ゾーン2ランニングとは?心拍数の目安・効果・80/20トレーニングまで解説

SuuntoRunAugust 26 2026

ゾーン2ランニングとは、心拍数を低〜中程度に抑えながら長く走る有酸素トレーニングです。「ゆっくり走るだけで本当に速くなる?」「ゾーン2の心拍数はどれくらい?」「ペースが遅すぎても意味はある?」と疑問に感じるランナーも多いでしょう。

マラソンやトレイルランニングで持久力を高めるには、毎回ハードに走ることより、低強度のトレーニングを継続して積み重ねることが重要です。

ゾーン2トレーニングは、有酸素能力の土台を作り、長時間動き続ける身体を育てながら、高強度トレーニングを行うためのベースにもなります。

この記事では、ゾーン2の心拍数の目安、効果、自分のゾーン2を見つける方法、80/20トレーニングへの取り入れ方、暑さや疲労がある日の調整方法まで、ランナー向けにわかりやすく解説します。

ゾーン2ランニングとは?

ゾーン2とは、一般的な5段階の心拍ゾーンモデルにおける低強度の有酸素トレーニング領域です。

心拍ゾーンは、運動中の強度をゾーン1〜5に分けて考えます。

ゾーン 強度の目安 主な用途
ゾーン1 とても楽 回復、ウォームアップ
ゾーン2 楽に続けられる 有酸素持久力、ロング走
ゾーン3 ややきつい テンポ走、一定ペース走
ゾーン4 きつい 閾値、インターバル
ゾーン5 非常にきつい VO2max、短時間の高強度

ゾーン2は、息を切らして頑張る強度ではありません。

比較的長時間続けられる強度で走り、有酸素能力の土台を少しずつ育てていきます。

▶︎ 心拍ゾーンの計算・設定方法|Suuntoウォッチで強度管理を始める基本

ゾーン2はどれくらい楽に感じる?

ゾーン2は、心拍数だけで判断する必要はありません。

体感では、次のような状態がひとつの目安です。

  • 息を切らさずに会話を続けられる
  • 呼吸は少し深くなるが、コントロールできる
  • 「まだしばらく走れそう」と感じる
  • トレーニング後にも余力が残っている

特に簡単なのがトークテストです。

走りながら文章を区切らずに話せる程度なら、低強度の有酸素領域にいる可能性が高くなります。

逆に数語話すだけで息が切れるなら、ゾーン2を超えている可能性があります。

ゾーン2が「遅すぎる」と感じるのはなぜ?

ゾーン2トレーニングを始めたランナーがよく感じるのが、

「こんなにゆっくりで本当にトレーニングになるの?」

という疑問です。

特にこれまで毎回ある程度速く走っていた人ほど、心拍をゾーン2に収めるとペースが大きく落ちることがあります。

坂道では、走り続けるだけで心拍が上がり、歩かないとゾーン2を維持できないこともあります。

それでも問題ありません。

ゾーン2の目的は、決められたペースで走ることではなく、決められた運動強度で身体へ刺激を入れることだからです。

継続していくと、同じ心拍数でも少しずつ速く走れるようになったり、長く走った後の疲労が少なくなったりする変化が見えてきます。

「ゆっくり走るのが苦手」という人は、イージーランが知らないうちに速くなっていないかも確認してみましょう。

▶︎ イージーランが速すぎる?ランニングの「トレーニング・ブラックホール」とは

森の中でゾーン2ランニングを行うランナー

ゾーン2トレーニングの効果

ゾーン2トレーニングの価値は、1回のランニングですぐ大きな変化を感じることではありません。

数週間、数か月と積み重ねることで、長時間運動するための有酸素能力を高めていくことにあります。

有酸素持久力の土台を作る

低強度の運動では、身体は酸素を使いながらエネルギーを作り続けます。

ゾーン2トレーニングを継続することで、有酸素的にエネルギーを生み出し、長時間動き続ける能力を高めていくことができます。

マラソンやウルトラランニング、トレイルランニングなどでは、この土台が特に重要です。

脂肪をエネルギーとして使う能力を高める

低強度の持久運動を継続すると、身体は脂肪をエネルギー源として利用する能力を高めていきます。

長時間のレースでは体内に保存できるグリコーゲンに限りがあるため、脂肪も効率よくエネルギーとして利用できることが持久力に関わります。

疲労を抑えながらトレーニング量を積み重ねる

毎回高強度で走れば、身体への負荷は大きくなります。

一方でゾーン2は、一般的に高強度トレーニングより回復に必要な時間が短く、トレーニングを継続しやすい強度です。

1回のトレーニングで限界まで追い込むより、質の高いトレーニングを何週間も継続できること。

持久力を高めるうえでは、その積み重ねが重要です。

ゾーン2の心拍数はどれくらい?

