備しておくと、分岐や現在地を確認しやすくなり、予定ルートから外れたときにも気づきやすくなります。
オフラインマップ
オフラインマップ対応モデルでは、スマートフォンの電波が届きにくい場所でも、事前にダウンロードした地図をウォッチ上で確認できます。
山やトレイルでは、電波が入らない場所もあります。事前にマップを準備しておくことで、現在地や周囲の地形を確認しやすくなります。
トラックバック
対応するSuuntoウォッチでは、トラックバック機能を使って、出発地点へ戻る方向を確認できます。
来た道を完全にたどるための万能機能ではありませんが、スタート地点へ戻る方向を把握するための補助として役立ちます。
GPXルートの活用
GPXファイルを使ってルートを追加すれば、事前に計画したルートをウォッチで確認しながら行動できます。
初めて歩くルート、分岐の多いトレイル、トレイルランニングのレースコースなどでは、事前にルートを準備しておくと安心です。
▶︎関連記事:GPXルートをSuuntoウォッチに追加する方法|ルートプランナーを使った設定手順
天気・日没の確認
対応するSuuntoウォッチでは、気圧傾向、ストームアラーム、日の出・日の入り時刻などを確認できます。
日没時刻や天候の変化を把握しておくことで、下山時間やルート変更の判断がしやすくなります。
▶︎関連記事:登山やトレイルで天気を確認する方法|Suuntoウォッチで気圧・日没・ストームアラームを活用
ナビゲーションスキルを詳しく学びたい方へ
この記事では、出発前の準備、迷ったときの行動、Suuntoウォッチを使った安全対策を紹介しました。
地図の読み方、コンパスの使い方、地形図や等高線の見方など、ナビゲーションの基本を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶︎関連記事:登山で道迷いを防ぐには?地図・コンパス・GPSウォッチを使ったナビゲーションの基本
まとめ|安全対策は、出発前の準備と迷ったときの判断から
登山、ハイキング、トレイルランニングでは、自然の中で過ごす楽しさがある一方で、道迷い、天候変化、日没、疲労などのリスクがあります。
安全にアウトドアを楽しむためには、出発前の準備が大切です。
天気を確認する
ルートと帰着予定時刻を決める
行動計画を家族や友人に共有する
必要な装備を持つ
地図、コンパス、GPSなど複数の確認手段を準備する
そして、迷ったときは、焦って進み続けないことが重要です。
落ち着いて止まる
現在地を確認する
無理に進まない
連絡できる場合は助けを求める
見つけてもらいやすくする
体温と体力を守る
対応するSuuntoウォッチのルートナビゲーション、オフラインマップ、トラックバック、天気・日没確認は、アウトドアでの行動判断をサポートします
ただし、ウォッチやスマートフォンだけに頼らず、事前準備、装備、基本的なナビゲーションスキルと組み合わせて活用することが大切です。
安全対策を整えて、自然の中で過ごす時間をもっと安心して楽しみましょう。
▶︎登山・トレイルに対応したSuunto GPSスマートウォッチを見る
心拍ゾーンとは?トレーニング強度を使い分けて持久力を高める方法
ランニングやサイクリングで記録を伸ばしたいと思うと、つい毎回「少しでも速く」「できるだけ長く」と頑張りたくなるものです。
しかし、持久力を高めるために、すべてのトレーニングをきつくする必要はありません。
ゆっくり動く日、一定のペースを維持する日、短時間でしっかり負荷をかける日。それぞれに異なる目的があります。
大切なのは、その日の目的に合った強度を選ぶこと。その目安として役立つのが、心拍数をもとに運動強度を分ける「心拍ゾーン」です。
この記事では、心拍ゾーンの基本、低・中・高強度の使い分け、心拍数だけでは判断しにくいポイント、Suunto ZoneSenseを活用した強度管理について解説します。
トレーニング強度とは?
トレーニング強度とは、運動中に身体へどれくらいの負荷がかかっているかを表すものです。
同じ30分間のランニングでも、会話ができるほどゆっくり走るのか、レースペースで走るのか、全力に近いインターバルを行うのかによって、身体が受ける刺激は変わります。
運動強度は、主に次のような指標から確認できます。
心拍数
ランニングやスイミングのペース
サイクリングやランニングのパワー
呼吸や脚の重さなど、自分が感じるきつさ
Suunto ZoneSenseによる身体反応の分析
どれかひとつだけを正解と考えるのではなく、複数の指標を組み合わせることで、その日の身体の状態を理解しやすくなります。
心拍強度とは?
