KAGASPA 50K優勝・吉住友里選手が語る、Suunto Race 2でレースを組み立てる方法

SuuntoClimb, SuuntoRun, UTMBJuly 10 2026

2026年6月20日・21日、石川県加賀市・山中温泉を舞台に「Kaga Spa Trail Endurance 100 by UTMB® 2026」が開催されました。

UTMB World Seriesの一戦である同大会のKAGASPA 50Kにおいて、GPSスポーツウォッチブランドSUUNTOのブランドアンバサダーを務める吉住友里選手が、6時間8分16秒で女子総合優勝を果たしました。

▶︎関連記事:「Kaga Spa Trail Endurance 100 by UTMB® 2026|吉住友里が50K優勝、長谷怜信が100Kで4位

雨で路面がぬかるむタフなコンディションの中、吉住選手は事前に設定したタイムチャートをほぼ崩すことなく、安定したレースを展開しました。

その走りを支えていたのは、綿密な試走と、日々積み重ねてきたデータ。そして、ルートナビゲーション、高精度デュアルバンドGPS、長時間バッテリー、心拍・ラップ記録、Suunto Appでの分析までを一つにつなぐ、Suunto Race 2の存在です。

トップアスリートは、GPSウォッチで何を見て、どのようにレースを組み立てているのでしょうか。

レース後の吉住選手に、Kaga Spaでの走りを振り返りながら、Suunto Race 2の実践的な使い方を聞きました。

まずは舞台を知る。Kaga Spaというレースの魅力

今回のレースで最も印象に残った場面を尋ねると、吉住選手は笑いながらこう答えました。

「もう、雨でドロドロすぎて大変でした」

雨によってぬかるんだ路面は、Kaga Spaのコースをさらにタフなものにしました。

ロードや林道をつなぎながら、山に入れば本格的な登りと下りが待っています。変化に富んだコースは、走力だけでなく、その場に応じた判断力も求められます。

それでも吉住選手は、この大会に特別な魅力を感じていると語ります。

「山中温泉のこの雰囲気がすごく好きなんです。つなぎの部分にはロードや林道もありますが、山の部分は本当に山岳レースで、すごく面白いコースだと思います」

地域の空気、温泉街の雰囲気、そして本格的な山岳区間。異なる要素が一つのレースの中に共存していることが、Kaga Spaならではの魅力です。

厳しいコンディションの中でも、吉住選手は目標としていた6時間10分に対し、6時間8分16秒でフィニッシュしました。

なぜ、これほど計画に近いレースができたのでしょうか。

その背景には、事前の試走、過去の記録、そしてSuunto Race 2に蓄積されたデータがありました。

SUUNTO活用術

1. 試走でルートを確認し、レースの設計図をつくる

今回、吉住選手が掲げていた目標タイムは6時間10分でした。

ただし、それは単にゴールタイムだけを決めたものではありません。事前の試走をもとに、エイドステーション間の所要時間を細かく設定し、区間ごとのタイムチャートとして組み立てていました。

「事前に現地入りして、試走もすべて行っていました。少し頑張ればこのくらいのタイムで走れるかな、という目安をエイド間ごとに組んで、6時間10分を目標タイムに設定しました」

実際のレースでも、各エイドの通過タイムはほぼ設定通りだったといいます。

「エイドの通過タイムもほぼ設定通りだったので、本当に自分のレースができたと思います」

フィニッシュタイムは6時間8分16秒。目標より約2分速く、事前に組み立てたプランに近い形でレースを進めることができました。

このタイムチャートの精度を支えているのが、試走で得た感覚と、これまで積み重ねてきたデータです。

吉住選手は、レース前の試走でSuunto Race 2のナビゲーション機能を活用しています。

「試走の時は、ナビゲーションを使って地図を見ながら走っています。上りが始まるとか、下りが始まるとか、何キロくらい上るのかといった情報を時計が教えてくれるので、それはよく見ています」

トレイルレースでは、距離だけでなく、「どこで登りが始まるのか」「どのくらい登るのか」「次の下りまでどれくらいか」を把握することが、ペース配分に直結します。

Suunto Race 2は、ルートナビゲーションやオフラインマップによって、現在地や進行方向、コースの流れを確認できます。さらに、登り下りの情報を把握することで、試走の段階から「どの区間でどれくらい時間がかかるか」を具体的にイメージできます。

