トレイルランニングでは、ロードランニングとは違う力が求められます。
登りで心拍数が上がる。下りで脚に負担がかかる。テクニカルな路面でリズムが崩れる。レース後半になると、登り返しで思うように脚が動かない。こうした場面に強くなるには、ただ距離を走るだけでなく、目的に合わせたトレーニングを取り入れることが大切です。
インターバルトレーニングは、トレイルランナーにとって効果的な練習方法のひとつです。短い時間で負荷を高めながら、登りの走力、心肺機能、ペース維持力、下りの技術を鍛えることができます。
この記事では、トレイルランナーにおすすめの3つのインターバルトレーニングメニューを紹介します。
▶︎関連記事:トレランにおすすめのGPSスマートウォッチとは?必要な機能と選び方
目次
- トレイルランナーにインターバルトレーニングが必要な理由
- 始める前に確認したいこと
- メニュー1:VO2max向上インターバル
- メニュー2:閾値インターバル
- メニュー3:下りインターバル
- Suuntoウォッチでインターバルトレーニングを管理する
- どのくらいの頻度で行うべき?
- Suuntoウォッチでトレイルランの練習をもっと計画的に
- まとめ|登り・閾値・下りを鍛えて、トレイルランをもっと強く
トレイルランナーにインターバルトレーニングが必要な理由
トレイルランでは、一定ペースで走り続ける場面ばかりではありません。
登りでは心拍数が上がり、下りでは脚への衝撃が増え、路面状況によってペースも変わります。だからこそ、トレイルランナーには「強く走る時間」と「回復しながら動き続ける時間」を繰り返す練習が役立ちます。
登りで心拍数が上がりやすい
登りでは、スピードが遅くても心拍数が大きく上がることがあります。
インターバルトレーニングで高い心拍ゾーンに入る練習をしておくと、登りでの負荷に慣れやすくなります。特に短い登りやレース中の急な登り返しでは、心肺機能の余裕がパフォーマンスに影響します。
レース後半の登り返しに強くなる
トレイルレースでは、下った後に再び登る場面があります。
脚が疲れた状態で登りに入ると、ペースが落ちやすくなります。登りとリカバリーを組み合わせたインターバルを行うことで、疲労した状態でも動き続ける力を鍛えやすくなります。
下りはスピードだけでなく技術も必要
トレイルの下りでは、心肺機能よりも技術や集中力が重要になることがあります。
路面を読む、接地を安定させる、ブレーキをかけすぎない、リズムを保つ。こうした下りの動きは、実際の地形で繰り返し練習することで身につきやすくなります。
始める前に確認したいこと
インターバルトレーニングは負荷が高い練習です。
疲労が残っている日や、筋肉痛が強い日は無理に行わないようにしましょう。良いインターバル練習を行うには、前のトレーニングからしっかり回復していることが大切です。疲れているときは、予定していたメニューを延期する判断も必要です。
20分続けて走れるようになってから始める
インターバルトレーニングは、まず20分程度を無理なく走れるようになってから始めるのがおすすめです。走り始めたばかりの場合は、ジョギングやハイキングを組み合わせて、基礎体力を作ることを優先しましょう。
心拍ゾーンを確認しておく
インターバルトレーニングでは、感覚だけでなく心拍数も参考になります。
Suuntoウォッチでは、心拍数や心拍ゾーンを確認しながら走ることができます。VO2max向けの高強度メニューなのか、閾値付近で粘るメニューなのかによって、目安にする強度が変わります。
心拍ゾーンの基本はこちらの記事でも解説できます。
▶︎関連記事:心拍ゾーンとは?ランニングトレーニングでの使い方
ウォッチにワークアウトメニューを入れておく
時間や本数が決まっているインターバルは、ウォッチで管理すると走りに集中しやすくなります。
Suuntoアプリでワークアウトメニューを作成してウォッチに同期しておけば、ウォームアップ、インターバル、リカバリー、クールダウンを手元で確認しながら進められます。
▶︎関連記事:インターバルトレーニングのやり方|ランニング向けワークアウトをSuuntoアプリで作成する方法
メニュー1:VO2max向上インターバル

VO2max向上インターバルは、心肺機能を高めたいトレイルランナーにおすすめのメニューです。
