ランニングのためのトレーニングは、走ることだけではありません。脚、臀部、体幹を支える筋力や関節を動かせる範囲を整えることも、安定した動きを続けるための土台になります。
自宅で行う室内トレーニングなら、雨や暑さで外へ出にくい日や、短時間しか取れない日にも取り入れられます。広いスペースや特別な器具がなくても始められます。
この記事では、ランナーが自宅で取り組みやすい7つの筋力・体幹・モビリティ種目と、初心者向けの組み合わせ方、安全に続けるポイントを紹介します。

ランナーが室内トレーニングを行うメリット
ランニングは同じ動きを繰り返す運動です。走る練習だけでは刺激しにくい動きや筋肉へ取り組むことで、姿勢や着地を支える土台を整えられます。
- 脚と臀部の筋力を補う
- 体幹を安定させる練習ができる
- 股関節や足首などの動きを確認できる
- 天候に左右されず短時間で実施できる
- 弱点や左右差に意識を向けやすい
ただし、補強トレーニングはランニングの代わりに距離を稼ぐものではありません。走る練習、回復、補強を目的に応じて組み合わせます。
始める前の準備
- 滑りにくく、手足を伸ばせるスペースを確保する
- 床の障害物を片づけ、必要に応じてマットを敷く
- 最初に数分間、その場歩きや軽い関節運動を行う
- 回数よりも、痛みなく安定したフォームを優先する
- ジャンプを行う場合は、階下への音や床の状態も確認する
初心者は各種目を少ない回数から試します。動作中に痛み、めまい、強い息苦しさなどが出た場合は中止してください。

1. モビリティ|股関節と背中を動かす
元記事でウルトラランナーのライアン・サンデスが重視しているのが、モビリティと筋力トレーニングです。室内では、走る前後や休養日に、股関節や胸椎を無理のない範囲で動かせます。
やり方
- 四つ這いになり、手を肩の下、膝を腰の下へ置く
- 片手を頭の横へ添える
- 息を吐きながら肘を反対側の腕へ近づける
- 息を吸いながら胸を開き、肘を天井方向へ向ける
- 左右5〜8回を目安に、ゆっくり繰り返す
腰を大きくひねるのではなく、痛みのない範囲で背中と胸の動きを感じます。
2. スクワット|脚と臀部をまとめて使う
スクワットは、臀部、太もも、体幹を連動させる基本的な動きです。最初は椅子を目印にすると深さを調整しやすくなります。
やり方
- 足を腰幅から肩幅程度に開く
- 胸を無理に張らず、背中を自然に保つ
- 椅子へ座るように、腰を後ろへ下げる
- 膝とつま先が大きく異なる方向を向かないようにする
- 足裏で床を押し、立ち上がる
8〜12回を1〜3セットの目安とし、まずは安定してできる回数から始めます。
3. リバースランジ|片脚で身体を支える
ランニングでは左右の脚へ交互に体重がかかります。後方へ足を引くリバースランジは、片脚で身体を支える練習として取り入れやすい種目です。
やり方
- 足を腰幅程度にして立つ
- 片足を後ろへ引き、前脚へ体重を乗せる
- 上体を安定させながら、両膝を曲げる
- 前脚で床を押し、元の位置へ戻る
- 左右各6〜10回を繰り返す
バランスが不安定な場合は、壁や椅子へ軽く手を添えます。膝や股関節に痛みが出ない深さへ調整してください。
4. グルートブリッジ|臀部を意識する
仰向けで行うグルートブリッジは、臀部と体幹を意識しやすい種目です。
やり方
- 仰向けになり、両膝を曲げて足裏を床へ置く
- 足を腰幅程度に開く
- 腹部へ軽く力を入れ、臀部を使って腰を持ち上げる
- 肩から膝が自然な線になる位置で止める
- 腰を反らしすぎず、ゆっくり下ろす
10〜15回を1〜3セットの目安にします。腰ではなく臀部を使っているか確認しましょう。
5. カーフレイズ|ふくらはぎと足首を鍛える
カーフレイズは、かかとを上げ下げしてふくらはぎを使うシンプルな種目です。壁や椅子の近くで行うと安全です。
やり方
- 足を腰幅程度にして立ち、必要に応じて壁へ手を添える
- 足の指だけへ偏らないよう、前足部全体で床を押す
- かかとをゆっくり持ち上げる
- 上で一度止まり、ゆっくり下ろす
10〜15回から始めます。慣れてから片脚に変える場合も、まず安定性を優先してください。
6. デッドバグ|手脚を動かしながら体幹を安定させる
デッドバグは、仰向けで手脚を動かしながら、胴体を安定させる練習です。
やり方