吉住選手は、こうした情報をもとに、エイド間のタイムチャートを組み立てていきます。

「試走のラップも、細かく取って全部書き出しています」

Suunto Race 2で取得したルート、ラップ、標高、ペースのデータと、日々の練習日記。二つを組み合わせることで、コースの記憶はより精度の高いレースプランへと変わっていきます。

SUUNTOのルートナビゲーションは、単に道を確認するだけの機能ではありません。

次に始まる登りや下りを把握し、どこで力を使うのか、どこで抑えるのかを考えるための情報になります。

▶︎関連記事:「登山・トレイルでルートをナビゲーション|Suuntoクライムガイダンスの便利な使い方を解説

2. 過去のログから、目標タイムを組み立てる

吉住選手は、ランニングを始めた頃から毎日、練習日記をつけています。

トレーニングの内容だけでなく、細かく取得したラップタイムも書き出し、自分の感覚と記録を照らし合わせてきました。

「ずっとログを取り続けています。細かくラップを取った時は、それも全部書き出します。練習も試走も記録しているので、去年の試走についても日記を見れば分かります」

過去の記録が残っているからこそ、今年の走りと比較できます。

今年は試走でも昨年より速く走れており、それを「昨年より調子が良いかもしれない」と判断する材料にしていました。

また、過去のデータは、試走できないレースの準備にも役立っています。

「何度もレースをしていると、このくらいの距離で、このくらい登るコースならどのくらい時間がかかる、ということが過去のデータから分かるようになってきます」

距離、上昇量、下降量、路面の特徴。過去の経験とデータを組み合わせることで、試走できない海外レースでも、おおよそのタイムチャートを作れるようになったといいます。

「試走できない海外のレースでも、大体のタイムチャートは作れます。データを取り続けていると、かなり正確に組めるようになってくるので、すごく役に立っています」

Suunto Race 2とSuunto Appに記録されたデータは、単なる過去の記録ではありません。

自分がどの距離で、どのくらい登り、どのくらいの強度で走れたのかを示す、次のレース設計の材料です。

吉住選手にとって、レースはスタートしてから考えるものではありません。

コースを読み、試走で感覚を確かめ、過去のログを重ねながら、スタート前に自分のレースを設計していきます。

3. レース中は“見すぎない”。必要な時にラップを確認する

日頃から細かくデータを記録している一方で、吉住選手はレース本番では時計をほとんど見ないといいます。

「走っている時は、レース中にあまり時計を見ないようにしています。逆に感覚を大事にしています」

これは、データを使っていないという意味ではありません。

事前に試走で得たデータをもとにタイムチャートを作り、本番ではエイドごとのラップを確認しながら、想定より速いのか遅いのかを調整します。

「自分で設定タイムを組んでいるので、エイドのラップを見ながら、少し速いとか、少し遅いとかを調整するくらいです」

トップアスリートであっても、レース中にすべての数値を追い続けるわけではありません。

吉住選手は、日々の練習や試走で十分にデータを蓄積しているからこそ、本番では身体の感覚を信じて走ります。

そのうえで、必要なタイミングでラップを確認し、レース全体の進み具合を調整します。

Suunto Race 2は、距離、経過時間、ラップ、ペース、心拍数、累積上昇高度など、レース中に必要な情報を表示できます。重要なのは、すべてを見ることではなく、自分のレースに必要な情報を選び、判断に活かすことです。

データに判断を任せるのではなく、感覚を支える根拠として使う。

それが吉住選手のSuunto Race 2活用術です。

4. 最高精度GPSと長時間バッテリーで、最後までログを残す

吉住選手は今回のレースでも、GPS精度を優先した設定で走りました。

「私が走る距離であればバッテリーが切れることはないので、いつも一番精度の高い設定にしています」

Suunto Race 2は、高精度デュアルバンドGPSによって、山岳エリアや複雑なトレイルコースでも走行ログを記録できます。

さらに、最高精度のGPS設定で最大55時間の計測に対応します。今回のレース時間に対して十分な余裕があったため、吉住選手はバッテリー持続時間よりもGPS精度を優先しました。