登りで強い負荷をかけることで、レース中の急な登りやペースアップに対応しやすくなります。
目的
このメニューの目的は、VO2maxの向上です。
高い強度で走る時間を作ることで、心肺機能に刺激を入れます。登りで行うとスピードを出しすぎなくても心拍数を上げやすく、トレイルランニングに近い負荷を作りやすくなります。
強度の目安
最大心拍数の約90%を目安にします。
かなりきつい強度ですが、全力疾走ではありません。後半の本数でもフォームを崩さず、同じくらいの負荷で走れるペースを意識しましょう。
メニュー例
ウォームアップ:20分
最初の15分はゆっくり走ります。その後、1分だけ少し強めに走り、1分ゆっくり走って回復します。これを2回ほど行い、最後に2分ゆっくり走ってからインターバルに入ります。
インターバル:4分 × 4〜6本
4分間、登りを高強度で走ります。リカバリーは2分です。止まらずに、ゆっくりジョグまたは歩きで動き続けます。
初めて行う場合は4本から始めましょう。慣れていてコンディションが良い場合は5〜6本まで増やせます。
クールダウン:10〜15分
インターバル後は、10〜15分ほどゆっくり走るかジョグをして身体を落ち着かせます。
実施場所
できれば、走り続けられる緩やかな登りで行います。
長い登りがある場合は、登りで4分走り、2分ゆっくり下る、または歩いて戻る形で行えます。長い登りがない場合は、登りを含む周回コースを使うと実施しやすくなります。
ポイント
1本目から飛ばしすぎないことが大切です。
すべての本数で同じ距離、または少しずつ長い距離を走れるくらいのペースが理想です。最初だけ速く、後半に大きく落ちる場合は、設定ペースが速すぎる可能性があります。
メニュー2:閾値インターバル

閾値インターバルは、登りで粘る力を高めたいトレイルランナーにおすすめです。
VO2max向上インターバルよりも少し低い強度で、長めの時間走ります。レース中に「きついけれど維持できる」強度を保つ練習になります。
目的
このメニューの目的は、閾値付近で走る力を高めることです。
トレイルレースでは、長い登りを一定の負荷で進む場面があります。閾値インターバルを取り入れることで、登りでのペース維持力や疲労耐性を鍛えやすくなります。
強度の目安
最大心拍数の約82〜87%を目安にします。
VO2max向上インターバルほどきつくはありません。乳酸で脚が重くなるような強度ではなく、呼吸は弾むけれどコントロールできる強度を意識します。
メニュー例
ウォームアップ:20分
15分ゆっくり走り、その後1分やや強め、1分ゆっくりを2回ほど行います。最後に2分ゆっくり走ってからインターバルに入ります。
インターバル:8分 × 3〜6本
8分間、登りまたは起伏のある道を一定の強度で走ります。リカバリーは2分、またはスタート地点までゆっくり下る時間を使います。
初めての場合は3本から。慣れているランナーは最大6本を目安にします。
クールダウン:10〜15分
最後は10〜15分、楽なペースで走って終了します。
実施場所
長い登り、または登り下りを含む周回コースがおすすめです。
同じ坂を登って下る形でも構いません。トレイルレースでは、下ったあとに再び登る場面が多いため、下りを挟んで次の登りに入る練習にもなります。
ポイント
最後にスプリントしないことが大切です。
このメニューは、ゴール前の全力走ではなく、一定の負荷を保つ練習です。後半まで同じペースで走れるように、最初からコントロールして入りましょう。
メニュー3:下りインターバル
下りインターバルは、トレイルの下りに自信をつけたいランナーにおすすめです。
このメニューでは、心拍数を上げることよりも、下りの技術、集中力、リズムを高めることを重視します。
目的
目的は、下りの走り方を上達させることです。
下りでは、スピードだけでなく、足の置き方、視線、バランス、ブレーキのかけ方が重要になります。短い下りを繰り返すことで、路面を読む力や安定した接地を身につけやすくなります。
強度の目安
心拍数よりも、集中して安全に走れるスピードを優先します。
転倒リスクが高いテクニカルな下りでは、無理にタイムを狙わないようにしましょう。慣れないうちは、走りやすい斜面で行うのがおすすめです。
メニュー例
ウォームアップ:10〜15分
平坦または緩やかな道で身体を温めます。
インターバル:下り最大2分 × 6〜7本