- 仰向けになり、両腕を天井へ向ける
- 膝と股関節を無理のない範囲で曲げる
- 腹部へ軽く力を入れ、腰が大きく反らない位置を保つ
- 対角の腕と脚をゆっくり遠ざける
- 元へ戻し、反対側も行う
左右各5〜8回を目安にします。腰が反る場合は、腕だけ・脚だけに分けるか、動かす範囲を小さくしてください。
7. 縄跳び・その場足踏み|室内で心拍数を上げる
元記事では、持久力を刺激する室内運動として縄跳びが紹介されています。縄跳びは短時間でも強度が上がりやすいため、初めて行う場合は短い時間から始めます。
取り入れ方
- 縄跳び:20〜30秒跳び、30〜60秒休む。最初は3〜5回を目安にする
- ロープなしの軽いジャンプ:小さな動きで静かに着地する
- その場足踏み:ジャンプが難しい場合の低衝撃な選択肢
足、膝、アキレス腱などに不安がある場合や、階下への影響がある場合は、その場足踏みを選びましょう。
初心者向け15分メニュー
各種目を完璧にこなすより、無理なく続けられる構成から始めます。
- 準備運動 3分:その場歩きと軽い関節運動
- モビリティ 2分:左右をゆっくり行う
- スクワット 8〜10回
- リバースランジ 左右各6回
- グルートブリッジ 10回
- カーフレイズ 12回
- デッドバグ 左右各5回
- その場足踏み 1〜2分
余裕があれば2周します。フォームが崩れる場合は、回数や種目数を減らしてください。
頻度とランニングとの組み合わせ方
最初は週1〜2回、10〜20分程度から始めると、ランニングとのバランスを確認しやすくなります。新しい筋力トレーニングの直後は筋肉痛が出る場合があるため、重要なポイント練習やレース直前に急に多く取り入れないようにします。
| タイミング | 取り入れ方の例 |
|---|---|
| イージーラン後 | 短い筋力・体幹メニューを追加する |
| 走らない日 | 軽いモビリティを中心に行う |
| 雨や暑さが厳しい日 | 補強メニューを行い、走行距離の埋め合わせはしない |
| レース前 | 新しい種目や強い筋肉痛が残る負荷を避ける |
疲労が強い日は、予定どおり行うことより回復を優先します。
▶︎休息とトレーニング適応については「トレーニング後の回復とは?身体が適応して強くなる仕組み」をご覧ください。
Suuntoで室内運動を記録する
Suunto Runは、ランニングと日々のトレーニングを軽量なウォッチで記録したい人の選択肢です。
Suunto Race Sは、コンパクトなサイズでランニングから複数のスポーツまで記録したい人に適しています。
Suunto Race 2は、大きなAMOLEDディスプレイでトレーニングデータを確認し、ランニングと補強を含む持久系トレーニングへ取り組みたい人の選択肢です。
対応するスポーツモードや記録項目は、モデルやソフトウェアのバージョンによって異なる場合があります。室内運動では、筋力トレーニング、サーキットトレーニングなど、目的に近いスポーツモードを選びましょう。
▶︎表示項目の変更は「Suuntoアプリでスポーツモードをカスタマイズする方法」で解説しています。
よくある質問
筋トレをするとランニングが遅くなりませんか?
筋肉痛や疲労が強い状態では、短期的に走りづらくなる場合があります。少ない量から始め、重要なランニング練習との間隔を調整してください。
毎日行ってもよいですか?
同じ筋肉へ強い負荷を毎日かける必要はありません。軽いモビリティと筋力トレーニングを分けるなど、内容と疲労に合わせて休養日を設けましょう。
器具は必要ですか?
今回紹介した種目は基本的に自重で実施できます。負荷を増やす場合も、先にフォームと回数を安定させてから検討してください。
痛みがあるときも補強すべきですか?
痛みの原因を自己判断して負荷を加えないでください。運動を中止し、痛みが続く場合や日常動作へ影響する場合は、医療専門家へ相談しましょう。
まとめ|短い室内トレーニングを継続する
室内トレーニングでは、ランニングを支える脚、臀部、体幹の筋力やモビリティへ取り組めます。広い場所や特別な器具がなくても、10〜15分のメニューから始められます。
回数や強度を競わず、安定したフォームと継続を優先しましょう。ランニングの負荷と回復状態を見ながら週1〜2回から試し、自分の課題に合う種目を残していくことがポイントです。