「心拍強度」という言葉は、一般的に、心拍数をもとに判断した運動強度を意味します。
運動を始めると、身体は筋肉へ酸素や栄養を届けるために心拍数を上げます。一般的には運動の負荷が高くなるほど心拍数も上がるため、心拍数はトレーニング強度を確認する代表的な指標として使われています。
ただし、同じ150bpmでも、身体への負荷は人によって異なります。
最大心拍数が190bpmの人と170bpmの人では、150bpmが示す相対的な強度は同じではありません。
そこで、心拍数の絶対値だけを見るのではなく、最大心拍数などを基準にして、現在の運動強度を段階的に表した「心拍ゾーン」を使います。
心拍ゾーンとは?
心拍ゾーンとは、運動中の心拍数を強度別に分けたものです。
一般的には、最大心拍数などを基準に、ゾーン1からゾーン5までの5段階で表します。数字が大きくなるほど運動強度が高くなり、長時間維持することが難しくなります。
Suuntoウォッチでも、心拍数、ペース、パワーをもとにした5つの強度ゾーンを利用できます。
心拍ゾーン
体感の目安
主な目的
ゾーン1
とても楽
回復、ウォームアップ、クールダウン
ゾーン2
楽に続けられる
持久力の土台づくり、長時間の運動
ゾーン3
ややきつい
テンポ走、一定ペースを維持する練習
ゾーン4
きつい
閾値付近のトレーニング、高強度の持続
ゾーン5
非常にきつい
短時間の高強度運動、VO2maxへの刺激
ゾーン1〜2では呼吸に余裕があり、会話を続けられることが多くなります。
ゾーン3では呼吸が深くなり、会話が少し難しくなります。一定の速さを維持するテンポ走や、レースを意識した持続走などで使われる強度です。
ゾーン4〜5では呼吸が大きく乱れ、長時間維持することが難しくなります。インターバルや短時間の高強度トレーニングで活用します。
心拍ゾーンはどのように決まる?
心拍ゾーンは、主に最大心拍数を基準に設定します。
最大心拍数がわからない場合は、「220-年齢」という計算式で推定する方法があります。ただし、最大心拍数には個人差があるため、計算結果が実際の身体反応と合わないこともあります。
実際のトレーニングで確認した最大心拍数や、測定によって得られた数値がわかっている場合は、ウォッチの設定を調整することで、自分に合ったゾーンを使いやすくなります。
Suunto Race 2では、最大心拍数を設定できるほか、ランニングやサイクリングでスポーツ別の心拍ゾーンを設定できます。
自分に合った心拍ゾーンを設定するために、まずは安静時心拍数と最大心拍数の意味や測り方を確認しておきましょう。
低・中・高強度で、トレーニングの目的はどう変わる?
低強度|ゾーン1〜2
低強度トレーニングは、持久力の土台をつくるための運動です。
リカバリーラン、イージーラン、長時間のゆったりしたサイクリングなどが代表的です。無理なく続けられるペースで身体を動かし、長時間運動するための基礎をつくります。
低強度の日に大切なのは、速く走ることではありません。
「今日は楽に動く日」と決めたら、平均ペースを上げようとせず、余裕を残して終えることがポイントです。
中強度|ゾーン3
中強度では、一定のペースを長く維持する能力を鍛えます。
テンポ走やレースペースを意識した持続走など、目的を持って取り入れることで、実戦的な持久力を高められます。
一方で、毎回なんとなく「少しきつい」ペースで走っていると、疲労が残りやすいにもかかわらず、トレーニングの目的が曖昧になることがあります。
問題は中強度そのものではありません。目的を決めず、すべてのトレーニングが同じような強度になることです。
高強度|ゾーン4〜5
高強度トレーニングには、インターバル、坂道での反復走、高強度のサイクリングなどがあります。
短時間で身体へ大きな刺激を与え、スピードや高い強度を維持する能力を鍛えます。
効果的な一方で身体への負担も大きいため、頻繁に行えばよいわけではありません。
高強度の日の前後には、低強度の日や休養日を入れ、身体が回復する時間を確保しましょう。
毎回「少しきつい」トレーニングになっていない?