まずゴール地点を決め、そこからゆっくり歩いてスタート地点まで登ります。
1本目は余裕のあるペースで下ります。2本目以降は、フォームを崩さない範囲で少しずつスムーズに走ることを意識します。毎回タイムを確認しながら、無理のない範囲でリズムを上げていきます。
クールダウン:5〜10分
最後に5〜10分、ゆっくり走って終了します。
実施場所
レースを予定している場合は、レースに近い路面を選ぶと実践的です。
岩場、ぬかるみ、急斜面、根の多い道など、レースで出てくる地形に近い場所で練習できると効果的です。ただし、安全に走れる範囲で行いましょう。
ポイント
短く集中して行うことが大切です。
下りの練習は、集中力が切れると転倒や捻挫につながりやすくなります。疲れてきたら本数を減らし、無理に続けないようにしましょう。
Suuntoウォッチでインターバルトレーニングを管理する

インターバルトレーニングでは、時間、心拍数、リカバリー、本数を確認しながら走ることが重要です。
Suuntoウォッチを使えば、トレーニング中に心拍数やペース、ラップ、時間を手元で確認できます。Suuntoアプリで作成したワークアウトメニューをウォッチに同期しておけば、走っている最中に次のステップを確認しやすくなります。
心拍ゾーンで強度を確認する
VO2max向上インターバルでは高い心拍ゾーン、閾値インターバルではやや高い心拍ゾーンを目安にします。
感覚だけでなく心拍数を確認することで、強度が高すぎる、または低すぎることに気づきやすくなります。
ラップや距離でペースの落ち方を見る
同じ4分間でも、1本目と最後の本数で進んだ距離が大きく違う場合は、最初のペースが速すぎた可能性があります。
アクティビティ後にSuuntoアプリでラップや心拍数を振り返ることで、次回の設定を調整しやすくなります。
トレーニング後は回復も確認する
高強度トレーニングの後は、回復を確認することも大切です。
睡眠、HRV、トレーニング負荷、疲労感を見ながら、次のポイント練習までの間隔を調整しましょう。
▶︎関連記事:HRVとは?心拍変動を理解してトレーニングの回復を最適化する方法
どのくらいの頻度で行うべき?
インターバルトレーニングは、毎日行う練習ではありません。
週に1回程度から始め、慣れてきても高強度のポイント練習は週1〜2回を目安にすると続けやすくなります。トレイルランでは、ロング走、イージーラン、筋力トレーニング、休養とのバランスも大切です。
初心者は1メニューだけで十分
トレイルランを始めたばかりの方は、いきなり3種類すべてを行う必要はありません。
まずは閾値インターバルや短めの坂道インターバルから始め、身体の反応を見ながら少しずつ取り入れましょう。
レース前は目的に合わせて選ぶ
登りが多いレースならVO2max向上インターバルや閾値インターバル、テクニカルな下りが多いレースなら下りインターバルを取り入れるなど、目標レースに合わせて選ぶと実践的です。
Suuntoウォッチでトレイルランの練習をもっと計画的に

トレイルランニングでは、登り、下り、起伏、路面変化など、ロードとは違う負荷に対応する力が必要です。
Suuntoのスポーツウォッチは、心拍数、GPS、ルートナビゲーション、クライムガイダンス、トレーニング負荷、リカバリー確認など、トレイルランナーの練習とレースをサポートする機能を備えています。
インターバルトレーニングを計画的に取り入れたい方は、SuuntoアプリとSuuntoウォッチを活用して、自分の走りを確認してみてください。
▶︎関連記事:インターバルトレーニングのやり方|ランニング向けワークアウトをSuuntoアプリで作成する方法
まとめ|登り・閾値・下りを鍛えて、トレイルランをもっと強く
トレイルランナーにとって、インターバルトレーニングは登りの走力、心肺機能、ペース維持力、下りの技術を高めるために役立ちます。
VO2max向上インターバルでは高い強度に慣れ、閾値インターバルでは登りで粘る力を鍛え、下りインターバルでは安全に速く下るための技術を磨きます。
大切なのは、疲れている日に無理をしないこと、最初から飛ばしすぎないこと、目的に合わせてメニューを選ぶことです。
Suuntoウォッチで心拍数や時間、ラップ、回復状態を確認しながら、自分に合ったペースでトレイルランの練習を続けていきましょう。