Suuntoアプリの雪崩地形マップの使い方|バックカントリーのルート計画

SuuntoSkiNovember 21 2022

バックカントリースキーやスノーボードでルートを計画するときは、距離や標高だけでなく「どんな斜度の地形を通るのか」を確認することが重要です。Suuntoアプリでは、Avalanche terrain(雪崩地形)レイヤーを表示し、斜面の傾斜を地図上で確認しながらルートを計画できます。

多くの雪崩は30〜45度程度の斜面で発生します。しかし、現在地が30度未満の緩斜面だからといって、安全とは限りません。

上部の急斜面から雪崩が流れ込む可能性や、離れた場所から雪崩を誘発する可能性も考える必要があります。

この記事では、Suuntoアプリで雪崩地形マップを確認する方法と、バックカントリーのルート計画でどう活用するかを紹介します。

雪崩地形マップとは?

Avalanche terrain(雪崩地形)マップは、Suuntoアプリのマップで利用できる地図レイヤーのひとつです。

斜面の傾斜を色で可視化することで、バックカントリーのルートを計画するときに、急斜面がどこにあるのかを把握しやすくします。

雪の状態は日々変化しますが、山の地形そのものは変わりません。

そこで、出発前に地形を確認し、できるだけ雪崩地形への露出を減らすルートを考えるための情報として活用できます。

SuuntoアプリのAvalanche terrain(雪崩地形)マップ

SuuntoアプリのAvalanche terrainレイヤーでは、斜面の傾斜を色で確認できます。

雪崩と斜度|30〜45度をどう考える?

