苦しい時間も楽しむ|コートニー・ドウォルターに学ぶウルトラランニングの持久力

SuuntoRunNovember 19 2024

ウルトラランニングでは、脚の疲労だけでなく、「まだこんなに距離が残っている」という気持ちの揺れとも向き合うことになります。そんな苦しい局面を、コートニー・ドウォルターはレースを小さな区間に分け、前向きな言葉を繰り返し、好奇心を失わずに進むことで乗り越えてきました。

この記事では、2024年に公開されたインタビューをもとに、長時間のランニングにも応用しやすい彼女の考え方を紹介します。限界を無視して走るためではなく、状況を落ち着いて捉え、次の一歩に集中するためのヒントとして取り入れてみてください。

長いレースを小さく区切る

フィニッシュまでの距離をひとまとまりで考えると、途方もなく感じることがあります。コートニーが実践しているのは、レースを管理できる大きさに分け、次のエイドステーションや峠、補給のタイミングなど、目の前の節目に集中する方法です。

考える範囲を狭めると、「あと何十kmもある」から「次のエイドまで進む」へと課題が具体的になります。計画どおりに進まないときも、次の短い区間でペース、補給、装備を見直せるため、判断を立て直しやすくなります。

レース中に前へ進むコートニー・ドウォルター
遠いゴールではなく、まずは次の節目へ。課題を小さくすると行動に集中しやすくなります。

短い言葉で意識を整える

苦しいとき、コートニーは「Believe(信じる)」や「Right foot, left foot(右足、左足)」といった短い言葉を繰り返すと話しています。複雑な戦略を考える余裕がない場面でも、覚えやすい言葉なら注意を「いま行う動作」へ戻せます。

「Believe」は、私がよく使うマントラです。頭の中で何度も繰り返していると、どんな状況に見えても、進み続けられると信じること以外が入り込む余地がなくなります。

自分に合う言葉は人それぞれです。「次の木まで」「姿勢を戻す」「呼吸を整える」のように、いま取るべき行動と結びついた短いフレーズを、普段のロングランから試しておくとよいでしょう。

「ペインケーブ」と向き合う

コートニーは、疲労や不快感が強まる心理的な領域を「ペインケーブ(痛みの洞窟)」と表現します。そこに入ったときは、のみを手にして洞窟を少しずつ広げるイメージを持つそうです。苦しさを消そうとするのではなく、感覚を受け止めながら、できることを一つずつ続けるための比喩です。

ただし、通常の疲労と危険な兆候を混同しないことが大切です。鋭い痛み、胸の痛み、強いめまい、意識の混乱、熱中症や重い脱水が疑われる症状がある場合は、我慢して進まず、競技を中止してスタッフや医療機関の判断を仰いでください。

暗い時間にも楽しみを見つける

コートニーの走りを特徴づけるのは、タフさだけではありません。厳しい状況でも笑顔を見せ、色鮮やかな装備を選び、長い一日そのものを楽しもうとする姿勢です。

夕暮れの山岳コースを走るコートニー・ドウォルター
日没後の時間も、長距離レースならではの体験として捉えます。

彼女は、ウルトラレースで日が沈む瞬間には特別な感覚があると語ります。暗い山へ進むのは簡単ではありませんが、夜を越えて地形が再び見えるようになる日の出は、大きなエネルギーを与えてくれます。

つらさだけに意識が向いたら、空の色、風、応援の声、エイドで交わす短い会話など、周囲にある小さな変化へ注意を向けてみましょう。楽しさは疲労をなくすものではありませんが、レースに取り組む意味を思い出すきっかけになります。

トレーニングで実践する方法

メンタルの技術も、レース本番だけで急に使えるものではありません。安全に管理できるトレーニングの中で、次の方法を試してみましょう。

  • 区間を決める:ルートを坂、補給地点、時間などで分け、一区間ごとにペースと体調を確認する。
  • 自分の言葉を用意する:動作や判断につながる短いフレーズを2〜3個試し、使いやすいものを残す。
  • 補給と装備を練習する:空腹、脱水、冷え、ライトの不具合は判断力にも影響するため、本番と近い条件で手順を確認する。
  • 振り返りを残す:苦しくなった場面、そのとき有効だった行動、次回変えたい点を記録する。

走行距離を増やすだけでなく、負荷と回復のバランスも確認してください。トレーニング量の見方は、Suuntoでトレーニング負荷を理解し、管理する方法で詳しく紹介しています。

データを次の一歩に役立てる

暗い環境で手元のスポーツウォッチを確認するコートニー・ドウォルター
長時間の行動では、必要な情報をすぐ確認できるよう表示項目を整えておくことも大切です。

長距離では、ペース、心拍数、累積上昇、ルート、経過時間などを確認すると、感覚だけに頼らず状況を整理できます。ただし、すべての数値を追い続ける必要はありません。次の区間で必要な情報を絞り、補給やペース調整など具体的な行動につなげることが重要です。

本番前には、スポーツウォッチの画面、ナビゲーション、アラート、バッテリーモードを実際のトレーニングで確認しておきましょう。強度の変化を取り入れたい場合は、Suuntoアプリでインターバルトレーニングを計画する方法も参考になります。

まとめ:遠いゴールではなく、次の一歩へ

コートニー・ドウォルターのアプローチは、苦しさを否定するのではなく、課題を小さく分け、前向きな言葉と好奇心で次の一歩へ意識を戻すことです。区間分け、セルフトーク、補給や装備の手順は、日々のロングランから練習できます。

長時間のランニングを支える機能やモデルを比較したい方は、Suuntoスポーツウォッチ一覧をご覧ください。

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