多くの人が陥りやすいのが、楽に走る日も速くなり、追い込む日も十分に強度を上げられない状態です。
結果として、すべてのトレーニングが「少しきつい」強度に集まりやすくなります。
この中間的な強度は「グレーゾーン」と呼ばれることもありますが、ゾーン3を避けるべきという意味ではありません。
テンポ走やレースペース走として、意図的に行う中強度トレーニングには明確な役割があります。
避けたいのは、本来は回復を目的にした日なのにペースを上げてしまい、次の高強度トレーニングでも十分な力を発揮できなくなることです。
トレーニングを始める前に、次のように目的を決めておきましょう。
今日は余裕を持って走る日。 今日は一定のペースを維持する日。 今日は短時間でしっかり負荷をかける日。
目的が明確になると、選ぶべき心拍ゾーンもわかりやすくなります。
「80%は低強度」を厳密に守る必要はある?
持久系トレーニングでは、トレーニング時間の多くを低強度に使い、一部に中・高強度を取り入れる考え方が広く知られています。元記事でも、持久系トレーニングにおける低強度の重要性が紹介されています。
ただし、すべての人が厳密に同じ割合を守る必要はありません。
適切な強度配分は、競技経験、目標、トレーニング時間、シーズン、回復状態によって変わります。
まず意識したいのは、数字を正確に80対20へ合わせることではなく、楽に動く日を本当に楽にすることです。
高強度トレーニングの効果を高めるためにも、低強度の日に余裕を残し、回復とのバランスを取りましょう。
強度と回復はセットで考える
トレーニングは、身体へ負荷をかけた時点で完了するわけではありません。
運動後に休養し、身体がトレーニングの刺激へ適応することで、次のパフォーマンスにつながります。
特にゾーン4〜5の高強度トレーニングを行った後は、睡眠、食事、日常生活でのストレスなども考慮し、回復する時間を確保することが大切です。
回復状態を確認する指標のひとつが、HRV(心拍変動)です。
HRVとは、連続する心拍と心拍の間隔に生じるわずかな変化を示す指標です。継続的に確認することで、自分の通常の範囲と比較しながら、回復状態やストレスの傾向を把握する参考になります。
詳しくは、HRVとは?心拍変動を理解してトレーニングの回復を最適化する方法をご覧ください。
心拍数がいつもより高い、HRVが普段の範囲から外れている、強い疲労を感じるといった日は、予定したトレーニングの強度を下げたり、休養へ切り替えたりすることも検討しましょう。
▶︎関連記事:「トレーニング後の回復を確認する4つの方法|HRV・睡眠・負荷・感覚をSuuntoでチェック」
心拍ゾーンだけではわからないこと
心拍ゾーンは便利な指標ですが、心拍数は毎日同じように反応するわけではありません。
次のような要因によって、同じペースでも心拍数が変化することがあります。
気温や湿度
睡眠や疲労の状態
水分不足
精神的なストレス
運動時間
コースの起伏や標高
競技種目の違い
たとえば、普段と同じペースなのに心拍数が高い日は、身体へ通常より大きな負荷がかかっている可能性があります。
反対に、短いインターバルでは運動強度が急に上がっても、心拍数の上昇が少し遅れて現れることがあります。
心拍ゾーンだけを絶対的な基準にせず、ペース、パワー、呼吸、脚の重さ、自分が感じるきつさも組み合わせて判断することが大切です。
主観的運動強度も活用する
主観的運動強度、またはRPEは、自分が感じるきつさを数字で表す方法です。
0〜10の尺度を使う場合は、次のように考えられます。
強度
RPEの目安
感覚
低強度
2〜3
余裕があり、長く続けられる
中強度
5〜6
ややきついが、一定時間維持できる
高強度
8〜10
かなりきつく、長時間は続けにくい
心拍数がいつもと違うと感じたときは、数字だけでなく、呼吸や脚の感覚も確認してみましょう。
心拍ゾーンと主観的運動強度が大きくずれている場合、その日のコンディションや、設定している心拍ゾーンを見直すきっかけになります。
Suunto ZoneSenseで、その日の身体反応を確認
Suunto ZoneSenseとは?