「ゾーン2は心拍数○○bpm」と、すべての人に共通する数字があるわけではありません。

最大心拍数、安静時心拍数、乳酸閾値、トレーニング歴などによって適切な範囲は変わります。

一般的な最大心拍数ベースの5ゾーンモデルでは、ゾーン2を最大心拍数のおよそ60〜70%前後とする方法があります。

例えば最大心拍数が190bpmなら、単純計算では114〜133bpm前後がひとつの目安になります。

ただし、年齢から推定した最大心拍数には個人差があります。

計算式だけを絶対視せず、心拍数と体感の両方を確認することが大切です。

自分のゾーン2を見つける4つの方法

1. 最大心拍数から計算する

最も簡単なのは、最大心拍数を基準にする方法です。

初心者が心拍トレーニングを始めるときの入口として使いやすく、スポーツウォッチでも一般的に利用されています。

実測した最大心拍数が分かっている場合は、その値を設定した方が自分に合うゾーンを作りやすくなります。

2. 乳酸閾値心拍数を使う

よりトレーニング経験があるランナーなら、乳酸閾値心拍数を基準に心拍ゾーンを設定する方法もあります。

乳酸閾値を正確に知るにはラボでの測定などが必要ですが、フィールドテストなどから推定する方法もあります。

最初からすべてのランナーがここまで細かく測定する必要はありません。

3. トークテストを使う

道具を使わず簡単に試せるのが、先ほど紹介したトークテストです。

自然な会話を続けられる程度の強度を目安にします。

ウォッチの数字と自分の感覚が大きくずれていないかを確認する方法としても役立ちます。

4. 心拍ドリフトを見る

一定ペースで長く走っていると、時間の経過とともに心拍数が少しずつ上がることがあります。

これを心拍ドリフトと呼びます。

低強度で一定時間走ったとき、後半に心拍が大きく上がらず安定しているかを見ることで、その強度が自分にとって無理のない有酸素領域かを考える材料になります。

ただし、暑さ、湿度、脱水、疲労などでも心拍は上がるため、1回の結果だけで判断しないようにしましょう。

Suuntoウォッチで心拍ゾーンを使う

Suuntoウォッチでは、運動中に心拍ゾーンを確認しながらトレーニングできます。

Suunto Runでは、次の3種類の心拍ゾーンモデルから選択できます。

  • 最大心拍数を基準にしたゾーン
  • 心拍予備能を基準にしたゾーン
  • 乳酸閾値心拍数を基準にしたゾーン

心拍トレーニング初心者なら、まず最大心拍数を使った設定から始めても問題ありません。

トレーニングを続けて自分の最大心拍数や乳酸閾値が分かってきたら、より自分に合う設定へ変更できます。

Suuntoアプリでは、運動後に心拍数やトレーニング負荷などを振り返り、長期的な変化を確認できます。

Suuntoウォッチで心拍ゾーンを確認する画面

ゾーン2だけ走ればいい?80/20の考え方

ゾーン2の重要性を知ると、

「それなら全部ゾーン2で走ればいいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、ゾーン2はトレーニング全体の土台であって、すべてではありません。

持久系スポーツでは、トレーニングの多くを低強度にし、一部を高強度にする80/20のような考え方があります。

例えば大まかなイメージとして、

  • 約80%:ゾーン1〜2を中心とした低強度
  • 約20%:テンポ走、閾値走、インターバルなどの高強度

と分けます。

これは「必ず80:20にしなければならない」というルールではありません。

重要なのは、楽に走る日は十分楽にし、高強度の日には目的を持ってしっかり負荷をかけることです。

毎回ちょっときつい強度で走ると、低強度のメリットも高強度のメリットも得にくくなることがあります。

暑さ・疲労・睡眠不足の日はどうする?