▶︎関連記事:「SUUNTOのGPSウォッチのバッテリーモードを解説|違い・選び方・長持ちさせる方法

長時間のトレイルレースでは、途中でバッテリーを気にせず、最後までログを残せることも重要です。

ルート、距離、ペース、心拍、標高変化をレース全体で記録できるからこそ、レース後の振り返りにも活用できます。

Suunto Race 2は、本番中に情報を確認するためだけの時計ではありません。

次のレースにつながるデータを、最後まで記録するためのツールでもあります。

5. Suunto Appで、感覚とデータを照らし合わせる

フィニッシュした後も、吉住選手のレースは完全には終わっていません。

Suunto Race 2に記録されたデータは、Suunto Appで確認できます。走行ルート、距離、ペース、心拍数、累積上昇高度、ラップなどを振り返ることで、レース中の感覚と実際のデータを照らし合わせることができます。

Suunto Appに記録された吉住友里選手のKAGASPA 50K走行データ。走行ルートや心拍数、累積上昇高度などを確認できる。

▶ 吉住友里選手のKAGASPA 50K走行データを見る

※画面に表示されている距離、累積上昇高度、記録時間はSuunto Race 2による計測値です。大会公式のコース距離、累積標高、フィニッシュタイムとは異なる場合があります。

「後から心拍データを見て、どのくらいで走れていたのかを確認します。自分の感覚と合っているのか、合っていないのか。ここは追い込めていたけれど、ここはもう少し追い込めたかもしれない、ということを振り返るのも楽しみです」

