自然の中で走ったり、登ったり、スキーをしたりする私たちが、毎日の暮らしの中でできることは何でしょうか。ものを長く使う、必要のないものを減らす、旬の食材を選ぶ、自分で野菜を育ててみる。大きな変化でなくても、日々の選択を少しずつ見直すことができます。
スウェーデン北東部の森に囲まれて育ったSuuntoアスリートEmelie Forsbergは、幼い頃から自然と深く関わりながら暮らしてきました。
スカイランニングの世界チャンピオンとして山を走る一方、ガーデニングや食べ物を育てることも彼女の大きな情熱です。
Emelieが大切にしているのは、環境のためだけに我慢する暮らしではありません。
自分自身、家族、自然、そしてこれからの世代と無理なくつながり続けられる暮らし。
この記事では、Emelieが実践してきた考え方をもとに、アウトドアを愛する私たちが日常生活に取り入れられるサステナブルな暮らしのヒントを紹介します。

Emelie collecting berries for the freezer to last over winter.
まず覚えたい4つのR
Emelieが幼い頃から学んできたサステナブルな暮らしの基本が、次の4つのRです。
- Reuse:繰り返し使う
- Reduce:減らす
- Refuse:必要のないものを断る
- Recycle:資源として循環させる
どれも特別なことではありません。
むしろ、昔の暮らしでは自然に行われていたことも多くあります。
Emelie自身も、ものを繰り返し使う姿勢について祖父母の世代をよく思い出すと話しています。
新しいものを買って問題を解決する前に、今あるものをどう使えるかを考える。
そこから始めてみましょう。
1. Reuse|今あるものをもう一度使う
Reuseは、最も取り入れやすい習慣のひとつです。
例えば、
- マイボトルやマグカップを使う
- 繰り返し使える買い物バッグを持つ
- 保存容器を再利用する
- 中古のウェアや家具を選ぶ
- アウトドア用品を家族や友人と共有する
などがあります。
登山やランニングでも、「新しいモデルが出たから」という理由だけで買い替えるのではなく、今持っているウェアやギアがまだ使えるか、一度考えてみることができます。
長く使うことそのものが、ひとつの選択です。
2. Repair|壊れたら買い替える前に直せるか考える
原文では4Rに加えて、Emelieが特に大切にしている考え方としてRepair=修理も紹介されています。
靴、ウェア、家具、スポーツ用品などは、故障や傷みがあっても修理して使える場合があります。
例えば、
- ウェアの小さな破れを補修する
- ファスナーやパーツを交換する
- アウトドア用品を適切にメンテナンスする
- メーカーの修理サービスを確認する
といった方法があります。
修理は「古いものを我慢して使う」ことではありません。
気に入ったものを、自分の暮らしの中で長く使い続けるための方法です。
3. Reduce|必要以上に持たない・使わない
Reduceは、「何も買わない」という意味ではありません。
自分に本当に必要な量を考えることです。
Emelieは、必要以上のギア、ウェア、生活用品を増やさないよう意識しています。
日常生活なら、
- 使っていない照明を消す
- 不要な家電をつけっぱなしにしない
- 短い距離なら徒歩や自転車を選ぶ
- 必要以上に包装された商品を避ける
- ギアを用途ごとに増やしすぎない
など、いろいろなReduceがあります。
アウトドア用品も、たくさん所有することより、自分が本当に使うものを選び、しっかり使い込むという考え方があります。
4. Refuse|必要のないものは受け取らない
Refuseは、少し難しく感じるかもしれません。
しかし身近なところから始められます。
例えば、
- 必要のない使い捨て用品を断る
- 過剰包装をできるだけ避ける
- 使わないノベルティを受け取らない
- 短い移動なら別の交通手段を検討する
などです。
原文では、飛行機に乗らない、特定の食品を選ばないといったより大きな選択も紹介されています。
ただ、すべての人が同じ選択をできるわけではありません。
「これは本当に必要?」と一度考えてみること。
それだけでもRefuseの第一歩になります。
5. Recycle|捨てる前に資源として戻す
ReuseやRepairができないものは、地域のルールに合わせて適切にリサイクルします。
ガラス、金属、紙、プラスチックだけでなく、
- 衣類
- 電池
- 電子機器
- 小型家電
などにも回収やリサイクルの仕組みがあります。
ただし、最初からリサイクルだけを頼りにするより、Reuse → Repair → Reduce → Recycleという順番で考えてみるのも一つの方法です。