ゾーン2ランニングでは、毎回同じペースを守る必要はありません。

同じ人が同じコースを走っても、その日の心拍数は変わります。

例えば、

  • 暑さ
  • 湿度
  • 睡眠不足
  • トレーニング疲労
  • 脱水
  • エネルギー不足

などによって心拍数は高くなりやすくなります。

普段6分/kmでゾーン2を維持できていても、真夏には同じペースでゾーン3まで上がることがあります。

そんな日は、6分/kmを守ることより予定していた低強度を守ることを優先します。

必要ならペースを落としましょう。

長時間走る場合は、水分だけでなく炭水化物や電解質の補給も意識します。

Suuntoウォッチに表示された水分補給のリマインダー

また、普段より心拍が高い理由が疲労にある場合もあります。

睡眠やHRVなどを長期的に確認すると、回復状態を考える材料になります。

▶︎ HRV(心拍変動)とは?回復・トレーニングへの活かし方

トレイルランでは歩いてもOK

トレイルランニングでは、ゾーン2を維持することがロード以上に難しくなります。

急な登りへ入ると、走るスピードが遅くても心拍数が一気に上がるからです。

そんなときは、無理に走り続ける必要はありません。

パワーハイクや早歩きに切り替えても、運動強度がゾーン2なら有効な有酸素トレーニングです。

トレイルランナーにとって「全部走ること」と「適切な強度でトレーニングすること」は別です。

特にロングトレイルでは、走る・歩くを使い分ける能力自体が重要になります。

▶︎ トレランの登りを速くするには?持久力・筋力・テクニックを鍛える方法

心拍ゾーンとZoneSenseは何が違う?

ここで混同しやすいのが、通常の心拍ゾーンSuunto ZoneSenseです。

心拍ゾーンは、最大心拍数や乳酸閾値心拍数などを基準にあらかじめ設定した範囲で、運動強度をゾーン1〜5に分けて管理します。

一方、ZoneSenseは心拍ベルトから取得した一拍ごとのR-R間隔を解析し、その日の身体が感じている運動強度をリアルタイムに評価します。

ZoneSenseでは、強度を主に次の3領域で確認します。

  • 有酸素領域
  • 無酸素領域
  • VO2max領域

例えば、同じペース・同じ心拍数で走っていても、暑さや疲労、長時間運動によって身体への内部負荷が変わることがあります。

心拍ゾーンは「設定した心拍数の範囲を見る方法」、ZoneSenseは「心拍変動からその日の内部負荷を見る方法」と考えると違いを理解しやすくなります。

ゾーン2トレーニングを始めるためにZoneSenseが必須というわけではありません。

まずは通常の心拍ゾーンと体感から始め、より深く運動強度を確認したい場合に活用できます。

▶︎ 心拍ベルトで運動強度がわかる?Suunto ZoneSenseの仕組みと使い方

▶︎ Suunto ZoneSenseと心拍ベルトの使い方|対応機種・仕組み・よくある質問

ゾーン2の効果をどう確認する?

ゾーン2トレーニングは、高強度インターバルのように「今日やったから明日速くなる」というものではありません。

効果は、長期的な変化として確認します。

同じ心拍数で速く走れるようになる

以前は心拍140bpmで6分30秒/kmだったのが、数か月後には同じ140bpmで6分10秒/kmで走れる。

こうした変化は、有酸素効率が向上している可能性を示します。

同じペースで心拍数が低くなる

逆に、以前と同じペースなのに心拍数が低くなることも進歩のひとつです。

ロング走後の疲労が減る

以前は90分走ると翌日まで強い疲労が残っていたのに、同じ時間を走っても回復が早くなる。

これも有酸素能力の向上を感じられる変化です。

1回の心拍数ではなく、数週間から数か月の傾向を比較することが大切です。

ゾーン2トレーニングにSuuntoを活用する

ゾーン2トレーニングで重要なのは、速く走ることより予定した強度を維持することです。

ランニング中に心拍ゾーンを確認できるスポーツウォッチがあれば、「気持ちよく走っていたらいつの間にかゾーン3」という状態にも気づきやすくなります。

Suunto Runは、ランニングを中心に日々のペースや心拍、トレーニングを記録したいランナー向けの軽量スポーツウォッチです。

最大心拍数、心拍予備能、乳酸閾値心拍数による心拍ゾーン設定にも対応しているため、自分のレベルに合わせてゾーン2トレーニングを始められます。

レース、ロングラン、トレイルランニングなども含めて、より幅広くトレーニングを管理したい場合はSuunto Race 2も選択肢です。

Suunto Runを見る Suunto Race 2を見る

まとめ|ゆっくり走ることが、速くなる土台を作る

ゾーン2ランニングは、一見すると地味なトレーニングです。

速いタイムが出るわけでもありません。

息を切らすほど追い込むわけでもありません。

ときには、普段より大幅にペースを落としたり、坂道を歩いたりする必要もあります。

それでも、低強度の有酸素トレーニングを継続することは、長時間走り続けるための重要な土台になります。

  • 会話できる程度の強度を目安にする
  • 心拍ゾーンを使って強度を確認する
  • ペースではなく、その日の身体に合わせて調整する
  • ゾーン2だけでなく高強度トレーニングも目的に応じて組み合わせる
  • 数週間ではなく数か月単位で変化を見る

「今日はどれだけ速く走れたか」ではなく、「予定した低強度を守れたか」。

ゾーン2の日は、その基準でトレーニングを振り返ってみてください。

ゆっくり走る時間の積み重ねが、より速く、より長く走るための土台になっていきます。

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