レース中に「きつい」と感じた区間は、心拍数やペースにどう表れていたのか。

試走より速く走れた区間はどこか。

登りでどれくらい粘れたのか。

下りでどの程度スピードを出せていたのか。

Suunto Appでデータを振り返ることで、感覚だけでは見えにくいレースの中身が明確になります。

データは、単なる記録ではありません。自分の走りを理解し、次のトレーニングやレースに活かすための材料です。

試走し、記録し、本番を走り、Suunto Appで振り返る。

このサイクルを繰り返すことで、吉住選手の中にあるデータベースは更新され、次のタイムチャートの精度も高まっていきます。

100Kに挑戦するランナーにおすすめしたい、Race 2の使い方

KAGASPA 50Kを走り切った吉住選手に、これから初めて100kmのレースに挑戦するランナーへのアドバイスを聞きました。

「100kmを走るのであれば、一度は60km、70kmくらいを走っておいた方がいいと思います」

本番で初めて長時間動き続けるのではなく、事前に100kmに近い距離や時間を経験しておく。

その中で、自分の身体にどのような変化が起こるのかを知ることが重要です。

そして、もう一つ欠かせないのが補給計画です。

「補給のタイミングはすごく重要です。何を、どのタイミングで摂るのか、ある程度しっかり計画を立てておくことが大事だと思います」

長い距離への挑戦では、スタート前に重ねた準備が、レース後半の自分を支えてくれます。

走力だけでなく、距離への慣れ、補給、装備、ペース配分。その一つひとつを事前に試し、自分に合う方法を見つけておくことが大切です。

Suunto Race 2は、こうした100Kへの準備にも役立ちます。

事前にルートを設定し、オフラインマップやルートナビゲーションでコースを確認する。

試走やロング走のログを残し、ペースや心拍、標高変化を振り返る。

本番では距離、経過時間、ラップ、心拍、累積上昇高度などを表示し、自分に必要な情報を確認する。

レース後にはSuunto Appでログを振り返り、次のトレーニングへつなげる。

長い距離では、体力だけでなく、準備と判断が重要です。

どこで登りが始まるのか。

次のエイドまでどれくらいか。

予定より速いのか、遅いのか。

心拍は上がりすぎていないか。

最後までログを残せるバッテリー設定になっているか。

こうした情報を事前に確認し、本番で必要な時に使えるようにしておくことが、レース中の安心感につながります。

まとめ:Suunto Race 2は、感覚を磨くためのデータを残す

吉住選手の走りを支えているのは、一度の特別なトレーニングではありません。

日々の練習を記録し、試走でコースを確認し、本番でログを残し、レース後に振り返る。その地道な積み重ねです。

Suunto Race 2は、その一連のプロセスを支えます。

ルートナビゲーションでコースを把握する。

高精度デュアルバンドGPSで走行ログを記録する。

心拍、ペース、ラップ、標高データを残す。

Suunto Appでレース後に振り返る。

データを集める目的は、数字に走りを支配させることではありません。

自分の感覚を確かめ、次のレースでその感覚を信じられるようにすることです。

感覚とデータは、対立するものではありません。記録を積み重ねることで感覚を磨き、本番ではその感覚を信じる。

雨のKaga Spaで見せた吉住選手の走りは、日々の記録と経験、そしてSuunto Race 2に蓄積されたデータが一つの結果につながったレースでした。

吉住選手使用モデル:Suunto Race 2 Coral Orange

Suunto Race 2は、トレイルランニング、ウルトラランニング、登山、アウトドアスポーツに対応する高性能GPSスポーツウォッチです。

主な機能

  • 高精度デュアルバンドGPS:山岳エリアや複雑なコースでも、走行ルートを高精度に記録。
  • 無料オフラインマップ:事前に地図をダウンロードしておくことで、通信環境に左右されずに地図を確認可能。
  • ルートナビゲーション:試走やレース中にルートを確認し、進行方向やコースの流れを把握。
  • 登下降情報の確認:次に始まる登りや下りを把握し、ペース配分やレース設計に活用。
  • 最大55時間のGPS計測:最高精度のGPS設定でも長時間の計測に対応。
  • Suunto Appでのログ分析:ルート、距離、ペース、心拍、累積上昇高度などをレース後に確認可能。

今なら期間限定でRace 2が最大14%割引

Suunto Race 2は、トップアスリートのレースを支えるだけでなく、初めてロングトレイルや100kmレースに挑戦するランナーにとっても、準備・判断・振り返りをサポートする心強いパートナーです。

今なら期間限定セールで最大14%割引中。

セールページを見る

おすすめのSuunto製品

あなたへのおすすめ

Suunto Race S vs Race 2: Size, Weight, and Battery Life Compared

Suunto Race SとRace 2を比較。サイズ・重さ・バッテリーで選ぶならどっち?

Suuntoのスポーツウォッチを検討している人にとって、迷いやすいのが「Suunto Race S」と「Suunto Race 2」の違いです。 どちらもAMOLEDディスプレイ、オフラインマップ、115以上のスポーツモード、トレーニング分析機能を備えた、ランニングやトレイルランニング、レース、日々のトレーニングに活用できる高性能モデルです。Suunto Race Sは「小さく、軽く、日常に...
Suunto Vertical vs. Vertical 2: Key Differences Explained

Suunto Vertical vs Vertical 2|どちらを選ぶべき?5つの違いを徹底比較

「Suunto Verticalを買おうと思っていたら、Vertical 2が出ていた」「初代とどこが変わったのか、値段差に見合う進化があるのか知りたい」——そんな疑問を持つ方に向けて、この記事では2モデルの違いを5つのポイントに絞って整理します。 どちらを選ぶべきかの判断基準も最後に明確にまとめていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。 Suunto Vertical と Vertic...
How to play music on a running watch | Run without your phone with Suunto Run × Spark

ランニングウォッチで音楽再生する方法|スマホなしで走れるSuunto Run × Sparkの使い方

ランニング中に音楽を聴きたいけれど、スマートフォンを持って走るのは重い。ポケットやランニングポーチの中で揺れるのが気になる。そんな悩みを感じたことはありませんか? 音楽再生に対応したランニングウォッチを使えば、スマートフォンを持たずに、より身軽に走ることができます。 Suunto Runは、ウォッチ本体に音楽を保存できるオフライン音楽機能を搭載したランニングウォッチです。Suunto ...
How to use HRV to optimize your recovery

HRVとは?心拍変動を理解してトレーニングの回復を最適化する方法

「練習しているのになかなか記録が伸びない」「疲れが取れない」と感じたことはありませんか?その原因は、回復の質にあるかもしれません。近年、アスリートから健康意識の高いビジネスパーソンまで幅広い層で注目されているのが HRV(心拍変動) という指標です。 この記事では、HRVとは何か、正常値の考え方、HRVが低いときに体に何が起きているのか、そしてSUUNTOのスマートウォッ...