Planting trees helps to capture carbon.
6. 家庭で使うエネルギーを少し見直す
Emelieは、家庭で使うエネルギーについても小さな工夫を積み重ねています。
例えば、
- 使っていない照明を消す
- 機器を必要以上につけっぱなしにしない
- エネルギー効率のよい照明を使う
- 洗濯機や食洗機はできるだけまとめて使う
- オーブンを使うなら複数の料理をまとめて調理する
といった方法です。
住宅環境や家族構成によってできることは違います。
すべてを変えるのではなく、普段なんとなく使っているエネルギーを一度見直してみるところから始めてみましょう。
7. 食事の選択肢を広げる
Emelieは食事について、植物性の食材を多く取り入れることを意識しています。
ただし、日本版では「全員が植物性の食生活に変えるべき」とは考えません。
例えば、
- 豆類や穀物を使った料理を増やしてみる
- 週に何度か植物性中心の食事にする
- 肉や乳製品を食べる頻度を少し見直す
- 新しい野菜料理を試す
など、それぞれの暮らしに合わせた方法があります。
特定の食生活を正解にするのではなく、選択肢を増やしてみる。
そのくらいの始め方でも十分です。
8. 旬と地域の食材を楽しむ
Emelieの食生活で特徴的なのが、季節と土地に合わせて食べることです。
その土地で、その季節に採れるものを選ぶ。
例えば日本なら、春の山菜、夏のトマトや枝豆、秋のきのこや芋類、冬の根菜など、季節によって食卓が変わります。
旬の食材を選ぶことは、環境だけでなく、季節そのものを楽しむことにもつながります。

Emelieは、自分の暮らす地域で採れる食材を大切にしています。
もちろん、すべての食品を地元産にする必要はありません。
選べるときには旬や産地を少し意識する。
それだけでも、食べ物を見る目が変わってきます。
9. 小さくても自分で食べ物を育ててみる
Emelieにとって家庭菜園は、単に食材を自給するためのものではありません。
自然の仕組みや、食べ物ができるまでの時間を理解する方法でもあります。
自分で種をまき、水を与え、収穫するまで育てると、一つの野菜にどれだけ時間と手間がかかっているか実感できます。
Emelieは、自分で育てた野菜を無駄にすることはできないと話しています。
そしてその感覚は、お店で購入する食材を大切にする気持ちにもつながっています。

大きな畑がなくても構いません。
- ベランダでハーブを育てる
- プランターでミニトマトを育てる
- 小さな鉢で葉物野菜を試す
ところから始められます。
花も一緒に育てれば、昆虫が訪れる小さな環境を作ることもできます。
10. 完璧を目指さず、自分にできることを続ける
ここまで読むと、
「全部実践しないと意味がない?」
と思うかもしれません。
そんなことはありません。
Emelieの暮らしは、彼女が育った環境、住んでいる場所、家族の生活に合ったものです。
都市で暮らす人、車が必要な人、家庭菜園ができない人には、それぞれ別の選択肢があります。
大切なのは、他人の暮らしをそのままコピーすることではなく、自分の生活の中で変えられるものを見つけること。
そしてもうひとつ忘れてはいけないのは、環境問題は個人の努力だけで解決できる規模ではないということです。
Emelieの記事でも、個々の行動は大切である一方、社会や産業、制度といったより大きな仕組みの変化も必要だと指摘しています。
だからこそ、個人だけに責任を背負わせるのではなく、自分にできることを続けながら、企業や社会の取り組みにも目を向けることが大切です。
長く使い、修理するというSuuntoの考え方
Suuntoも、サステナビリティにおいて長く使えて、できる限り修理できる製品づくりを重要な考え方のひとつとしています。
新しい製品を作ることだけでなく、今ある製品をできるだけ長く使えるようにすること。
そして、自社の環境負荷を理解し、削減を続けていくこと。
完璧ではなくても、より良くあり続けるという姿勢を大切にしています。
まとめ|自然とのつながりを暮らしの中にも
Emelie Forsbergにとって、サステナブルな暮らしは「環境のために何かを我慢すること」ではありません。
山を走ること。
季節のベリーを摘むこと。
野菜を育てること。
子どもたちと自然に触れること。
ものを直して長く使うこと。
自然とのつながりを、アウトドアの時間だけでなく毎日の暮らしの中にも持ち続けること。
そのためのヒントが、Emelieの生活にはあります。
- 今あるものを繰り返し使う
- 壊れたものを修理する
- 必要以上のものを減らす
- 必要のないものを断る
- 適切にリサイクルする
- 家庭のエネルギー消費を少し見直す
- 食事の選択肢を広げる
- 旬や地域の食材を楽しむ
- できれば自分で何かを育ててみる
すべてを一度に変える必要はありません。
今週はマイボトルを使う。
次に何か壊れたら、買い替える前に修理できるか調べてみる。
スーパーで旬の野菜をひとつ選んでみる。
自分の暮らしに合う小さな選択を、無理なく続けていきましょう。