雪崩地形を考えるうえで、まず知っておきたいのが斜度です。

多くの雪崩は、およそ30〜45度の斜面で発生します。

そのためSuuntoアプリのAvalanche terrainレイヤーでは、このような急斜面を地図上で把握しやすくしています。

ただし、これは「30度未満なら安全」「45度を超えたら危険」と単純に線引きできるものではありません。

雪崩の発生には、

  • 積雪の状態
  • 弱層
  • 降雪
  • 気温
  • 斜面の向き
  • 地形

など、さまざまな条件が関係します。

斜度は、その中の重要な判断材料のひとつです。

Suuntoアプリで雪崩地形マップを表示する方法

Avalanche terrainレイヤーは、Suuntoアプリのマップ画面から表示できます。

  1. Suuntoアプリを開く
  2. マップ画面を開く
  3. マップレイヤーのボタンをタップする
  4. Avalanche terrainを選択する

レイヤーを選択すると、斜面の傾斜に応じた色が地図上に表示されます。

この機能はルート作成時だけに限らず、地図を見ながら周辺の雪崩地形を確認するときにも利用できます。

色の濃さで斜面の傾斜を確認する

Avalanche terrainレイヤーでは、色が濃くなるほど斜面が急になるように表示されます。

ルートを計画するときは、線を引こうとしている場所だけを見るのではなく、周囲の斜面も広く確認します。

例えば、谷底を通るルート自体は緩やかでも、その両側に急斜面があれば、雪崩の影響を受ける地形になる場合があります。

「ルートの斜度」ではなく、「そのルートがどんな地形の中を通っているか」を見ることが重要です。

雪崩地形を見ながらルートを計画する

Suuntoアプリでは、Avalanche terrainレイヤーを表示した状態でルートを計画できます。

バックカントリーのルートを考えるときは、

  • 急斜面をどこで通過するか
  • 急斜面の下を通っていないか
  • 谷や沢に入り込んでいないか
  • より雪崩地形への露出が少ない選択肢がないか

などを確認します。

最短距離だけを優先するのではなく、できるだけ雪崩地形に入る時間や距離を減らせるルートを探すという考え方が重要です。

Suuntoアプリでの基本的なルート作成方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。

▶︎ Suuntoアプリでルートを作る6つの方法|GPX・ヒートマップも解説

現在地だけでなく「上の斜面」を確認する

雪崩地形マップを使うとき、特に重要なのが自分がいる場所だけを見ないことです。

雪崩は急斜面で発生した後、斜面下部や緩斜面まで流れ出すことがあります。

つまり、自分が立っている場所の斜度が低くても、上部に雪崩が発生し得る急斜面があれば、その影響を受ける可能性があります。

また、スラブ雪崩では、離れた場所から弱層の破壊が伝わり、急斜面で雪崩が発生する場合もあります。

「ここは緩斜面だから大丈夫」と判断するのではなく、上部斜面を含めた地形全体を見ること。

これが雪崩地形マップを使ううえで非常に重要です。

他のマップレイヤーと切り替えて確認する

Suuntoアプリでは、ルートを計画しながら複数のマップ表示を切り替えることができます。

例えば、

  • 通常のアウトドアマップ
  • Avalanche terrain
  • スキーツーリングのヒートマップ

などです。

Avalanche terrainだけを見てルートを決めるのではなく、通常地図で地形や道を確認し、ヒートマップなども参考にしながら、複数の情報を組み合わせます。

ひとつの地図レイヤーに答えを求めるのではなく、それぞれの情報から地形を立体的に理解することが大切です。

作成したルートをSuuntoウォッチへ同期する

Suuntoアプリでルートを作成したら、対応するSuuntoウォッチへ同期して、現地でルートナビゲーションに利用できます。

例えばSuunto Vertical 2では、オフラインマップとルートナビゲーションを使い、行動中に現在地と予定ルートを手元で確認できます。

ここで注意したいのは、アプリのAvalanche terrainレイヤーそのものをウォッチへ転送するわけではないということです。

基本的な流れは、

  1. Suuntoアプリで雪崩地形を確認する
  2. 地形を考慮してルートを作成する
  3. 作成したルートをウォッチへ同期する
  4. 現地ではウォッチでルートをナビゲーションする

となります。

ウォッチは、出発前に考えたルートを現地で確認するためのツールとして活用します。

雪崩地形マップだけで安全は判断できない

Avalanche terrainレイヤーは、雪崩の危険度そのものを表示するものではありません。

表示されているのは地形、特に斜面の傾斜に関する情報です。

実際にその日に雪崩が発生しやすいかどうかを判断するには、

  • 最新の雪崩情報
  • 積雪状態
  • 降雪量
  • 気温変化
  • 現地での観察
  • 雪崩に関する知識と経験

など、複数の情報が必要です。

また、バックカントリーではビーコン、プローブ、ショベルなどの装備と、それらを使うための訓練も重要です。

雪崩シーズン前に確認したい基本についてはこちら。

▶︎ バックカントリーに入る前に確認したい雪崩安全チェック8項目

バックカントリー全体の装備・ルート判断・行動についてはこちら。

▶︎ バックカントリースキーを安全に楽しむ14のポイント|装備・雪崩・ルート判断

Antti Auttiに学ぶ「雪崩地形への露出を減らす」考え方

ノルウェー北部で積雪状態を確認するAntti Autti

Antti Autti studying the snowpack in Northern Norway. Images by Jaakko Posti.

バックカントリースノーボーダーでSuuntoアンバサダーのAntti Auttiは、ルートを計画するとき、できるだけ雪崩地形への露出を少なくすることを意識しています。

考え方はシンプルです。

雪崩地形に入らずに進める距離が長いほど、その選択肢を優先する。

これは「危険な場所を一度も通らない」という意味ではなく、複数のルート候補があるときに、雪崩地形へ入る時間や距離をできるだけ減らすという考え方です。

そしてAnttiが強調しているのは、アプリだけでは山での安全を確保できないということです。

雪や雪崩について学び続け、現地で自分自身がより良い判断をできるようにする。

Suuntoアプリの雪崩地形マップは、その判断をサポートするための情報のひとつです。

まとめ|雪崩地形を避けるルート計画のために

SuuntoアプリのAvalanche terrainレイヤーを使うと、斜面の傾斜を地図上で確認しながらバックカントリーのルートを計画できます。

活用するときのポイントは次の通りです。

  • SuuntoアプリのマップからAvalanche terrainを表示する
  • 色の濃さから急斜面の位置を把握する
  • 30〜45度の斜面だけを単純に「危険地帯」と考えない
  • 現在地だけでなく上部の斜面も確認する
  • 雪崩が流れ込む可能性のある地形も考える
  • 通常地図や他のマップレイヤーと組み合わせる
  • できるだけ雪崩地形への露出が少ないルートを考える
  • 作成したルートを対応するSuuntoウォッチへ同期する

そして最も重要なのは、雪崩地形マップが「安全なルート」を自動的に教えてくれるわけではないということです。

地形、雪、天候、雪崩情報、現地の状況を総合して判断し、必要であれば計画を変更したり引き返したりすることも含めて、バックカントリーのルート計画です。

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