Suunto ZoneSenseは、運動中の心拍変動を分析し、その日の身体反応をもとにトレーニング強度を確認できる機能です。
あらかじめ設定した心拍ゾーンとは異なり、現在の強度を有酸素・無酸素・VO2maxの3つの領域で表示します。イージーランで負荷が上がりすぎていないか、テンポ走や高強度トレーニングで目的の強度に達しているかを確認する際に役立ちます。
ZoneSenseの利用には、拍動間隔のデータを取得できる心拍ベルトが必要
心拍ベルトを使って記録したトレーニングは、Suuntoアプリ上でZoneSenseの分析を確認できます。また、対応するSuuntoウォッチでは、運動中の強度をリアルタイムで確認できます。
対応モデルや設定方法、詳しい仕組みについては、以下の記事をご覧ください。
▶︎Suunto ZoneSenseとは?仕組み・使い方・よくある質問を見る
対応するSuuntoウォッチでトレーニング強度を手元に
ZoneSenseのリアルタイム表示に対応するSuuntoウォッチと心拍ベルトを組み合わせることで、運動中の身体反応を手元で確認できます。
低強度のロングランでは有酸素領域を維持できているか、テンポ走や高強度トレーニングでは目的の強度に達しているかを確認しながらトレーニングできます。
対応モデルのひとつであるSuunto Race 2は、ZoneSenseに加えて、1.5インチAMOLEDディスプレイ、オフラインマップ、長時間のGPSバッテリーなどを備えています。
1週間のトレーニング例
週4回走る場合は、次のような組み合わせが考えられます。
曜日
内容
主な強度
火曜日
30〜45分のイージーラン
ゾーン1〜2
木曜日
テンポ走またはインターバル
ゾーン3〜5
土曜日
30分程度のリカバリーラン
ゾーン1
日曜日
ゆっくりしたロングラン
ゾーン1〜2
ポイントは、きついトレーニングを連続させないことです。
高強度の日の前後には、低強度の日や休養日を入れます。
ランニングを始めたばかりの人は、強度を上げる前に、ゾーン1〜2で無理なく継続できる土台をつくりましょう。
トレーニング回数や内容は、経験、体調、目標に合わせて調整してください。
まとめ:毎回頑張るより、目的に合った強度で動こう
心拍ゾーンとは、心拍数をもとに運動強度を段階別に分けたものです。
ゾーン1〜2は持久力の土台づくりや回復、ゾーン3は一定のペースを維持する練習、ゾーン4〜5は高い強度への適応に活用できます。
大切なのは、すべてのトレーニングをきつくすることではありません。
楽に動く日は余裕を残す。負荷をかける日は、十分に回復してから取り組む。それぞれの目的を明確にすることで、トレーニングにメリハリが生まれます。
心拍数は便利な指標ですが、その日の疲労や気温、運動時間などによって反応が変わります。
心拍ゾーン、ペース、パワー、自分が感じるきつさ、Suunto ZoneSenseを組み合わせながら、その日の身体に合った強度を選びましょう。
ただ頑張るのではなく、必要な日に、必要な強度で。
身体の声とデータの両方を活用することが、長くトレーニングを続け、次の目標へ進むための第一歩です。
トレーニングの目的を、手元で確認する
Suunto ZoneSenseに対応したSuuntoウォッチなら、運動中の身体反応をリアルタイムで確認できます。
低強度のロングランから、テンポ走、高強度のインターバル、レースまで。身体への負荷を理解しながら、目的のあるトレーニングを積み重ねましょう。
▶︎ZoneSense対応スポーツウォッチを見る
▶︎Suunto ZoneSenseを詳しく見る
苦しい時間も楽しむ|コートニー・ドウォルターに学ぶウルトラランニングの持久力
ウルトラランニングでは、脚の疲労だけでなく、「まだこんなに距離が残っている」という気持ちの揺れとも向き合うことになります。そんな苦しい局面を、コートニー・ドウォルターはレースを小さな区間に分け、前向きな言葉を繰り返し、好奇心を失わずに進むことで乗り越えてきました。
この記事では、2024年に公開されたインタビューをもとに、長時間のランニングにも応用しやすい彼女の考え方を紹介します。限界を無視して走るためではなく、状況を落ち着いて捉え、次の一歩に集中するためのヒントとして取り入れてみてください。
目次
長いレースを小さく区切る
短い言葉で意識を整える
「ペインケーブ」と向き合う
暗い時間にも楽しみを見つける
トレーニングで実践する方法
データを次の一歩に役立てる
長いレースを小さく区切る
フィニッシュまでの距離をひとまとまりで考えると、途方もなく感じることがあります。コートニーが実践しているのは、レースを管理できる大きさに分け、次のエイドステーションや峠、補給のタイミングなど、目の前の節目に集中する方法です。
考える範囲を狭めると、「あと何十kmもある」から「次のエイドまで進む」へと課題が具体的になります。計画どおりに進まないときも、次の短い区間でペース、補給、装備を見直せるため、判断を立て直しやすくなります。
遠いゴールではなく、まずは次の節目へ。課題を小さくすると行動に集中しやすくなります。
短い言葉で意識を整える
苦しいとき、コートニーは「Believe(信じる)」や「Right foot, left foot(右足、左足)」といった短い言葉を繰り返すと話しています。複雑な戦略を考える余裕がない場面でも、覚えやすい言葉なら注意を「いま行う動作」へ戻せます。
「Believe」は、私がよく使うマントラです。頭の中で何度も繰り返していると、どんな状況に見えても、進み続けられると信じること以外が入り込む余地がなくなります。
自分に合う言葉は人それぞれです。「次の木まで」「姿勢を戻す」「呼吸を整える」のように、いま取るべき行動と結びついた短いフレーズを、普段のロングランから試しておくとよいでしょう。
「ペインケーブ」と向き合う
コートニーは、疲労や不快感が強まる心理的な領域を「ペインケーブ(痛みの洞窟)」と表現します。そこに入ったときは、のみを手にして洞窟を少しずつ広げるイメージを持つそうです。苦しさを消そうとするのではなく、感覚を受け止めながら、できることを一つずつ続けるための比喩です。
ただし、通常の疲労と危険な兆候を混同しないことが大切です。鋭い痛み、胸の痛み、強いめまい、意識の混乱、熱中症や重い脱水が疑われる症状がある場合は、我慢して進まず、競技を中止してスタッフや医療機関の判断を仰いでください。
暗い時間にも楽しみを見つける
コートニーの走りを特徴づけるのは、タフさだけではありません。厳しい状況でも笑顔を見せ、色鮮やかな装備を選び、長い一日そのものを楽しもうとする姿勢です。
日没後の時間も、長距離レースならではの体験として捉えます。
彼女は、ウルトラレースで日が沈む瞬間には特別な感覚があると語ります。暗い山へ進むのは簡単ではありませんが、夜を越えて地形が再び見えるようになる日の出は、大きなエネルギーを与えてくれます。
つらさだけに意識が向いたら、空の色、風、応援の声、エイドで交わす短い会話など、周囲にある小さな変化へ注意を向けてみましょう。楽しさは疲労をなくすものではありませんが、レースに取り組む意味を思い出すきっかけになります。
トレーニングで実践する方法
メンタルの技術も、レース本番だけで急に使えるものではありません。安全に管理できるトレーニングの中で、次の方法を試してみましょう。
区間を決める:ルートを坂、補給地点、時間などで分け、一区間ごとにペースと体調を確認する。
自分の言葉を用意する:動作や判断につながる短いフレーズを2〜3個試し、使いやすいものを残す。
補給と装備を練習する:空腹、脱水、冷え、ライトの不具合は判断力にも影響するため、本番と近い条件で手順を確認する。
振り返りを残す:苦しくなった場面、そのとき有効だった行動、次回変えたい点を記録する。
走行距離を増やすだけでなく、負荷と回復のバランスも確認してください。トレーニング量の見方は、Suuntoでトレーニング負荷を理解し、管理する方法で詳しく紹介しています。
データを次の一歩に役立てる
長時間の行動では、必要な情報をすぐ確認できるよう表示項目を整えておくことも大切です。
長距離では、ペース、心拍数、累積上昇、ルート、経過時間などを確認すると、感覚だけに頼らず状況を整理できます。ただし、すべての数値を追い続ける必要はありません。次の区間で必要な情報を絞り、補給やペース調整など具体的な行動につなげることが重要です。
本番前には、スポーツウォッチの画面、ナビゲーション、アラート、バッテリーモードを実際のトレーニングで確認しておきましょう。強度の変化を取り入れたい場合は、Suuntoアプリでインターバルトレーニングを計画する方法も参考になります。
まとめ:遠いゴールではなく、次の一歩へ
コートニー・ドウォルターのアプローチは、苦しさを否定するのではなく、課題を小さく分け、前向きな言葉と好奇心で次の一歩へ意識を戻すことです。区間分け、セルフトーク、補給や装備の手順は、日々のロングランから練習できます。
長時間のランニングを支える機能やモデルを比較したい方は、Suuntoスポーツウォッチ一覧をご覧ください。